概要:
製品の信頼性を確保する手法の一つにFMEA(Failure Mode and Effect Analysis : 故障モード・影響解析)があります。IECの国際規格(IEC 60812:2006)になっており、国内においてもJIS C 5750-4-3:2011として規格化されています。また、自動車産業向けの品質マネジメントシステムの技術仕様であるISO/TS 16949(IATF 16949に移行予定)においては、コアツールの一つとしてサプライヤーへの要求事項となっています。
しかし、FMEAが正しく作られ、使われているかと言えば、疑わしい状況にあります。実際に“作り方がよくわからない” “FMEAを作ったのにクレームが減らない”と言った声を聴きます。また、ISO/TS 16949の審査においては、審査官から多くのコメントや指摘を受けているのを目にします。
“作り方がよくわからない”のは、市販のガイドがセット機器や自動車など完成品(最終製品)を例に書かれているためであり、“FMEAを作ったのにクレームが減らない”のは、未然防止という本来の目的が考慮されておらず、さらに継続的な改善活動が行われていないためです。
これらのことに鑑みて、電子部品部会傘下の信頼性技術強化WGでは、電子部品専用の実施ガイドとして刊行すべく、FMEA実施手順や記載すべき事項などの検討を重ねてまいりました。本ガイドの活用を通じて、日本の電子部品の品質・信頼性がさらに高まることを願っております。
目次(抄):
1. 序文
2. FMEAとは
3. FMEAの目的
4. FMEAの種類
5. FMEA検討チーム
6. FMEAの実施手順
7. 設計FMEAの作成
分解レベル/顧客の定義/準備/書式
実施(※)/設計FMEAの見直し
8. 工程FMEAの作成
顧客の定義/準備/書式
実施(※)/工程FMEAの見直し
9. おわりに
10. 事例(設計FMEA/工程FMEA)
11. 参考文献
(※)設計/工程FMEAそれぞれの実施手順をステップごとに解説
ステップ1:事前準備
ステップ2:潜在的故障モードの抽出及び故障原因の想定
ステップ3:各故障モードの影響度の見積り
ステップ4:各故障影響の厳しさ評価
ステップ5:各故障モード及び/又は影響の予防
ステップ6:各故障モードの発生頻度評価
ステップ7:各故障モードの検出
ステップ8:検出可能性評価とリスク優先数RPNの算出
ステップ9:改善作業
ステップ10:改善後のリスク優先数RPNの算出
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