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活動報告事業推進部

「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」
フェーズⅡ進捗および改定版長期ビジョン発行の報告

電機・電子温暖化対策連絡会では、「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」フェーズⅡの初年度にあたる2021年度実績のフォローアップ調査結果を取りまとめました。また、カーボンニュートラルの実現に向けた国内外の社会的な動向をふまえ、2020年に策定した電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」の改定を行いました。

世界各国でカーボンニュートラル(以下、CN)を目指す野心的な目標設定や取り組みの動きが進展し、日本政府も2050年のCN、さらに2030年温室効果ガス削減目標(2013年度比46%削減)を掲げています。
産業界では、経団連が中心となり「カーボンニュートラル行動計画」(以下、「CN行動計画」)が推進されており、電機・電子温暖化対策連絡会でも「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」(以下、「電機・電子業界 CN行動計画」)を策定し、2030年に向けたフェーズⅡ重点取り組みを推進しています。また、2050年CNに向けた取り組みとして、今般、2020年に策定した長期ビジョンをリニューアルしたところです。
当業界では、これからも2030年、2050年の目標達成に着実に取り組み、グローバル規模でCNの実現を目指してまいります。

「電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画」
フェーズⅡ重点取り組みと進捗

(1)生産プロセスのエネルギー効率改善(コミット目標)

  • エネルギー原単位改善率※1年平均1%以上の達成

目標達成基準

フェーズⅡ(2030年度):基準年度(2020年度)比で9.56%以上改善

2021年度実績

基準年度(2020年度)比で5.10%改善

【フェーズⅡ エネルギー原単位改善率の推移】

(2)国内企業活動におけるCO2排出量削減(チャレンジ目標)

目標達成基準

フェーズⅡ(2030年度):基準年度(2013年度)比で46%程度の削減

2021年度実績

基準年度(2013年度)比で4.66%削減

【フェーズⅡ エネルギー原単位改善率の推移】

(3)製品・サービス等による排出抑制貢献

  • 国内外における排出抑制貢献量の算定・実績公表を推進※2

2021年度実績

【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量】

電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」の改定

電機・電子業界では、日本政府の2050年CN宣言に先駆け、気候変動対応に係る長期戦略として、2020年1月に電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」を策定しました。
そして今般、電機・電子業界の「めざす姿」また「取り組むべき(挑戦する)活動」として、さらに業界の各社が長期の目標等を検討する際の「道標(みちしるべ)」として内容をリニューアルし、2022年11月に改定版を発行しました。改定版長期ビジョンでは、我々が関わるグローバルバリューチェーン全体を対象として、次の「基本方針」を定めています。

基本方針

電機・電子業界のバリューチェーン全体におけるGHG排出を、グローバル規模で2050年にカーボンニュートラルの実現をめざす。具体的には、以下の取り組みを実施していく。

① Scope1+2について、省エネ化および再エネ導入によって、排出量を最大限削減する

② Scope3について、バリューチェーンにおけるステークホルダーとの共創/協創と技術開発・イノベーションにより、可能な限り排出量の削減に努める

③ 炭素除去を含めたさまざまな手法を用いて、残った排出量の相殺に努める

④ 上記に加え、社会の各部門における脱炭素化に大きく貢献する

改定版長期ビジョン本体は、以下のページからご参照ください。
https://www.denki-denshi.jp/vision.php

政府審議会での評価

2022年12月、産業構造審議会地球環境小委員会電子・電機・産業機械等WGにおいて、「電機・電子業界 CN行動計画」フェーズⅡの進捗、および改定版長期ビジョン発行の報告を行いました。
審議会各委員からは、改定版長期ビジョンに高い関心が寄せられるとともに、日本が主導するGHG削減貢献定量化の新たなIEC国際規格開発や、電機・電子業界がDXや技術開発によりCNをけん引していくことへの期待が示されました。

行動計画への参加のご案内

「電機・電子業界 CN行動計画」には現在85グループ293社が参加いただいています。
産業界全体で取り組む本行動計画への参加により、温暖化防止への貢献を社会に広くアピールでき、特に製品・サービスによる排出抑制貢献量の算出は、自社製品・サービスのアピールにもなります。
また、CN行動計画の進捗状況や政策動向の共有等を目的として、定期的に報告会を開催しています。ウェビナー形式の導入等により多くの企業にご参加いただける環境を整え、業界全体での底上げを図ってまいります。
是非、参加のご検討をお願いいたします。

■電機・電子温暖化対策連絡会 ポータルサイト

「電機・電子業界 CN行動計画」に関する情報(実施要領、参加申請、報告会資料等)は、こちらのサイトをご覧ください。
https://www.denki-denshi.jp/

お問い合わせ

E-mail : ondankataisaku@jeita.or.jp


※1 省エネルギー法に準拠した、活動量(生産高・個数・面積等)当たりのエネルギー使用量の改善を示す指標

※2 ・電機・電子業界「CN行動計画」で策定した方法論に基づき、参加企業の取り組みを集計・評価
https://www.denki-denshi.jp/implementation.php
・部品等(半導体、電子部品・集積回路)の排出抑制貢献量は、セット製品の内数として、産業連関表に基づく寄与率を考慮して評価
https://www.denki-denshi.jp/down_pdf.php?f=pdf2014/Guidelines_for_device_contribution.pdf
・JEITA電子部品部会では、「電子部品のGHG排出削減貢献量算定に関するガイダンス 第2版」を2022年7月に公開
https://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=1286&ca=21