IT・エレクトロニクス業界として取り組むべき原則
1.人間中心
JEITAは、あらゆる人の能力を拡張・補完し、それぞれが望む形での社会貢献や豊かな生活を支援するテクノロジーとしてAIを位置づけます。
人間尊重を基本として、人とAIが共生する社会の実現を目指し、社会と調和したAIの普及を促進します。
2.安全性
JEITAは、AIは豊かな生活と社会の発展のために利活用されるべきものであり、人の安全を脅かし、危害を及ぼすものであってはならないと考えています。
そのため、会員各社には、人の生命・健康・人権・財産などに対するAI利活用のリスクとベネフィットを分析し、適切な対策を講じることを求めます。また、AIシステム・サービスの提供後においても、AIシステム・サービスの利用における安全性の向上や、不自然な挙動の記録・監視に取り組むことを推奨します。
JEITAは、AIの安全性を確保するために、AIを適正な用途で使用する、適切なデータで学習させることが必要であると考えます。
そのため、会員各社には、AIが設計された用途や範囲から逸脱した使い方をされないよう、利用者に対し利用方針、利用条件などを示すことを推奨するとともに、AIの学習においては可能な限り適切なデータを用いるよう促します。
JEITAは、AIの発展に伴って偽情報や誤情報の生成が容易となり、これらの情報が社会に流通する可能性が高まっていると考えます。
偽情報や誤情報によって企業や個人の意思決定に重大な影響を及ぼす恐れがあるため、会員各社には、情報の信頼性を確保するための対策に取り組むことを求めます。
3.公平性
JEITAは、AIは公平であり、多様性を尊重する必要があると理解しています。
そのため、会員各社には、人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教などに関わらずあらゆる人を尊重し、回避しきれない潜在的なバイアスがあることにも留意し、AIシステム・サービスの開発・提供・利用における差別や偏見の最小化に努めるよう求めます。
4.プライバシー保護
JEITAは、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、プライバシー保護は重要な事項であると認識しています。
会員各社には、個人情報保護法など国内外における関連法令の遵守とプライバシーポリシーの策定・公表や、ステークホルダーと合意した機密情報の保護に必要な対応に努めるよう求めます。
また、個人情報に該当するか否かに関わらず、AIが生成した情報による潜在的なプライバシーのリスクを分析し、これを最小化するために適切な措置を講じることを推奨します。
5.セキュリティ確保
JEITAは、AIシステム・サービスにおける継続的なセキュリティ対策が重要であると考えます。近年の技術進歩に伴い、サイバー攻撃の手法は複雑化してきています。データの改ざんや情報漏洩により被害が広範囲に及ぶ可能性があるため、強固な対策が必要です。
会員各社には、AIシステム・サービスの機密性・完全性・可用性を常時維持し、その時点での技術水準に照らして合理的な対策を講じるとともに、新たな攻撃手法やリスクなどの最新動向も留意するよう求めます。また、AIシステム・サービスの開発・提供・利用における潜在的なリスクを分析し、これを最小化するための適切な措置を講じるよう求めます。
6.透明性
JEITAは、AIシステム・サービスの透明性確保には、AIの学習や推論過程、判断根拠等を検証できることに加えて、用途や状況に応じ、技術的に可能な範囲かつステークホルダーに対し合理的な範囲で情報を提供することが必要だと考えます。
そのため、会員各社には、製品・サービスの性質、技術的な実現可能性、運用上の負担を考慮した上で、可能な範囲でAIの学習・推論過程や判断根拠などを記録・保存し、そのプロセスを確認できる状態にすることを推奨します。また、合理的かつ必要な範囲で、ステークホルダーに対しAI利用の事実やデータ収集の手法などAIシステム・サービスの設計・運用・影響に関する情報を適切に提供するよう促します。
7.アカウンタビリティ
JEITAは、企業が説明責任を果たすためには、AIガバナンスの体制を構築することが必要だと考えます。
そのため、会員各社には、責任者と責任範囲を明確にすることを促し、問題発生時に迅速に対応できる状態を求めます。
JEITAは、ステークホルダーへの具体的な対応が、説明責任を果たすために重要であると認識しています。
会員各社には、必要に応じ、AIガバナンスに関するポリシーなどの方針を策定・公表するよう推奨します。また、AIの判断結果の誤りなどについて、必要に応じ、ステークホルダーから指摘を受け付ける機会を設けるとともに、ステークホルダーの利益を損なう事態が生じた場合は、対応方針を策定して着実に実施し、進捗状況を定期的に報告するよう促します。