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活動報告関西支部

2022年12月度関西支部運営部会講演

支部運営部会では12月7日(水)の部会に日本電気(株)サステナビリティ推進部の稲垣孝一氏を招き、「NECグループにおけるカーボンニュートラルへの取り組み」と題する講演を行いました。講師はNECグループの環境戦略を推進、JEITAのGreen x Digitalコンソーシアムでは「見える化WG」の主査を担当されています。

NECの環境経営

NECでは、「地球と共生して未来を守る」をスローガンに、「NEC・サプライチェーン」と「お客様・社会」の両面からカーボンニュートラル(CN)に取り組みます。2025年中期経営計画における重点テーマには「気候変動(脱炭素)」を掲げています。

「NEC・サプライチェーン」のCN取り組み

NECはSBTイニシアティブ(パリ協定に沿った目標策定のグローバル・スタンダード)において「1.5℃水準」の再認定を取得、Business Ambition for 1.5℃(2050年までにGHG排出量実質0ゼロを目指すキャンペーン)に署名、RE100にも加盟しました。2030年にサプライチェーン全体での「SBT1.5℃」認定取得をマイルストーンとしています。Scope 1・2では、徹底した効率化、再エネ設備の拡大、購入電力のグリーン化等により、同年のCO2排出量55%削減(2017年比)を目指します。
Scope 3では同じく33%の削減が目標です。NECのCO2排出は、9割がScope 3のカテゴリ11(自社が販売した製品の使用)とカテゴリ1(自社が購入した製品・サービス)で占められます。カテゴリ11については、「2013年度製品比、2025年度製品のエネルギー効率90%改善」を目指します。カテゴリ1については、サプライヤー様を対象に目標とノウハウの浸透を図ります。

Green x Digitalコンソーシアムの取り組み

Green x Digitalコンソーシアムの「見える化WG」では、サプライヤーの排出量データを企業間でそのまま共有できる基盤構築に向け、110社超の企業が関係各省と連携しつつ検討を進めています。今年度下期から実証フェーズ1(見える化・データ連携ソリューション間の相互接続テスト)に着手、2023年6月ころまでにフェーズ2(データの取得、算定、活用等を含めたテスト)を完了予定です。2~3年内に、WGで構築するルールに基づく社会実装をスタートできると考えています。

「お客様・社会」のCN取り組み

NECではCN関連事業を「社会価値創造に向けた成長事業」と位置付けています。企業の環境負荷を見える化するソリューション「GreenGlobeX」は50社に活用いただき、今後は「見える化WG」が取り組むツール間の連携にも対応してゆきます。「リソースアグリゲーションサービス」や、災害に強いインフラ作りでCO2排出を抑制する「減災・防災」の取り組みも進めます。

さらなる環境経営の取り組み

上記に加え、2040年までのネットゼロカーボンを約束する「The Climate Pledge」に2022年9月に参加、同7月には1,100億円のサステナビリティ・リンク・ボンドも発行しました。今後もCNを含む環境課題への価値提供を通じ、成長を実現してゆきます。
同社の取り組みとGreen x Digitalコンソーシアムの活動を理解する有意義な機会となりました。