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活動報告市場創生部

AEDの市民使用が認められてから20周年、
1年を通して普及啓発活動を実施 ~まず呼ぼう、AED~

ヘルスケアインダストリ部会体外式除細動器ワーキンググループは、AED(体外式除細動器)の一般市民による使用が認められてから20周年となる節目に、関連団体と共に「20周年記念企画実行委員会」を設立し、1年を通して普及啓発活動および記念行事等を実施しています。

AEDが使えるようになって20周年

AEDの日本における導入は、米国の流れに従って2001年に国際線の航空機への搭載が認められたことがきっかけの一つでした。その後、段階的な規制緩和を経て、20年前の2004年7月、医療従事者にしか許されていなかったAEDの使用が、一般市民にも認められるようになりました。これは、高度な医療行為である「電気ショック」を一般市民に解放したという点で、救命医療に新しい時代を開く出来事でした。一般市民が使用を認められた日として、毎年7月1日を「AEDの日」としています。


AEDの種類

AEDで助かった命

AEDの設置台数は急速に増え、現在では約67万台が設置されていると推計されています。また、消防署や日本赤十字社などが開催する救命講習会や、学校での救命授業などを通じて、AEDを使える人や、救命に協力してくれる人を増やす努力も続けられてきました。
その結果、AEDによる救命件数は年々増加し、2019年には年間703人もの命がAEDによって救われました。コロナ禍の影響で一時的に減少したものの、2022年には618人が救命され、AED解禁から20年間の累計では、少なくとも8,000人もの尊い命が、その場に居合わせた一般市民によるAEDの使用で救われました。

AEDがなぜ必要なのか?

突然の心停止のほとんどが、心臓がけいれんする心室細動という不整脈が原因です。心室細動を起こすと、心臓は血液を送り出すことができなくなり、そのまま放置すれば、1分ごとに7~10%ずつ助かる可能性が下がっていきます。
この心臓のけいれんを止める最も有効な方法が、AEDによる電気ショックです。2022年の総務省消防庁の集計によると、心臓が原因で心停止になった人に対してその場に居合わせた人が心肺蘇生とAEDによる電気ショックを行った場合、なんと50.3%もの人が助かっています。一方、119番通報のみの場合は6.6%、心肺蘇生を行ってもAEDを使用しなかった場合は9.9%しか助かりませんでした。さらに、AEDを使用した場合、助かった人の85%が社会復帰を果たしているのに対し、使用しなかった場合は、助かった人の半数が重い後遺症を負ってしまいました。(図2)

【図2】

もっと助けられる命のために

それだけAEDの効果が絶大なのであれば、もっと多くの命が助かるはずですが、実際にAEDによる電気ショックが行われたのは、目撃された心停止の4.3%に過ぎません。その原因としては、住宅街でのAEDへのアクセスの悪さや、高齢者の同居世帯では、AEDを取りに行けないことなどが考えられます。また、心肺蘇生が不十分だったり、AED電極パッドを貼るタイミングが遅かったりすると、「ショック不要」と判断され、AEDを使っても電気ショックが行えないこともあります。
20周年記念企画実行委員会では、一般市民によるAED使用許可から20周年を契機として、
①AEDの設置率、使用率のさらなる向上
②AEDの適正な管理の一層の推進
 (機器や消耗品の適正な管理、廃棄、更新)
を図り、もって心停止の救命率のさらなる改善、安心安全な社会作りに寄与し、いざというときには、ためらわず「AEDを呼べる社会を実現する」ため、1年を通した普及啓発活動を実施していきます。

活動紹介

20周年記念シンポジウム&AED体験コーナー

2024年7月14日(日)に、有楽町朝日ホールにて、高円宮妃殿下にご臨席賜り、20周年記念シンポジウムとAED体験コーナーを開催し、シンポジウムには約340名、AED体験コーナーは約520名の方にご参加いただき、おかげさまで大盛況のうちに終了いたしました。

湘南ベルマーレ コラボイベント

2024年11月9日(土)に、神奈川県平塚市にある平塚総合公園内にてJリーグチームの湘南ベルマーレ様とAED20周年記念のコラボイベントを開催しました。ベルマーレOB選手による一次救命デモンストレーション、そして湘南ベルマーレ代表取締役社長坂本紘司様、湘南ベルマーレマスコットキャラクター「キングベルI世」とのフォトセッションも実施しました。

その他、活動について

20周年記念特設webサイトより、普及啓発動画や他のイベント報告、今後の活動予定等を見ることが出来ます。
URL: https://aed20th.com/

次の10年に向けて

AEDによる救命は、その場に居合わせた市民の力が大きなカギを握っています。AEDが私たち市民の誰もが使えるようになって20年。この20年で、AEDは身近な「設置されていて当たり前なもの」となりました。
次の10年では、AEDが私たちにとって「いざというとき、当たり前に使用するもの」となるために、ヘルスケアインダストリ部会は引き続き活動を推進してまいります。

本件の
お問い合わせ

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
ヘルスケアインダストリ部会体外式除細動器ワーキンググループ
E-mail : healthcare@jeita.or.jp

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