IoT家電から得られるデータを
マルチベンダーかつ多様なサービス事業者と連携!
スマートホーム部会が推進する「イエナカデータ連携基盤」が石川県能美市で社会実装へ
スマートホーム部会では、IoT家電のデータを活用し、マルチベンダーかつ多様なサービス事業者との連携と協創を可能にする「イエナカデータ連携基盤」の検討を進めています。石川県能美市におけるIoT高齢者見守りシステム構築事業にて本データ連携基盤が社会実装されることが発表されましたので、一連の取り組みと内容についてご紹介いたします。
データ連携基盤が必要とされる背景
IoT家電メーカーは各々のクラウドでデータ管理をしている
宅内外のあらゆる家電機器・住設機器・サービス等が生活データを中心に連携するスマートホームでは、利用者ニーズにあったサービスの高度化や社会課題の解決が期待されています。
その一方で、各家庭にあるIoT家電から得られるデータは各メーカー独自のクラウドによって縦割りで管理されているので、サービス事業者は家庭にあるIoT家電から得られるデータを活用したソリューションを提供するにあたり、個別にメーカーとアライアンスを組んでデータを取得してサービスを提供する事しかできませんでした。
そのような課題がある中、JEITAスマートホーム部会では、マルチベンダーかつ多様なサービス事業者と繋がる従来にないデータ連携の枠組みとして「イエナカデータ連携基盤」の概念と仕様について検討を進めています。
エコーネットコンソーシアムによる
ECHONET Lite Web API(共通Web API)の推進
JEITAスマートホーム部会は、一般社団法人エコーネットコンソーシアムと合同の検討会を発足し、「イエナカデータ連携基盤」の仕様策定を進めています。
エコーネットコンソーシアムではECHONET Lite Web APIという共通Web APIを推進しています。これによって独立していた各メーカーのクラウドからデータを通信する際に共通Web APIを用いてマルチベンダーでサービス側とデータ連携ができるようになりました。
しかし、各メーカーのIoT家電から得られるデータを共通Web APIで通信する事が可能となっても、サービス側は受け取ったデータをそのまま用いる事はできません。エンドユーザーにとって価値のあるデータに高次化処理をする必要があることや、個人情報を家単位に編集する事、本人確認等の認証、データカタログ、UIの作成といった作業が必要になります。
これらのサービス側とメーカー機器側との間で必要となる繋ぎの役割を「イエナカデータ連携基盤」が担っています。JEITAスマートホーム部会とエコーネットコンソーシアムはスマートホーム市場の醸成の為、IoT家電から得られるデータをマルチベンダーかつ多様なサービスと繋げる事によるユーザーメリットの創出を重視しており、協力してこの一連のデータインフラの整備について検討を進めています。
石川県能美市のIoT高齢者見守りシステム構築事業への採用
デジタル田園都市国家構想交付金と能美市
東西の広範囲にわたり市民が居住する地域環境のため、高齢者や要介護者の孤立リスクへの対策が課題となっている石川県能美市は、シャープ、三菱電機、AIoTクラウドの3者による協力の下、能美市在住の見守りを必要とする高齢者らがIoT家電を日常的に利用することにより、市内の関係機関・支援者が対象者を遠隔で見守ることができる、IoT高齢者見守りシステム構築事業に着手する事を発表しました。
この事業は、石川県能美市が、令和4年度第2次補正予算デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)TYPE2に採択された「スマートインクルーシブシティ推進事業」のうち、「あんしん在宅生活サービス」に関するものであり、一人暮らし高齢者等をIoT家電のセンサーから得られる気温や湿度等のデータを集積・分析・高次化することで、住民の生活リズムや宅内の危険度等家内部の状況を把握する見守りサービスを実現することを目的としているものです。
イエナカデータ連携基盤の採用
この石川県能美市が推進するIoTを活用した高齢者見守りシステム構築事業に、イエナカデータ連携基盤が採用されました。ECHONET Lite Web APIを介して得られた各家庭のIoT家電のセンサー情報や利用状況に基づいてイエナカデータ連携基盤が在宅状況や生活リズムなどを把握するこのシステムは、イエナカデータ連携基盤の特性を最大限に引き出す革新的な取り組みです。この決定により、イエナカデータ連携基盤の社会実装における新たな可能性が一段と高まることが期待されています。
左から佐藤氏、小出氏、福森氏
今後の展開
今回のイエナカデータ連携基盤とECHONET Lite Web APIを活用する事によってIoT家電を所有するユーザーがそこから得られたデータをもとに行政サービス等を得られる事が期待されています。今後は石川県能美市だけでなく、同じ課題を抱える市町村への横展開や石川県と能美市のシステム基盤の連携によって県全体への展開に向けて活動をいたします。
また、イエナカデータ連携基盤は見守りだけではなく、地方自治体の災害対策やエネルギーマネジメント、ヘルスケアなど多岐にわたる分野での社会課題の解決に寄与するものと期待しています。JEITAスマートホーム部会は、イエナカデータ連携基盤の実現とその社会的影響に関心を持つ全ての関係者と協力し、新たなデータ社会の構築を引き続き支援いたします。
CEATEC 2023での展示
JEITAスマートホーム部会およびエコーネットコンソーシアムは「CEATEC 2023」に共同出展およびコンファレンスの開催をいたしました。コンファレンスは満員となり立ち見の方も多く盛況のうちに終えました。
- 【ブース出展】
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ブースA面
ブースB面
- 【コンファレンス】
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コンファレンスの様子
引き続き、皆さまからスマートホーム部会活動へのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
本件の
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E-mail : smarthome@jeita.or.jp