Activity
活動報告市場創生部

安心してスマートホームを利用するために、
業界統一のルール作り
~スマートホームIoT データプライバシーガイドライン~

スマートホーム部会スマートホームIoTデータプライバシー検討WGでは、スマートホーム関連機器・サービスの利用者から信頼される魅力的な市場の創出を目指し、2年をかけてネットワーク家電等から取得するIoTデータ等のプライバシー保護について検討し、この度、「スマートホームIoT データプライバシーガイドライン」を公表しましたので、取り組みと内容についてご紹介します。

背景、業界として消費者を守るために

宅内外のあらゆる家電機器・住設機器・サービス等が生活データを中心に連携するスマートホームでは、利用者ニーズにあったサービスの高度化や社会課題の解決が期待されています。一方で、個人の生活領域に関連する膨大なデータが収集・利活用されるため、データの漏洩や不適切な取り扱いがあった場合には、利用者のプライバシーが侵害されることとなります。 このため、事業者はプライバシーに関わるリスクを事前に予測して、その対策を取ることが不可欠となります。
個人に係るデータが個人情報 に 該当する場合には、事業者は個人情報保護法を遵守した上で当該データを取り扱うことが当然の前提となります。しかしながら、家電機器や住設機器などから収集されるデータは個人情報には該当しない場合もあり、この場合には個人情報保護法のルールは適用されません。このようなIoTデータに対しても、利用者のプライバシー保護の観点では、事業者が講ずべき措置が多数あります。
本ガイドラインでは、スマートホームで取り扱われる生活データの分類やスマートホーム向けサービスでのデータの利活用に関する考察を踏まえ、スマートホーム関連事業者に求められるルールを提示しています。
利用者に提示するべきプライバシーポリシーの作成時や、機器・サービス仕様の作成時などに活用できます。また、プライバシー保護への取り組みは現場レベルの対策に留まらず、事業者全体として対策の実効性を確保するためにも、経営者やサプライチェーン全体を含めたガバナンスレベルでの対応も必要であるため、プライバシーガバナンスの重要性や、プライバシーリスク評価の取り組みについても紹介しています。

ガイドラインの目次

●スマートホームとは
●スマートホームIoTデータにおける課題
●ガイドラインの対象者
●ガイドラインの活用方法
●スマートホームIoTデータの定義
●スマートホームIoTデータの類型
●スマートホームIoTデータの取り扱い
●スマートホーム事業者に求められる取り組み
●代表的な利用目的の分類
●通知・公表・説明に関するガイドライン
●同意取得に関するガイドライン
●利用者の自己コントロール性の担保について
●プライバシー情報管理に関するガバナンス体制

■ガイドラインダウンロードページ

https://home.jeita.or.jp/smarthome/iot/index.html

チェックリストの活用

チェックリストの活用
ガイドラインに沿ったルールで運用できるよう、巻末チェックリストも載せています。プライバシーポリシーの作成時や、機器・サービス仕様の作成時などにチェックリストとして活用してください。

【チェックリスト例】

さらに便利な生活を提供するために

スマートホームIoTデータを利活用するには、まずは利用者からスマートホームIoTデータを提供してもらう必要があります。スマートホーム普及啓発WGの調査でも、プライバシー保護に関する懸念が、スマートホームでのIoT機器利用を阻害する要因の一つになっていることが判明しています。
本ガイドラインで示した各種の要件に対して、スマートホームに関わる機器やサービスの提供事業者が真摯に取り組むことで、プライバシー保護に関する利用者の懸念を払拭することが可能となります。これにより、利用者からより多くのスマートホームIoTデータを提供いただけるようになり、さらに便利なサービスを提供することでスマートホームの付加価値を向上していくことに繋がります。
スマートホームに関わる機器やサービスの提供事業者においては、利用者のプライバシー保護に関する懸念を払拭し、より便利なサービスをより多くの利用者にお届けするための一助として本ガイドラインを活用していただければと思います。

2023年度の取り組み「IoTデータプライバシー塾」

事業者に必要なプライバシー対策の啓発に向けて

今後JEITAスマートホーム部会では、プライバシーガイドラインの普及と合わせて、事業者向けにプライバシー対策を学べる「IoTデータプライバシー塾」を開講いたします。
データ駆動型ビジネス市場の構築に向けては、利用者のIoT機器から収集する生活データを活用した戦略立案や実行は欠かせない一方、収集したデータを活用する場合には、利用者の個人情報・プライバシー情報を保護するべく、細心の注意を払わなければいけません。本塾では、新たな市場創造に向け、最前線で活躍する多方面の講師をお招きし、プライバシー対策に求められる事項を解説していきます。

概要

●開塾日:原則 毎月第4水曜 16:00~17:30

●対象者:生活データ/IoTデータ等を活用したサービス企画・開発部門、法務部門やプライバシー対策等を検討する部門

●会場:JEITA会議室およびオンライン

●受講料:110,000円(税込)/社・団体

●講座内容:

お問い合わせ

E-mail : smarthome@jeita.or.jp

引き続き、皆さまからスマートホーム部会活動へのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。