Topics

「JEITAベンチャー賞」受賞5社が決定

3月28日、「JEITAベンチャー賞」の受賞企業、5社が決定したことを発表しました。

JEITAベンチャー賞は、電子情報技術産業の総合的な発展のみならず、経済発展に貢献しうるベンチャー企業を表彰するもので、IT・エレクトロニクス業界の発展に繋がるベンチャー企業を支援するとともに、JEITA会員企業とスタートアップ(優良ベンチャー)企業との共創・連携・エコシステムの構築支援を目的としたものです。「JEITAベンチャー賞審査委員会」が成長性(先導性)、波及性、社会性の3つの視点からベンチャー企業を審査・選考した結果、第8回JEITAベンチャー賞は株式会社アーバンエックステクノロジーズ、株式会社アルガルバイオ、アルム株式会社、株式会社イムノセンス、エレファンテック株式会社の5社が受賞しました。また、特別賞である「Early edge賞」(市場における貢献度は未知数だが、非常に高い技術を保有し、将来、大きな成長が期待できる企業を特別賞として表彰するもの)は株式会社Acompanyが受賞しました。
今回JEITAベンチャー賞を受賞した5社のベンチャー企業は今後、JEITAの活動に参画いただくほか、デジタルイノベーションの総合展「CEATEC」への出展やJEITAが主催するシンポジウムなどへの登壇、さらにはJEITA会員企業との交流支援などの特典が授与されます。

受賞企業の審査評価(社名五十音順)JEITAベンチャー賞

(株)アーバンエックステクノロジーズhttps://urbanx-tech.com/

株式会社アーバンエックステクノロジーズは、「都市インフラをアップデートし、すべての人の生活を豊かに」をミッションに掲げ、「しなやかな都市インフラ管理を支えるデジタル基盤をつくる」ことを目指している。その第一歩としてスマートフォンや車載カメラなどのデバイスで撮影した動画や画像データを用いたAIによる道路損傷検知サービスを提供している。従来の専用測定車が通れないような生活道路においても、低コストで損傷具合に応じた路線評価を行うことが可能であり、インフラの老朽化による維持管理コスト増大や担当者不足への対応など、今後深刻になる問題への対応が期待される。

(株)アルガルバイオhttps://algalbio.co.jp/

株式会社アルガルバイオは、世界的にも稀有であるマーケットイン型の 「バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォーム」を構築している点に独自性がある。保有する藻類ライブラリーと蓄積されたデータを活用し、最適な藻類の種株や培養製法などを、健康食品・化粧品等のレッドバイオ領域、食糧・飼料添加物等のグリーンバイオ領域、バイオエネルギー・バイオプラスチック等のホワイトバイオ領域といったさまざまな領域において企業に技術提供するB2B型のビジネスモデルを構築しており、藻類ビジネスを展開している多くの競合企業に対する優位性が期待される。

アルム(株)https://arumcode.com/

アルム株式会社は、製造業における部品加工業者を対象に、CADデータからNC工作機械のプログラミングを完全自動化するAIソフトウエア「ARUMCODE1」を開発した。熟練者を必要とせず、加工部品に最適な工具の選定、加工条件設定、材料・工具のセット指示などを自動生成する。部品加工において50%を占めるといわれるプログラミング作業が不要となる。製造業における中小企業において、生産性の大幅な向上に寄与する。特に、多品種少量生産に効果がある。クラウドサービス化することによって、欧州・アジアなどグローバル展開の加速も期待される。

(株)イムノセンスhttps://immunosens.com/

株式会社イムノセンスは、各疾病に特有のマーカーを免疫反応と電気化学反応で精密に定量化できる独自の小型免疫測定デバイスを開発した。小型で持ち運びが可能であり、少ない検体量に対して10分で簡便な検査を実現できるため、迅速診断ニーズが強い心疾患や塞栓症などの循環器系疾患などに対して、緊急性の高い検査を実施できる。コロナ禍において簡便で迅速な感染病検査の必要性が高まり、今後は早期診断や早期治療が有効とされるさまざまな医療現場においてPOCT(point of care testing)の活用による医療の効率化や質の向上が期待される。

エレファンテック(株)https://www.elephantech.co.jp/

エレファンテック株式会社は、環境負荷の少ない金属インクジェット印刷による独自の方法で、低コストでリードタイムの削減が可能な電子回路基板P-Flex(R)の製造販売を行っている。既に国内に国際認証規格ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)に準拠した量産体制を実現し、顧客向量産品の提供も始まっている。また、持続可能な社会の実現に向けて積極的に環境負荷低減の情報開示も進めており、欧米メーカーからも多数の引合いを得ている他、今後印刷装置販売も計画される等、更なる事業拡大が期待される。

Early edge賞

(株)Acompanyspanhttps://acompany.tech/

株式会社Acompanyは、秘密計算による「プライバシー保護とデータ活用」の両立を実現するプラットフォーム「AutoPrivacy」をコア事業として、複数のプライバシーテック(秘密計算、匿名化、連合学習、合成データ、差分プライバシーなど)を組み合わせたデータ処理プロセスを構築可能とする技術を提供している。企業サービスの個別化と消費者のプライバシー保護とを両立するソリューションとしてのプライバシーテックに関して、実証実験・共同研究の実績を有する数少ない企業として、拡大する市場とともに成長することが期待される。