業界初! クラウド連携によるスマートライフサービス提供に関するJEITA標準モデルを公開
スマートライフ市場に参入する事業者向けに、標準的な消費者へ提示するUIおよび事業者間のクラウド連携手法について、目標とするべき仕様を業界として初公開しました。本モデルは、令和元年度補正予算「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業」の要件の一つに採用されています。
スマートライフ市場構築を目指して
「スマートホーム部会」では、スマートライフ市場の健全な市場構築を目指し、データカタログの整備、サイバーセキュリティ対策検討、IoT住宅の機能安全の検討等、さまざまな活動を行っています。
「スマートホーム部会」が目指すスマートライフ市場とは、IoT家電等により、宅内外の機器の利用情報や環境情報を収集し、生活上のあらゆる情報をつなげ、消費者のニーズを踏まえた情報の利活用を推進し、生活の不便を解消するなどの多様なサービスを提供する新たな市場です。
宅内で利用されるさまざまな家電/住宅設備機器等が収集する住まい手の生活データを連携・活用することで、個人のニーズに応えるだけでなく、社会課題の解決にも寄与するさまざまなサービス等が創出され、我が国が目指すSociety 5.0社会の実現にもおおいに貢献が期待されています
標準モデルの策定の必要性
これまでのスマートホームサービスは、1社が自社の方針で機器とサービスを繋ぎ込むことで実現してきましたが、今後はクラウド上でID連携を行い、低コストで柔軟性の高いサービスを実現する形になることが想定されます。(図1)
しかしながら、このような新たなモデルで提供されるスマートホームサービスについては、対ユーザへの説明は、購入前や契約時に接客している時点、あるいは設置を行うときに説明を行う必要が出てきますが、この設定・提供までのフローを正しく説明できる人員が不足しているため、消費者に混乱を与える原因になる可能性もあります。
そのため、スマートホームサービスの提供を行う際のUI等は、企業間における違いを限界まで排除し、なるべく分かりやすく、一本化していく必要があります。
【図1:クラウド連携によるスマートライフサービス提供モデル】
JEITA標準モデルの内容と効果
スマートホーム部会では、このような背景の元、スマートホームに関係する企業の参加を得て、スマートライフサービス提供に関するJEITA標準モデルの策定を行いました。
本標準モデルは、プラットフォーム接合方法の手法として、OpenID Connect方式を用いて、個人情報保護を遵守し、セキュアにデータ連携を行う方法について示すと共に、消費者へのUIとして以下の項目を制定しました。
●機器接続・機器登録・サービス申し込み手順
●利用許諾の管理/確認フロー部分
【消費者に提示するUI 全7パート】
1.全体パート機器購入⇒登録⇒サービス加入等、消費者にUIとして提示する全体像を示す。
2.機器登録パート・機器を購入して登録する。(サービスは未加入で、まだ加入予定は無い)
・機器を購入して登録する。(サービスには加入しているが、まだ連携を行わない)
・サービス加入済みで連携済みの機器を登録抹消するとき
・サービス加入済みで連携済みの機器を連携解除するとき
・サービスに申し込む。(とりあえず機器連携は、おこなわない)
・サービスに申し込む。(機器をもっていない)
サービスをやめる
6.ID接合パートサービス加入済み、機器登録済みで、後からデータ連携を開始する
7.データ連携許可/解除パート・サービス加入済みで連携済みの機器を連携解除するとき
・サービス加入済みで連携解除済みの機器を連携許可するとき
標準モデルのカバー範囲
本標準モデルを機器・サービス・アプリ等の開発時に参照してもらうことで、以下のメリットが期待できます。
●機器メーカ/サービス提供事業者
標準モデルに沿ったUIを整備することで、機器のネットワーク接続率やサービス加入者が向上する。
●ユーザ
機器のネットワーク接続手順やサービス加入の手順を理解しやすくなり、複数機器の接続意欲が向上する。
●販売者
複数メーカ機器の説明が共通化され、商品やサービスを消費者に訴求しやすくなる。
スマートライフ市場に参入する事業者が、JEITA標準モデルを参照することで、一層の企業間連携が促進され、消費者に受け入れられやすいスマートライフ市場の進展の一助となれば幸いです。
クラウド連携によるスマートライフサービス提供に関するJEITA標準モデル Ver. 1.0
https://www.jeita.or.jp/japanese/pickup/category/model.html