「JEITAベンチャー賞」受賞企業3社が決定
2025年3月27日、「JEITAベンチャー賞」の受賞企業 3社およびEarly edge賞(特別賞)1社が決定したことを発表しました。
JEITAベンチャー賞は、電子情報技術産業の総合的な発展のみならず、経済発展に貢献しうるベンチャー企業を表彰するもので、IT・エレクトロニクス業界の発展に繋がるベンチャー企業を支援するとともに、JEITA会員企業とスタートアップ(優良ベンチャー)企業との共創・連携・エコシステムの構築支援を目的としたものです。 「JEITAベンチャー賞審査委員会」が成長性(先導性)、波及性、社会性の3つの視点からベンチャー企業を審査・選考した結果、第10回JEITAベンチャー賞は、株式会社エキュメノポリス、株式会社ジザイエ、LocationMind株式会社の3社が受賞しました。また、特別賞である「Early edge賞」(市場における貢献度は未知数だが、非常に高い技術を保有し、将来、大きな成長が期待できる企業を特別賞として表彰するもの)は株式会社JiMEDが受賞しました。

今回JEITAベンチャー賞を受賞した3社のベンチャー企業および特別賞受賞企業は今後、JEITAの活動に参画いただくほか、デジタルイノベーションの総合展「CEATEC」への出展やJEITAが主催するシンポジウムなどへの登壇、さらにはJEITA会員企業との交流支援などの特典が授与されます。
受賞企業の審査評価(社名五十音順)JEITAベンチャー賞
(株)エキュメノポリスhttps://www.equ.ai/
株式会社エキュメノポリスは、対話型のAIエージェント・サービス「LANGX Speaking」を提供する。既に実績を積みつつある日本の教育現場や企業を対象にした英会話学習版に加えて、来日した海外留学生や技能実習生に向けた日本語学習版の開発を進めている。学ぶ人の能力や理解状況に応じて、個人にパーソナライズ化した話題を選び、学習者に合わせた難易度の質問を展開することで、学習意欲を引き出す。学習者の英会話能力を、国際標準規格に従って7段階で評価する機能がある。少子高齢化という課題を抱える日本にとって、グローバル競争力を高める一助として期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しいと判断した。
(株)ジザイエhttps://jizaie.co.jp/
株式会社ジザイエは、現場業務の効率化と人手不足の解決に資する遠隔就労プラットフォーム「JIZAIPAD」を開発した。独自の映像圧縮伝送技術により通信環境が不安定なエリアでも高画質映像を低遅延で配信可能であり、オペレーターが遠隔地からリアルタイムで高精度な操作を行える環境を構築している。建設・製造現場の遠隔監視や遠隔操作のニーズは大きく、またこの分野での省人化は、熟練オペレーターの減少や地方の人材不足という社会課題に直接的に対応するもの。95%のデータ量削減でフルHD映像のクオリティを実現する技術力にも独自性があり、今後の大きな成長が期待できる。よって、JEITAベンチャー賞に相応しいと判断した。
LocationMind(株)https://locationmind.com/
LocationMind株式会社は、位置情報解析技術において卓越した能力を持っており、携帯電話の位置情報データやIoTセンサー、衛星測位データを組み合わせ、高度な人流データの収集・分析・可視化を一貫して提供しており、都市計画や交通渋滞の緩和、災害時の避難誘導、感染症対策など、公共施設の立案や社会課題の解決に大きく貢献している。更に「信号認証技術」という位置情報の不正を防ぐ技術も保有し、位置情報データの信頼性と安全性を確保するためのサービスも構築している。多くの社会問題の根底には人の行動や活動が関与しているため、同社の技術を活用してより円滑に高度な社会を導けるように支援できると期待される。よって JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。
Early edge賞
(株)JiMEDhttps://www.jimed.jp/
株式会社JiMEDは、頭蓋内に埋め込まれた脳波計から独自の信号処理技術により高解像度の脳波を取得できるワイヤレス体内埋込型BMI(ブレインマシンインターフェイス)を提供している。意思伝達手段のない患者から脳波を出力することで、ロボットハンド制御や意思伝達装置操作による文章作成に世界で初めて成功しており、患者のQOL改善に加え、エンターテイメントを含む社会参画機会の創出も期待されている。今後、脳機能の解明に繋げていくことで新薬創出や類似の生体センシングデバイスの開発など、幅広い分野での展開が期待される。よって、Early edge賞(特別賞)に相応しい企業と判断した。