Topics

1. 世界生産の状況と見通し

記者会見する時田会長

巣ごもり需要の反動減により、テレビやスマートフォン、パソコンなどが前年比でマイナスとなり、さらに、新型コロナ対策としてのロックダウンに起因する品不足、また、個人消費の減速を背景に電子部品・デバイスも縮小する結果となりましたが、データ活用の高度化、自動化など、デジタル化の進展により、ソリューションサービスが増加したことから、2022年の世界生産額は3兆4,368億ドルと、前年比プラス1%の微増の見込みとなりました。2023年は、ウクライナ情勢の長期化懸念など世界経済の不透明感は残るものの、各国での景気対策やデジタル変革に向けた投資拡大によるソリューションサービスのさらなる伸長への期待から、世界生産額は前年比3%増の3兆5,266億ドルとなり、過去最高の世界生産額を更新する見通しです。

2. 日系企業の動向

対面会場の様子

2022年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額は、前年比8%増の39兆4,837億円見込んでおります。海外での調達増を背景に、日系企業生産のうち、電子部品やデバイスなどがプラスで推移、さらに足元の円安を受けて海外での価格競争力が高まったデジタルカメラ、プリンター、電気計測器などが伸びたことが要因です。国内生産額は前年比2%増の11兆1,243億円で、2年連続の前年比プラスとなる見込みです。2023年は新たな価値を生み出し経済成長の源泉となるデジタル変革に向けたソリューションサービスでの需要拡大が見込まれ、2023年の日系企業の世界生産額は、前年比3%増の40兆7,599億円と見通しました。国内生産額は、前年比3%増の11兆4,029億円と見通しています。

オンライン配信の様子

Society 5.0の実現を掲げるJEITAにとって、デジタル活用による社会変革、社会のデジタルトランスフォーメーションは非常に重要なテーマの1つです。カーボンニュートラルの実現をはじめとする、社会課題解決のカギとなるのは、デジタル技術に他なりません。本年の「注目分野に関する動向調査」は、「社会のデジタルイノベーション」に焦点を当て、社会を変えるテクノロジーの世界需要額を取りまとめました。
世界のデジタルイノベーション市場の需要額は2021年の7,797億ドルから、2030年には2兆3,525億ドルへと、3倍以上に拡大します。なかでも注目は、今後の社会実装が期待される「Web.3.0（ウェブスリー）/ブロックチェーン」「量子コンピューティング」「メタバース」の3つです。2030年の世界需要額はWeb.3.0（ウェブスリー）/ブロックチェーンが1,136億ドル、量子コンピューティングが607億ドル、メタバースが1,866億ドルに達すると見通しました。これらのテクノロジーは業種・産業に限らず、社会のあらゆる分野での応用が期待されています。

CEATEC 2023は幕張メッセで開催

先端テクノロジーは業種・産業を限らず、社会のあらゆる分野での応用が期待されています。しかしその社会実装のためには、研究開発のみならず、社会における理解や受容性の向上、またユースケースの創出などが強く求められます。そこで重要な役割を果たすのが、JEITAが主催するCEATECです。CEATECの原点は「テクノロジーで社会を豊かにすること」であり、先端テクノロジーが社会をどう変えていくかを披露・発信する場です。今後もCEATECを活用し、新しいテクノロジーの社会実装を強力に推進してまいります。
2023年のCEATECは10月17日から20日までの4日間、幕張メッセにて開催予定です。これから本格的な社会実装が期待される「Web.3.0（ウェブスリー）/ブロックチェーン」「量子コンピューティング」「メタバース」などの技術やソリューションを提供する企業はもちろん、それらを活用し、サービスとして展開する幅広い企業にぜひご出展いただき、未来の社会を一緒に考え、社会実装を促進する機会にしたいと考えております。CEATECへのご出展、そしてご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。

刊行物のご案内

『電子情報産業の世界生産見通し2022』
（「注目分野に関する動向調査」付き）

• ■発行年月：
   2022年12月
• ■会員価格：
   6,600円
• ※詳細はJEITAホームページにてご確認ください。