TECH7官民会合
TECH7とは
G7加盟国のICT業界団体による連合体で、デジタル技術の政策提言や国際協力を目的としています。2023年東京、2024年ローマに引き続き、2025年はカナダ・オタワにて、AIの信頼性、サイバーセキュリティ、デジタル貿易などを議題とする官民会合が開催されました。
■日時:2025年10月28日 8:00~16:30
■場所:カナダ・オタワ、Fairmont Chateau Laurierホテル
■出席者:TECH7代表、カナダ政府代表、企業代表
今回のTECH7官民会合では、協働、イノベーション、共有ガバナンスがいかに信頼できるデジタル経済を形成するか、また、国境を越えた責任あるAI、サイバーセキュリティ、データガバナンスをいかに推進するかという課題について議論を行い、レジリエンス、包摂性、野心、協働の精神がトラストを醸成し、信頼こそが革新と持続的な進歩の基盤であることを確認しました。
主要挨拶・メッセージ
●TECHNATION Canada会長:
AI・サイバーセキュリティ・デジタルガバナンスでの共同行動の重要性。
●カナダG7副大臣:
G7首脳声明「繁栄のためのAI」や量子技術ビジョンを紹介。
●カナダAI担当大臣:
国家AI戦略の3本柱「Build・Protect・Empower」を提示。信頼と協力が不可欠。
ファイヤーサイド・チャット
(2~3名の登壇者によるトーク)
●「責任あるAI導入とカナダの役割」
- 公共の信頼、透明性、強固なデータガバナンスが鍵。
- 自主的AI行動規範と官民連携が信頼強化に寄与。
●「イノベーション経済の加速」
- 研究成果を市場へ結びつけるため、政府・学術・産業の連携強化。
- 長期的政策支援と人材投資が不可欠。
●「政府サービスの近代化」
- プライバシー保護とサイバー防御を両立。
- AIハブ構築、職員AIリテラシー向上、国際連携が重要。
このセッションにて、モデレータよりフロアへ「日本におけるAIビジネス展望」について共有を求められ、JEITAを代表して参加した永沼氏(NEC)が下記内容の発言を行いました。
- 日本では少子高齢化対応や行政効率化でAI活用進展。
- 最大課題は「信頼」:プライバシー保護・ガバナンス・国際規範遵守。
- 2025年9月AI法施行、「人間中心のAI社会原則」を推進。
- JEITAでは、日本の産業界における基本的な考え方を示したAIポリシーを今年6月に公開。マルチステークホルダーによる市民参加型設計を提案した。
パネルディスカッション
●「包括的イノベーション拡大」
- 政府は透明性と公開性で信頼構築。
- 先住民企業調達目標達成、協働でコスト削減。
●「サイバーレジリエンス設計」
- セキュリティは設計段階から。
- 国家戦略と国際協力で脅威予防。
●「TECH7パネル:国境なきデジタル貿易」
- G7政策整合化、データガバナンス・相互運用性強化。
- DFFT(信頼に基づくデータ自由流通)推進。
- AIとエネルギーのバランス、規制調和で中小企業支援。
このTECH7パネルにJEITAを代表して参加した中谷通商委員長は下記の発言を行いました。
- Q1
- G7域内における越境デジタル貿易の最も差し迫った障壁は何ですか?
- G7は民主主義などの価値観を共有しているが、各国のアプローチは異なる。
- 各国は DX・GX・経済安全保障の3本柱で政策を進めている。
- データガバナンスの最適なバランスはまだ確立されておらず、継続的な議論が必要。
- Q2
- デジタル商取引の未来を形作る上で、多国間協定はどのような役割を果たすべきですか?
- 越境デジタル取引の障壁:規制断片化(プライバシー・セキュリティ・データローカライゼーション)。
- 多国間協定で標準調和、AI透明性認証制度構築。
- 多国間協定による相互運用性と信頼の確保が重要。
- データ保護・AIガバナンスの標準調和を通じてイノベーション促進が期待される。G7が支持するDFFTはその基盤であり、日本は提唱国として主導的役割を果たしている。
次回議長国
会合の最後に、TECHNATION Canadaのケビン・デントレモン会長兼CEOから、来年2026年TECH7議長国のフランスNumeum会長ヴェロニク・トルネ氏への引き継ぎが行われました。