◆ はしがき
昨今の化学物質規制は、EUのRoHS指令やREACH規則に代表されるように、各国において年々強化されています。規制対象地域に直接製品を輸出する企業はもちろん、最終製品に組み込まれる材料や部品を提供する企業でも、法規制への対応が必要不可欠になっています。このような状況からも、各社においては、設計・開発・購買・製造・引渡しなどの各段階での適正な化学物質管理が必須となるとともに、上流取引先を含めたサプライチェーン全体にその取り組みを展開していくことが急務となっています。
しかし、現状では、製品含有化学物質管理における取り組みが発展途上の段階でもあり、十分な体制が構築できていない、あるいは構築する方法が分からない企業が存在するのも事実です。
そのような中で、適正な製品含有化学物質管理の要件をまとめた日本産業規格「JIS Z 7201 製品含有化学物質管理 - 原則及び指針」が2017年12月に改正されたことを受け、「製品含有化学物質管理ガイドライン(第4.0版)」が、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)より発行されました。
JEITA資材委員会のもと、2010年7月に設置された「環境監査標準化ワーキング・グループ」では、自社及び取引先双方の製品含有化学物質管理システムの監査・調査の合理化に向けて、確認項目や要求レベルを標準化すべく活動を行ってきました。
今般、このワーキング・グループの活動の成果として、「製品含有化学物質管理ガイドライン(第4.0版)」をもとに、「製品含有化学物質管理システム導入マニュアル」を作成しましたので、ご紹介することといたしました。
多くの企業が、製品含有化学物質管理システムの導入や取引先への管理システム構築要求時に教育資料や手引書として本文書をご活用くださると幸甚です。
2020年2月1日
資材委員会
環境監査標準化ワーキング・グループ
◆ 本文書の位置づけ
本文書は、サプライチェーン全体を通じて製品含有化学物質管理が確実かつ効率的に実践され、信頼性の高い製品含有化学物質情報を授受できるようになるための手助けになることを願って、JEITA資材委員会 環境監査標準ワーキング・グループ参加各社の協力のもと作成されました。各社の教育資料として、あるいは、サプライチェーン上流取引先に提供する手引書としてご活用ください。
【内容】
本文書の特徴は、製品含有化学物質管理システムを構築する目的や必要性を理解していただくために、『世の中の動向や法規制の概要』、『製品含有化学物質管理ガイドライン及びその具体的な要求事項』 や 『チェックシートの内容及び活用方法』 をビジュアル化して分かりやすく説明し、実際に起こりうる不具合事例を紹介することにより管理のポイントをより明確に認識していただける構成となっています。
<目次>
1. 製品含有化学物質管理の目的
2. 製品含有化学物質管理ガイドラインについて
3. チェックシートについて
4. 不具合事例から学ぶ管理のポイント
【使用方法例】
製品含有化学物質管理の基本から実例までを網羅した内容となっており、以下のような場面での使用を想定しております。
・ 各企業の化学物質管理責任者及び担当者向けへの社内教育
・ サプライチェーン上流の取引先への化学物質管理システム構築要求時の説明
・ 社内及び取引先の化学物質管理システムの監査をおこなう人材育成
【外国語版(英語、中国語、韓国語)について】
こちらから入手いただけます。
【アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)管理ガイド技術委員会の推奨について】
・本資料は、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)管理ガイド技術委員会により、推奨を頂いています。
推奨理由は、以下の通りです。
-「JAMPの理念および製品含有化学物質管理ガイドライン等の関連文書との整合性」が確認されている。
-「製品含有化学物質管理ガイドラインの補足文書としてJAMP発行のガイダンス等の技術文書」に相当する。
・本資料は、同上委員会より「製品含有化学物質管理の推進・実践のために有効であり、サプライチェーン全体で広く活用されることが重要であると考えます」とのコメントも併せていただいています。
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)管理ガイドライン掲載サイト
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