Activity
活動報告市場創生部

業界の枠を越える取り組み
~若手を中心とした、関連業界勉強会を発足~

ヘルスケアインダストリ部会ME産業戦略専門委員会は、ヘルスケア分野における産業振興の為、行政等に対し必要な規制改革や行政施策への要望、企画立案、具体的な提案活動などを行っています。
また、新規市場創出の検討、医工連携、地域医療機器産業振興、異業種参入での会員支援も実施し、これらの活動の一環として、医療機器業界の若手を中心とした勉強会「医療機器企業のための関連業界勉強会~医療・健康のために枠を越えよう~」を開催しましたので、概要を紹介します。

活動の背景

当部会の会員企業は医療機器を製造する企業が中心ですが、新型コロナウイルスの影響や高度情報化社会が進む中で、医療機器以外の医療・健康関連市場も急速に拡大しており、異業種企業からの相談や問い合わせが増えてきています。
医療・健康関連市場が拡大する中、医療機器企業として「事業拡大のチャンス(攻め)」と「既存市場を失う脅威(守り)」の2つの視点においても異業種ビジネスの理解が重要となってきます。

異業種ビジネスを学ぶ、関連業界勉強会

このような状況を踏まえ、ME産業戦略専門委員会では、医療機器企業が、医療・健康のために将来を見越して、枠を越えて新たな業界を学び、気づきやつながりを得る、また、医療・健康関連市場の発展・拡大を担う将来人材の発掘や育成に繋げるため、関連業界勉強会を開催することといたしました。

[スコープ]

①医療・健康関連市場の拡大に向けて、将来的に連携が考えられる異業種ビジネスを学び、つながりを持つ

②対象とする異業種ビジネスは、他業界・業種に加え、遠隔・非接触などの新しい技術群やSDGs等のトピックも含む

③将来的にはJEITAにおける医療・健康関係の相談ごとの一次受け皿を目指し、他部会・委員会等との連携も図る

【アンケート結果】

第1回 関連業界勉強会

「ゲーム業界のビジネス理解と医療・ヘルスケア連携による可能性探索」
~世界をエンターテインする。クリエイターと共振する。~

●日時:2022年8月19日(金)14:00~18:00

●講師:株式会社アカツキ/CHRO 法田貴之 氏

●グラフィックレコーダー:櫻井 涼 氏

●参加企業:10社16名
オムロンヘルスケア(株)、(株)フィリップス・ジャパン、オリンパス(株)、日本シノプシス合同会社、テルモ(株)、日本光電工業(株)、フクダ電子(株)、日本品質保証機構、旭化成(株)、富士フイルムヘルスケア(株)

【勉強会(ワークショップ)の構成】

【グラフィックレコーディング】

ゲーム業界から得た学びを医療機器業界に落とし込んだ結果

第2回 関連業界勉強会

「医療機器 × リアル・オンライン PF」
~鉄道会社のまちづくりから学ぶ~

●日時:2023年2月17日(金)14:00~18:00

●講師:阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ開発室部長 西水卓也 氏

●グラフィックレコーダー:株式会社Gonmatus 八川 まどか 氏

●参加企業:15社24名(定員20名)
オムロンヘルスケア(株)、オリンパス(株)、キヤノンメディカルシステムズ(株)、コニカミノルタ(株)、テルモ(株)、日本光電工業(株)、日本シノプシス合同会社、日本ストライカー(株)、(株)フィリップス・ジャパン、フクダ電子(株)、富士通(株)、富士フイルムヘルスケア(株)、本田技研工業(株)、(株)本田技術研究所、(株)村田製作所

【グラフィックレコーディング】

まちづくり業界から得た学びを医療機器業界に落とし込んだ結果

ワークショップから感じた、医療機器×異業種ビジネス

ワークショップに参加したメンバーからは、以下のような意見が寄せられましたので、その一部を紹介します。

医療機器は、臨床上の有効性や安全性が第一に考えられるが、効果、効能を最大化するには「楽しむ」といった感情に訴求することも重要な要素だと感じました。

自社の製品ありきでビジネスを考えることに行き詰まりを感じ、楽しさを感じなくなっていましたが、先のことを考えながら仕事に取り組むとそれだけで楽しく仕事に取り組めると思いました。

日本という国の将来に対するイメージ、少子高齢化、地方過疎化などの問題に対して皆さん、ある程度の共通なイメージを持っていたこととポジティブな提案が多く出ていたので、医療機器業界に対して明るい気持ちになりました。

自社について、コンセプトや方向性は間違っていないが、いかに形にできるかをより積極的に取り組もうと思いました。

個人でも他業界連携を深めて、改革につながる活動ができる人財になりたいと思いました。

個社の収益より業界全体を大きくしていく方向に変わっていく。若手で研究会をつくり、公共事業に手を挙げ、企画→開発→運用までを1年ほどで経験させるような取り組みを行ってみたいです。

ワークショップの効果と今後の取り組み

ビジネス特性や考え方に刺激を受け、異業種業界との連携について可能性を感じ、業界および自身の仕事について、各々の業務内容や関心に応じた多様な気づきを持ち帰っていました。
また、医療機器業界の未来にポジティブなイメージを持ち、日常業務に意欲的に取り組みたいと表明があったり、業界内外と連携し、枠を超えてチャレンジしていきたいという行動宣言、やってみよう精神が生まれたりしました。
講義後の質疑応答の時間では、複数の受講者から具体的な事例に基づいた質問があり、健康・医療分野の新規ビジネスに対する関心度の高さが感じられました。

ME産業戦略専門委員会では、今後も異業種ビジネスの研究と、若手同士の議論する場を作ることで、健康・医療分野のイノベーション促進に向けた取り組みと人材育成を継続して行い、部会活動の活性化にもつなげていきたいと考えています。皆さまからのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。