2006年7月に施行されたEU(欧州連合)のRoHS指令により電気・電子機器に対する特定有害物質の使用が制限されたことを機に、鉛フリー化の対策・検討を精力的に進めてきた。各企業においても環境問題の対応の必要性から、鉛フリーはんだへの切り替えが進められている。今日の鉛フリー実装技術の普及に伴い、これまで鉛を加えることである程度抑制されていた錫ウィスカが、再び市場故障を増加させる深刻な問題として顕在化してきた。
このウィスカ発生の問題を解決するために、平成18年12月から平成21年11月の3年間に亘り、独立行政法人中小企業基盤整備機構の戦略的基盤技術高度化支援事業として「電子実装の信頼性向上のためのウィスカ防止技術の開発」を実施してきた。この事業は、主にウィスカ発生メカニズムの解明、ウィスカ抑制技術・対策技術の確立、信頼性評価基準・評価技術の確立等を目指したものである。
ここで得られた最新の成果を広く公表するため、平成22年3月に開催した「電子実装ウィスカ防止技術フォーラム」の資料集として発行することとした。新製品の開発、材料開発、製造プロセス、品質管理等に携わっている方々には、大きく変革していくエレクトロニクス産業の今後のビジネスに役立てて頂こうとするものである。
主な目次
- 戦略的基盤技術高度化支援事業/電子実装の信頼性向上のためのウィスカ防止技術の開発
- 研究成果(1):めっき膜と界面の微細構造とウィスカ発生の関連
- 研究成果(2):外圧によるウィスカ発生・成長評価
- 研究成果(3):外部応力型及びはんだウィスカの発生メカニズム
- 研究成果(4):すずウィスカ発生・成長の「その場観察」と微細組織解析
- 外部応力型ウィスカの抑制技術に対する検証結果
- 内部応力型ウィスカの抑制技術に対する検証結果
- 溶接部ウィスカの抑制技術に対する検証結果
- はんだウィスカの抑制技術に対する検証結果
- JEITA規格案「錫ウィスカ抑制鉛フリー材料選定ガイドライン」の紹介
- はんだメーカのウィスカ防止事業に関する今後の取り組み
- メッキ試作機によるメッキ膜のウィスカ評価報告
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