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活動報告関西支部

3月度運営部会・部品運営委員会 合同会合講演

関西支部では3月1日(水)に開催した標記会合にアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS)執行役員 デジタルトランスフォーメーション統括本部長の広橋さやか 氏を招き、「メタバースの技術とビジネスへの活用」と題する講演を行いました。

2006年創業のAWSは、クラウドビジネスのリーダーとして世界的な評価を得ており、2011年には東京にデータセンター(DC)を稼働、AI向け自社チップの開発にも注力しています。クラウド使用は自社DCに比べCO2排出を78%削減するとのデータもあり、脱炭素化への貢献も目指しています。
「メタバース」は2000年前後にゲームの世界で使われ始めた用語で、定義はさまざまですが、「複数人が使用するオンライン上の(3D)空間」であることは共通しており、8つの要素・レイヤー(①Experience、②Discovery、③Creator、④Economy、⑤Spatial Computing、⑥Decentralization、⑦Human Interface、⑧Infrastructure)で成立すると言われます。SNSの普及と、周辺技術/デバイス/ネットワーク/AI・機械学習の進化により、リアルな映像と仮想空間同士の連動が実現し、用途が広がりました。製造業においても、共同作業による設計、プラント・倉庫におけるオペレーションのシミュレーション、トレーニング・学習、顧客サービスの強化(バーチャルショールーム/ストア)、ユーザーマニュアルの3D化等、各方面で活用が進んでいます。
講演では多くの事例が紹介されました。①欧州自動車メーカー:デザインレビュー、エンジニアのトレーニング、工場ガイダンス等を効率化し、世界で60万人が活用。3Dのデータ量は膨大で、ワークステーションは高度の処理能を求められますが、クラウドの利用により導入が容易となります。②繊維化学メーカー:3D CADによるプラント設備の状況確認、関連データ・マニュアルとの連携。③建設会社:高層ビル建築における資機材・人の稼働/安全状況の可視化、動線の効率化(3Dモデルの活用)。④ビル空調設備メーカー:ビルの3Dモデルとセンサーデータに基づく空気品質・換気・湿度のモニタリング/最適調整。⑤ゲームソフトメーカー:ソフト開発(アクター/クリエイターがそれぞれ自宅で行う演技・作業を連動)。⑥アマゾン:倉庫における商品・棚の適正配置につきメタバース空間でシミュレーション。
メタバースには、3Dやコンテンツ作成関連をはじめ、リアルタイムマルチユーザーオンラインサービス、XR(VR/AR/MR)、ストリーミング(クラウドレンダリング)など、最先端の技術が多用されます。AWSでは200を超える領域でメタバースに使用可能なサービス/アプリケーションを提供しており、これを活用したデジタルツインモデルや、100万人規模におよぶシミュレーション等のデモも紹介されました。
講演後は、電子部品事業におけるメタバースの具体的活用方法、メタバースに適したインフラの条件等、各社事業への活用を視野に活発な質疑が交わされ、貴重な学びの場となりました。

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