IEC SC37A/WG4 広島国際会議報告
2024年10月22日(火)~25日(金)の期間、広島市のJR広島駅南口前のエールエールA館会議室にて、IEC SC37A(低圧サージ防護デバイス、SPD)のWG4(通信および信号回線用SPD)の国際会議を開催しました。会議では、日本を中心に各国からの多くのコメントが寄せられ、活発な議論を行った結果、規格化を推進することができました。今回は、このIEC SC37A/WG4広島会議について報告します。
IEC SC37Aとは
IEC SC37Aは、低圧サージ防護デバイス(SPD)の「要求事項及び試験方法」と「選定及び適用基準」を定めたIEC 61643-xx(わが国ではJIS C 5381-xx)規格群(表1参照)を制定/改正するIECの分科委員会(サブコミッティ、SC)で、詳細は次のとおりです。
- 国際議長国:フランス
- 国際幹事国:アメリカ
- Pメンバー(エキスパート参加国):24カ国
- Oメンバー(オブザーバー参加国):17カ国
- WG(ワーキング・グループ)数:3
- PT(プロジェクトチーム)数:2
- JWG(ジョイントワーキング・グループ)数:2
- 日本での審議団体:JEITA
WG4 広島会議内容
参加国・人数
- 対面参加:13名(日本 9人、ドイツ 3人、イギリス 1人)
- Remote参加:4名(ドイツ1 人、アメリカ 1人、スロベニア 1人、中国 1人)
審議規格
IEC SC37AのWG4(通信・信号用SPD)とWG5(電源用SPDの要求事項及び試験方法)では、表2に示すように、従来の規格体系を改め、新しい規格体系に応じたIEC規格の制定/改定を進めています。
【表1:IEC SC37Aが扱う規格(新しい規格体系)】

IEC SC37A/WG4 広島会議では、表2の規格群の内、オレンジ色で示すIEC 61643-21(通信・信号用SPDの要求事項及び試験方法)について審議を行いました。
【表2:IEC SC37AのWG4とWG5が扱うIEC規格の従来規格体系と新しい規格体系】

審議結果
会議では、新しく制定するIEC 61643-01(CDV、現在はIS)に応じたIEC 61643-21(CDV)に対するNCコメント(各国の国内委員会からのコメント)の審議を実施しました。
NCコメントは、日本が97件と最多で、ドイツ(49件)の2倍のコメントを出し、活発な議論が行われました。
結果、全てのNCコメントを審議し、次のFDISステージに進むことを確認しました。

会議室にて
テクニカルツアー・オフィシャルディナー
半日の日程で、厳島神社と平和記念公園を回るテクニカルツアーを実施しました。厳島神社と平和記念公園との間は、高速船で45分と近いため、短い時間ながら、2つの世界遺産の散策/見学を行いました。
その後のオフィシャルディナーでは、牡蠣や天ぷら、お刺身、お寿司など、地元食材を用いた豪華な郷土料理をいただき、とても素敵な時間を共有することができました。

厳島神社にて
リフレッシュ
広島は、JR広島駅からの徒歩圏内に、日本庭園「縮景園」と広島城があります。リフレッシュのために会議の昼食を縮景園内の「泉水亭」でいただき、食後に庭園の散策を行いました。また、別の日には、会議後に広島城の散策と、その後、広島風お好み焼きをいただくミニツアーを行いました。広島の歴史と文化を感じることができ、メンバーの心に残る会議となりました。