「テープストレージの未来を考える」
(LTO発表25周年記念セミナーから)
突然ですが、「テープ」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
かつてはカセットテープやビデオテープが広く使われていましたが、今では市場からほとんど姿を消し、
「過去のもの」と感じる方も多いかもしれません。
今回ご紹介する「テープ」は、そうした音楽や映像の記録媒体ではなく、データ保存用の磁気テープについてです。
データ保存といえば、ハードディスクやクラウドを思い浮かべる方が多いと思いますが、
実は磁気テープによる保存技術は現在も広く活用されており、重要な役割を果たしています。
その主なメリットは以下の通りです。
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- 大容量・低コスト
- ・年々記録容量が増加しており、消費電力やCO2排出量も大幅に削減できます。
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- オフライン保管
- ・災害時のバックアップ手段として有効です。
- ・サイバーセキュリティ対策としても注目されています。
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- 長期保存・高い耐久性
- ・適切な保管環境(例:25℃)下では、磁気性能において50年以上の寿命が検証されています。
こうした特性から、過去のアーカイブを長期保存する必要がある業界では、テープストレージが広く利用されています。
また、AIの普及により扱うデータ量が急増する中、CO2削減やコスト低減の観点からも、テープストレージの重要性はますます高まっています。
このような背景のもと、テープストレージ専門委員会(委員長:香取勝喜/日本アイ・ビー・エム)では、LTO(Linear
Tape-Open)技術の発表25周年を記念し、「テープストレージの未来を考える」と題したセミナーを、日本アイ・ビー・エム 虎ノ門ヒルズステーションタワーにて開催しました。
セミナーでは、以下のような幅広いテーマで講演が行われました。
・LTO-10を含む最新技術動向
・メディアベンダー・バックアップソフトベンダーによる技術紹介
・長年テープストレージを活用しているユーザーによる実例紹介
さらに、会場内には実機展示も行われ、休憩時間や懇親会を通じて実物に触れる機会も提供されました。
当初の想定を上回る100名以上の参加者が集まり、セミナー後の懇親会にも多くの方が残られて、講師陣との活発な意見交換が行われました。
参加者からは「エンドユーザーの具体的な活用事例が聞けて貴重だった」「LTOの最新技術動向が参考になった」といった声が多数寄せられました。
テープストレージ専門委員会では、今後もテープストレージの普及に向けたさまざまな活動を通じて、業界の活性化に取り組んでまいります。
現在、広くメンバーを募集しておりますので、ご興味・ご関心のある方はぜひお気軽にお声がけください。
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