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活動報告事業推進部

新春・電子情報産業の世界生産見通し講演会 実施報告
~生成AI市場の中長期見通し、利活用分野別動向、ハードウェア動向を内外に向け積極アピール~

皆さんご存じのように、人口知能(AI)は、既に社会の様々な場面でその利活用が広まってきています。日本が目指す超スマート社会Society 5.0の実現に向けて、今後さらに存在感を増し、不可欠な存在になるでしょう。AI技術が進歩し、識別・分類、予測、分析・判断によって導き出された答えをもとに、精度の高いアウトプットや価値ある情報を動画像や音声にて創造する事が可能になりました。今回、生成AIの利用拡大による社会変革を指標化するため、調査統計委員会では、電子情報産業の動向と併せて生成AI市場の2030年までの世界需要額見通しをまとめました。調査結果については2023年末の小島JEITA会長記者会見にて広く内外に発信すると共に、講演会を企画し、政府の取り組み紹介などを通じて、重要性の理解に向け、積極的なアピールを行いましたので、その一部をご紹介いたします。

電子情報産業の世界生産見通し講演会


講演会会場の様子(JEITA会議室)

2024年1月26日(金)に電子情報産業の世界生産見通し講演会が開催されました。今回は、電子情報産業の主要分野に関するマーケット市場や生成AIに関心のある学生にも聴講していただいた結果、合計参加者数は240名にのぼりました。また、我が国を代表する統計機関や経済見通しを検討する政府、関連団体の参加も多数得て、当業界の市場規模と方向性をアピールする絶好の機会となりました。終了後の来場者アンケートでは、95%の方に「来年も参加を検討したい」と回答していただきました。

特別講演

政策動向として、「デジタル産業ビジョン~デジタル社会の実現について~」と題し、経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長の須賀千鶴氏よりご講演いただきました。須賀課長からはAIに関する各国・地域の動きや、AIのルールメイキング(国際、国内の取り組み)に関する内容のほか、ウラノス・エコシステム※の今後の展開として、デジタルライフライン全国総合整備計画のアーリーハーベストプロジェクトやフィジカルインターネットの実現、サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォーム構築などについて、熱くご講演いただきました。


講演中の須賀情報経済課長(モニター画面)
デジタル産業のビジョン~デジタル社会の実現について~

※経済産業省「Ouranos Ecosystem(ウラノス・エコシステム)」概要
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/ouranos.html

特別企画

「特別講演講師への質問状」は、事前に意見・質問を募集し、講演時に特別講演の講演者より回答いただく新企画のコーナーです。プレゼンタである山本潤調査統計委員長と、回答者である経済産業省須賀千鶴情報経済課長による「AIルールメイキング」や「デジタルライフライン全国総合整備計画」などに関する活発な質疑応答がなされたことも大変好評でした。


特別企画「特別講演講師への質問状」
プレゼンタ(右)山本潤調査統計委員長
回答者(左)須賀千鶴情報経済課長

電子情報産業の動向

世界生産見通しについては、調査統計委員会の山本潤委員長より報告いたしました。電子情報産業の2023年の世界生産額は、対前年比3%減となる3兆3,826億ドルが見込まれています。エネルギーや原材料価格の高騰、地政学リスクの高まりなど不透明感が強く、個人消費や設備投資が鈍化する環境の中、デジタル化の投資拡大でソリューション・サービスは伸長したものの、それらを補うまでには至らない見込みとなりました。2024年は、インフレの鎮静化が遅れるなどの景気リスクは残るものの、デジタル化による社会や企業を変革する動きが世界各国で進み、電子機器やデバイス需要の回復、ソリューション・サービスの需要拡大も見込まれることから、世界生産額は前年比9%増の3兆6,868億ドルとなり、過去最高の世界生産額を更新する見通しです。

注目分野に関する動向

注目分野に関する動向調査結果については、調査を担当した富士キメラ総研株式会社辻田洋佑氏より報告いたしました。世界の生成AI市場の需要は2023年の106億ドルから、2030年には2,110億ドル、約20倍に急速に成長すると見通しました。日本市場も現在の15倍となる1兆7,774億円に成長する見通しです。アプリケーションの急速な普及や専門分野向けの生成AI活用ニーズの拡大により、徐々に適用/応用範囲を広げ、市場が拡大していくと見込まれています。

関心が高まる生成AI
普及にともない顕在化している課題とは?

