2024年度 先端交通システム部会
合同活動報告会 開催レポート
JEITA 先端交通システム部会は、「豊かな暮らしを支えるデジタル交通社会の実現-新たなモビリティ製品・サービス普及拡大による社会課題の解決」を活動のテーマとし、モビリティとDXによる、持続可能な豊かな社会の実現に資する活動に取り組んでいます。
ITS事業委員会、カーエレクトロニクス事業委員会、スマートモビリティ研究会、先端交通システム標準化専門委員会はそれぞれの領域において、このテーマにそった2024年度の活動を紹介しました。
ITS事業委員会
委員長 星 佳典/沖コンサルティングソリューションズ(株)
ITS(Intelligent Transport Systems)の今後の動向の把握、さまざまなステークホルダーとの対話を通じ、課題解決とITSビジネスの発展に繋がる情報収集に注力し、業界発展に資する情報発信として、CEATECにおいて国土交通省道路局と連携したブース出展の実績も紹介しました。
先端交通システム標準化専門委員会
委員長 星 佳典/沖コンサルティングソリューションズ(株)(ITS事 兼任)
ITSに関する国際標準化組織ISO/TC204 WG16通信およびWG17ノーマディックデバイス分野の規格化検討活動に参画し、海外勢との技術協調を図るとともに、日本の国際競争力強化に資する迅速な情報共有の取り組みについて報告しました。
カーエレクトロニクス事業委員会
委員長 黒澤 武史/アルプスアルパイン(株)
カーナビゲーションシステム・IVI(In Vehicle Infotainment)市場の動向を業界団体として正しく把握する活動を行うとともに、業界を活性化するために必要なルールデザイン・マテリアリティの議論や、グローバルサプライチェーンから求められるESG視点を持った企業経営に関する異業種との情報交換を実施、メンバー企業にフィードバックする取り組みについて報告しました。
スマートモビリティ研究会
スマートモビリティ研究会は、多様な調査活動に取り組んでおり、領域ごと以下のように報告しました。
研究会 活動の概観
主査 中村 順一/東芝インフラシステムズ(株)
スマートモビリティ研究会は自動運転・モビリティサービスに関する各地での取り組み動向や、モビリティのシステムを支える車載・インフラセンサーや通信プラットフォームの動向調査として、多くのプレイヤーとの交流に取り組みました。
個社では得られない“JEITAならではの一次情報”を多く提供できた結果、参加メンバーの満足度調査では、高い満足度を得られたことを報告しました。
混在空間でのモビリティサービスの進展
TF3リーダー 山本 公之/古野電気(株)
一般道でのLv4自動運転バスの社会実装が各地で進み始めています。このうち、国交省のLv4認可を得られた石川県小松市・長野県塩尻市、大阪関西万博の開幕を間近に控え、Lv4モビリティによる来場者輸送を計画するOsaka Metroとの交流・意見交換を実施しました。いずれも挑戦的な取り組みで、混在空間での安全な運行を実現する車載・路側センサに求められる機能等の議論は、今後の示唆に富む貴重な機会となりました。


高速道路での自動運転Lv4トラックの進展・方向性
TF3サブリーダー 吉田 直也/イリソ電子工業(株)
物流の社会課題であるドライバー不足の解消や物流効率の向上に向け2026年度以降の社会実装を目指す経済産業省 RoAD to the L4テーマ3の動向調査、事業化に取り組むT2(株)の技術開発現場での試乗・意見交換を実施しました。将来の物流を大きく変える可能性のある取り組みにおいて、センサシステムに求められる機能の議論は、メンバーにとって大いに参考になるものでした。
国内外のインフラ協調型自動運転
TF2リーダー 松本 大介/太陽金網(株)
日本国内や中国での実例を取り上げ、国内外におけるV2I通信を用いたインフラ協調型自動運転の動向に注目、技術課題や、普及前に議論しておくべき懸念点の検討を行いました。
また、協調型自動運転の研究で著名な 名古屋大学 高田広章教授との議論、上述TF3活動と連携したV2Nを取り入れたLv4自動運転システムの調査により、今後のモビリティを取り巻く通信技術動向について、見通すことができた一年となりました。
自動運転移動サービス成功のカギと今後の展望
TF1リーダー 竹中 憲郎/三菱電機(株)
上述TF2・3との連携活動から、今後の各種モビリティサービスの実現性について議論、モビリティサービスロードマップを改訂、報告しました。
各地で実現しつつあるLv4モビリティサービスの推進体制・採算性を含む持続可能性を高める“成功のカギ” のひとつとして、強い意志を持った牽引力あるキーパーソンの存在が不可欠であったことは、さまざまな方々と直接お話を伺う機会を持てたからこそ明らかにすることができた、重要な要素であることを報告しました。

ご興味ある方のお問い合わせをお待ちしています!
先端交通システム部会・傘下委員会では、国内外における、他では接することができない情報・知見の集約に特化・差異化を図り、独自性のある情報の共有に注力してまいります。
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報告会の登壇者
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