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第16回 電子情報技術産業協会会長賞2件の受賞が決定

電子情報技術産業協会会長賞(JEITA会長賞)は、IT・エレクトロニクス産業での新技術開発や市場開拓、国際競争力強化、公共福祉増進などに顕著な功績のあった事業を表彰するものです。第16回となる今回は国立情報学研究所の佐藤一郎氏とCSR委員会が受賞しました。

左から、小島啓二前会長、佐藤一郎氏(国立情報学研究所)、
CSR委員会 委員長/成岡剛氏、津賀一宏会長

JEITA会長賞について

JEITAは、IT・エレクトロニクス産業の諸課題に積極的に取り組むことにより、わが国の経済発展に寄与しており、会員会社をはじめとする多くの方々に当協会の事業活動に携わっていただき、その事業の数々は、広く社会から高い評価をいただくとともに、産業・経済の発展、国民生活の向上に貢献してまいりました。この軌跡は、わが国のIT・エレクトロニクス技術の発展の歴史そのものです。JEITA会長賞は、電子情報産業の発展、新技術の開発、新市場の開拓、国際競争力の強化、ならびに消費者保護・環境保護をはじめとする公共の福祉の増進などに顕著な功績のあった事業(個人・組織)を会長が表彰するもので、第16回となる今回は国立情報学研究所の佐藤一郎氏とCSR委員会が受賞しました。

第16回JEITA会長賞受賞者

受賞テーマ
「IoTデータ活用におけるプライバシー保護に向けた取り組み」
受賞者:佐藤 一郎 氏(国立情報学研究所)

佐藤氏は、宅内IoT機器が取集するプライバシー情報の取り扱いに関する業界横断的な議論の必要性を訴え、当協会におけるIoTデータの取得・取り扱いに関する業界指針を策定する礎を築きました。また、有識者と業界の間の橋渡し役として、業界指針の策定を主導し、市場の健全化を通じた業界発展に貢献しただけでなく、消費者保護とデータ利活用型社会の推進の両面から一般社会にも貢献しました。

受賞コメント

この受賞は後述するプライバシーに関するセミナーの開催にご尽力いただいたJEITA会員企業の担当者の方々、そして事務局を務めているJEITAの方々によるところが大きいです。
JEITAのスマートホーム部会プライバシー検討ワーキンググループでは、IoT製品におけるデータ利活用とプライバシー保護の課題に取り組んでいます。その一環として、「IoTデータプライバシー塾」を開講し、企業がプライバシー対策を学ぶ機会を提供しています。
プライバシーに関する情報は個人情報保護法で定義される個人情報よりも広範囲であり、その取り扱いに関する明確な法制度がありません。そのため、企業の対応が不十分だったり、逆に過度に慎重になりすぎたりする傾向がありました。
この状況を改善するため、JEITAは「IoT製品から得られるデータの利活用におけるプライバシー情報ガイドライン」を制定しました。このガイドラインは、経済産業省と総務省が共同で作成した「プライバシーガバナンスガイドブック」を参考にしつつ、家電製品や住宅機器に特化した指針となっています。
「IoTデータプライバシー塾」は、このガイドラインを踏まえつつ、最新のプライバシー情報に関する動向を企業に提供しています。2023年に開講された第1期では、50社502名が参加し、毎月専門家による講義が行われています。
JEITAの活動を通じて、業界全体がプライバシー情報の適切な取り扱いについて学び、変化の激しい時代に対応できるよう支援していくことが重要です。今回のJEITA会長賞受賞は、これらの活動に携わった多くの関係者の努力が評価されたものであり、今後もIoT産業の健全な発展と消費者保護の両立に向けて貢献していく決意を新たにしています。

受賞テーマ
「サプライチェーンにおける責任ある企業行動推進に向けた取り組み」
受賞者:総合政策部会/CSR委員会

サプライチェーン全体における人権デュー・ディリジェンス・CSR調達の効率化に向け、業界共通のサプライヤー向けガイドラインの策定、苦情処理の業界横断プラットフォームの構築等を行いました。同委員会の活動は、人権尊重等の社会的要請に配慮したサプライチェーンを構築するための基盤整備に資する活動として、日本企業の価値向上、持続可能な成長による業界発展に繋がるものと評価しました。

受賞コメント

近年、企業に対し責任ある企業行動、特に人権デュー・ディリジェンス(DD)と情報開示を求める法制化が進んでいます。日本でも2022年に関連ガイドラインが策定され、企業の具体的な取り組みが求められています。
この背景を踏まえ、JEITA CSR委員会は、IT・エレクトロニクス企業共通の課題に対応するため、以下の活動を行っています。

●サプライヤー向けガイドラインと自己評価シートの策定

2020年3月に「責任ある企業行動ガイドライン」を多言語で公開し、サプライチェーン全体の理解向上と負荷低減を図っています。また、ガイドラインを基にした教材を作成し、セミナーを開催しています。

●苦情処理メカニズムの構築

2022年6月に一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)を設立し、非司法的な苦情処理プラットフォームを構築しました。これにより、企業の苦情処理の実効性・効率性の向上を目指しています。

●サプライヤーとのエンゲージメント強化

中小企業を含むサプライチェーン全体でのサステナビリティ対応向上を目的に、業界横断イニシアティブの立ち上げを検討しています。

●サステナビリティ デュー・ディリジェンスへの対応

EUの企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)などの国際的な要請に対応するため、2023年10月にワーキンググループを設立しました。
CSR委員会はこれらの活動を通じて、「ビジネスと人権」の国際的ガイドラインの実践推進、企業負担の軽減とリスクマネジメントの強化、日本産業界の国際的信頼向上といった目標の達成を目指してまいります。

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