注目分野に関する動向調査結果(生成AIによる社会変革)については取材申し込みがあり、調査統計委員会 山本潤委員長((株)日立製作所)、宮田康大委員((株)日立製作所)、調査・統計担当事務局にて対応しました。生成AIと従来AIとの比較や、2030年に向けて生成AI用サーバが各企業に浸透していくこと、更に、普及に伴い顕在化している課題についてコメントしておりますので、こちらも併せてご覧ください。

  • 掲載された月刊誌
    PC-Webzine
    2024年5月号

  • ( 左から)宮田 康大委員、山本潤委員長、調査・統計担当事務局 小島喬

PC-Webzineオンライン記事:
https://www.pc-webzine.com/article/857

世界生産見通しおよび注目分野に関する動向調査 概要

調査統計委員会では、2006年より、電子情報産業の世界生産見通しを取り纏め、出版物として発行するとともに、講演会を実施してきております。また、2015年からは、電子情報産業の世界生産見通しに加え、年毎注目されている分野にフォーカスをあて、見通し調査も実施しています。

<電子情報産業を代表する主な品目>

薄型テレビ、映像記録再生機器、撮像機器、カーAVC機器、携帯電話、サーバ・ストレージ、パソコン、プリンター、イメージスキャナ/OCR、電子タブレット端末、電気計測器、医用電子機器、電子部品、ディスプレイデバイス、半導体、ソリューション・サービスなど。

今回の登壇者


  • 開会の挨拶
    JEITA専務理事
    長尾 尚人

  • デジタル産業ビジョン
    経済産業省 情報経済課長
    須賀 千鶴

  • 世界生産見通し(赤本全体)概要報告
    調査統計委員会
    山本 潤委員長
    株式会社日立製作所

  • ソリューション・サービスの動向
    ソリューション・サービス事業委員会
    込宮 信治副委員長
    沖電気工業株式会社

  • 半導体の動向
    半導体統括委員会
    近森 謙志郎委員
    ローム株式会社

  • 電子部品の動向
    電子部品部会調査統計委員会
    長崎 哲也委員
    帝国通信工業株式会社

  • 注目分野に関する動向調査結果
    富士キメラ総研株式会社
    辻田 洋佑

  • 司会
    調査統計委員会 
    白根 真理夫副委員長
    富士通株式会社

刊行物のご案内

「電子情報産業の世界生産見通し2023」

  • ■発行年月:
     2023年12月
  • ■価格:
    ・冊子版/PDF版
    ※A4判40ページ
    ※「注目分野に関する動向調査2023」付き
    会員3,300円、一般6,600円
    ・ダウンロード版
    ※電子情報産業の世界生産見通し2023PDFおよび過去データ付き
    会員16,500円、一般33,000円
    ・詳細版
    ※研究者向け、各社アンケート集計結果
    会員110,000円、一般220,000円

「注目分野に関する動向調査2023」

  • ■発行年月:
     2023年12月
  • ■価格:
    ・冊子版/PDF版
    ※A4判8ページ
    会員2,200円、一般3,300円
    ・ダウンロード版
    ※注目分野に関する動向調査2023PDFおよび掲載データ付き
    会員11,000円、一般22,000円

「JEITA 調査統計ガイドブック ~Executive Summary~」

  • JEITAでは電子情報産業の幅広い製品分野の市場動向をタイムリーに把握するため、さまざまな調査統計事業を実施しています。これらを内外に広く紹介するため、「業界統計」や「分野別市場動向」、「統計分類・市場規模」、「調査統計イベントスケジュール」などを分かりやすくまとめた『JEITA 調査統計ガイドブック~Executive Summary~』を毎年発行しています。

※各詳細はJEITAホームページ「刊行物」にてご確認ください。
https://www.jeita.or.jp/japanese/public

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