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活動報告事業推進部

コロナ禍を経た働き方の変化と
ニューノーマルの働き方改革について

働き方改革専門委員会(以下、本専門委員会)は、2017年度よりソリューションサービス事業分野における働き方改革について情報収集や調査を行い、業界動向について情報発信を行ってきました。2022年度の活動では、これまでの働き方改革の変遷を振り返りつつ、2021年度に実施したコロナ禍での働き方の変化に関するアンケート調査の分析やアフターコロナにむけた新しい潮流について考察を行い、その結果を報告書にまとめ公表しました。概要および主なポイントについてご紹介いたします。

コロナ禍の働き方改革への問題意識

【コロナ禍における働き方の課題の変化】

2019年冬、新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、環境が一変し、企業における働き方も大きく変化しました。多くの企業でテレワークが急速に浸透したことで、インフラ整備、コミュニケーションの手段、マネージメントなど新たな課題に直面しました。

本専門委員会では、これらの課題の理解を深め、解消することを目的に、コロナ禍の最中である2021年8月に、ITベンダーの従業員(1,000名)とユーザー企業のIT担当者(1,000名)を対象にアンケート調査を実施しました。さらに、本調査結果をふまえ、次の3点について考察しました。
(A)働き方改革の評価
(B)働き方の変化に伴う年代別影響
(C)ITベンダーの働き方改革に対する評価

以下に、主なポイントをご紹介します。

2021年度調査結果と考察

1. 今後のリモートワークの希望利用頻度

【現状のリモートワーク実施頻度毎の今後の希望頻度について】

コロナ禍では、ITベンダー・ユーザー企業ともに7 ~8割の従業員が週1回以上リモートワークを実施しており、ITベンダーの方がユーザー企業よりもリモートワーク率が高いことがわかりました。さらに、今後のテレワーク希望頻度をリモートワーク実施頻度別に分析した結果、ITベンダーの従業員はコロナ禍時と同じ働き方を継続することを希望する人がほとんどを占める一方、ユーザー企業では半数がコロナ禍とは異なる働き方を希望していることが明らかになりました。働き方の変化はワークライフバランスの満足度向上にもつながっているというアンケート結果も出ていることから、働き方の変化を希望する従業員の関心は個の充実や、企業組織からの自律に向かっていると考えます。

2. 若い世代との認識ギャップについて

【顧客課題の受け止めに関する若い世代とその他世代の比較】

アンケート調査結果を年代別に分析したところ、若い世代とその他世代には、課題の受け止めにギャップがあることが分かりました。その一例として、世代ごとの顧客対応における課題をみると、「人間関係の希薄化」「顧客要望の理解度低下」「課題がわからない」といった項目で、若い世代とその世代の受け止めに大きな相違があることが明らかになりました。
この状況を他の調査結果を踏まえ考察した結果、リモートでのコミュニケーションが多くなり、お互いの考えを細やかにすり合わせる機会が減った結果、これまでと比べ認識の違いが生まれやすい状況にあると考えられます。そのことを理解し、意識して行動することが、中長期的な対策として重要です。

2022年度の最新動向

2022年には経済活動も徐々に再開し、コロナ禍の出口が見え始めました。環境が変化する中、コロナ禍以前やコロナ禍とはまた異なるアフターコロナの働き方を考える動きがみられるようになりました。従業員の視点では、テレワークへの順応に伴い、作業効率性は安定してきている一方、コミュニケーションや評価の公平性などに関する不安の声が拡大し、心理的安全性が新たな課題となっています。また、企業視点では、本格的なアフターコロナを見据えて、これからの働き方(ニューノーマル)を模索する動きが加速しています。これまでの画一的な動きとは異なり、出社の促進、リモートのさらなる推進など、多種多様な取り組みが見られるのが特徴です。ニューノーマルの働き方は、「各社がめざす姿」と「成長の実現方法」にあわせて、各社異なるものになっていくと考えています。
この方向性を踏まえて、企業がこれからの働き方を検討する際の参考となるよう、検討が進んでいるITベンダーのアプローチ3事例を、事例集として纏めました。

「アフターコロナにむけたアプローチ 事例集」

事例1
チーム単位での働き方検討・推進(日本電気株式会社)
事例2
従業員の心理的安全性のデザイン(富士通株式会社)
事例3
デジタルツールを活用した働き方改革(日立グループ)

本報告書が、アフターコロナにむけて働き方改革を推進する際の一助となることを期待いたします。

調査報告書の入手

本内容の詳細は、JEITAのホームページから無償公開している調査報告書にて参照できます。「アフターコロナにむけたアプローチ 事例集」も掲載しておりますので合わせて参照いただき、今後の働き方の推進にお役立てください。

●「コロナ禍を経た働き方の変化とニューノーマルに向けた取り組み」の公表について
https://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=1446&ca=1

「コロナ禍を経た働き方の変化とニューノーマルに向けた取り組み」
―従業員と企業がともに成長するために-

目次
・ 働き方改革専門委員会のこれまでの活動
・ 働き方改革の変遷
・ 2021年度アンケート調査結果の報告・分析
・ 2022年度の状況
・ 総括

別冊「アフターコロナにむけたアプローチ 事例集」

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