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活動報告事業推進部

「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」
フェーズⅡ進捗および長期ビジョンガイダンス発行の報告

電機・電子温暖化対策連絡会では、「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」フェーズⅡの2年目にあたる2022年度実績のフォローアップ調査結果を取りまとめました。また、電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」の解説などを趣旨として、2023年5月に「電機・電子業界 気候変動対応長期ビジョン 解説とガイダンス Ver1.0」を発行しました。

世界各国でカーボンニュートラル(以下、CN)を目指す野心的な目標設定や取り組みの動きが進展し、日本政府も2050年のCN、さらに2030年温室効果ガス削減目標(2013年度比46%削減)を掲げています。
産業界では、経団連が中心となり「カーボンニュートラル行動計画」(以下、「CN行動計画」)が推進されており、電機・電子温暖化対策連絡会でも「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」(以下、「電機・電子業界 CN行動計画」)を策定し、2030年に向けたフェーズⅡ重点取り組みを推進しています。また、2050年CNに向けた取り組みとして、2022年11月に電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」(以下、「業界長期ビジョン」)をリニューアルしました。
当業界では、これからも2030年、2050年の目標達成に着実に取り組み、グローバル規模でCNの実現を目指して参ります。

「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」
フェーズⅡ重点取り組みと進捗

(1)生産プロセスのエネルギー効率改善(コミット目標)

  • エネルギー原単位改善率※1年平均1%以上の達成
目標達成基準
フェーズⅡ(2030年度):
基準年度(2020年度)比で9.56%以上改善
2022年度実績
基準年度(2020年度)比で0.50%改善

(2)国内企業活動におけるCO2排出量削減(チャレンジ目標)

目標達成基準
フェーズⅡ(2030年度):
基準年度(2013年度)比で46%程度の削減
2022年度実績
基準年度(2013年度)比で3.71%削減
【フェーズⅡ CO2排出量および削減率の推移】

【再生可能エネルギーの導入状況】

再生可能エネルギーの導入はCO2削減チャレンジ目標の達成に不可欠な要素です。業界各社は自己託送、オン/オフサイトPPA等の取り組みの中で他事業者へのサービスや連携等も図り、導入促進に努めています。

(3)製品・サービス等による排出抑制貢献

  • 国内外における排出抑制貢献量の算定・実績公表を推進※2

2022年度実績

【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量】
※1
省エネルギー法に準拠した、活動量(生産高・個数・面積等)当たりのエネルギー使用量の改善を示す指標
※2

・電機・電子業界「CN行動計画」で策定した方法論に基づき、参加企業の取り組みを集計・評価
https://www.denki-denshi.jp/implementation.php

・部品等(半導体、電子部品・集積回路)の排出抑制貢献量は、セット製品の内数として、産業連関表に基づく寄与率を考慮して評価
https://www.denki-denshi.jp/down_pdf.php?f=pdf2014/Guidelines_for_device_contribution.pdf

・JEITA電子部品部会では、「電子部品のGHG排出削減貢献量算定に関するガイダンス 第2版」を2022年7月に公開
https://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=1286&ca=21

「電機・電子業界 気候変動対応長期ビジョン
解説とガイダンス Ver1.0」の発行

電機・電子業界では、日本政府の2050年CN宣言に先駆け、気候変動対応に係る長期戦略として、2020年1月に業界長期ビジョンを策定しました。さらに2022年11月には、電機・電子業界の「めざす姿」また「取り組むべき(挑戦する)活動」として、また業界の各社が長期の目標等を検討する際の「道標(みちしるべ)」として内容をリニューアルし、改定版を発行しました。

そして今般、業界長期ビジョンに示した業界としての方向性や考え方をご理解いただくための解説、さらに、取り組みの参考となる関連情報や事例などの提供を趣旨として、「電機・電子業界 気候変動対応長期ビジョン 解説とガイダンス Ver1.0」(以下、「長期ビジョンガイダンス」)を発行しました。
長期ビジョンガイダンスの内容は、今後の法規制の動向等も踏まえて、定期的にアップデートを予定しています。
業界長期ビジョンおよび長期ビジョンガイダンスの内容は、以下のページからご参照ください。
https://www.denki-denshi.jp/vision.php

政府審議会での評価

2023年12月、産業構造審議会地球環境小委員会電子・電機・産業機械等WGにおいて、「電機・電子業界 CN行動計画」フェーズⅡの進捗報告を行いました。
審議会各委員からは、ネットゼロへの取り組み状況や、日本が主導するGHG削減貢献定量化のIEC国際規格開発等に関心が示されるとともに、生産プロセスのグリーン化やGHG削減貢献定量化の活用、電機・電子業界の先端技術を土台とした技術革新への期待が示されました。

行動計画への参加のご案内

「電機・電子業界 CN行動計画」には現在83グループ305社に参加いただいています。
産業界全体で取り組む本行動計画への参加により、温暖化防止への貢献を社会に広くアピールでき、特に製品・サービスによる排出抑制貢献量の算出は、自社製品・サービスのアピールにもなります。
また、CN行動計画の進捗状況や政策動向の共有等を目的として、定期的に報告会を開催しています。ウェビナー形式の導入等により多くの企業にご参加いただける環境を整え、業界全体での底上げを図って参ります。
是非、参加のご検討をお願いいたします。

■電機・電子温暖化対策連絡会 ポータルサイト

「電機・電子業界 CN行動計画」に関する情報(実施要領、参加申請、報告会資料等)は、こちらのサイトをご覧ください。
https://www.denki-denshi.jp/

お問い合わせ先

E-mail :ondankataisaku@jeita.or.jp