Activity
活動報告事業推進部

「ITサービス提供の実践ガイド」を公開
~SLAからDX時代の品質マネジメントまで~

ITサービスの提供に携わる方を対象に、その企画・開発・運用の各フェーズにおける進め方のポイントと具体的なタスクやツール、さらに、顧客品質を踏まえたサービスマネジメントやDX時代への対応を広く網羅したトピックを紹介します。

実践ガイド公開の経緯

「所有から利用」、「as a Service」など、この20年程の間にITを駆使したサービス(ITサービス)は著しく成長し、日常生活・業務の双方でITサービスの利用は欠かせないものになっています。一方、ITサービスを提供する側に視点を移すと、その提供に関わる現場では試行錯誤が続いている状況が見えています。利用者はITサービスの利用によりその価値を認めますが、ITサービスは目に見えないため価値を評価することに難しさがあります。
そこで、ITサービスビジネス環境整備専門委員会では、ITサービスを可視化するための評価項目や指標に着目し、サービス仕様・サービス品質・SLAや開発・運用プロセスなどを整理してきました。
今回公表する「ITサービス提供の実践ガイド」は、本専門委員会における約20年の活動成果をまとめて再公開するもので、本ガイドを活用いただくことで、ITサービス提供に関わる現場の活動の改善に貢献することを期待します。

ITサービス提供の現状

【現状課題】

本専門委員会では、ITサービスの企画・開発・運用・マネジメントに関わる人を対象に2022年1月~2月にかけてアンケート調査を実施しました。
ITサービスの開発・運用、品質マネジメントの課題では、「品質と構築スピードを両立させることが難しい」が最多、「サービスを改善していく仕組みができていない」が2番目に上がっています。

【品質評価の取り組み状況】

ITサービスの品質評価に対する取り組み状況では、「サービス視点・方法での評価」が約3割にとどまり、従来のシステム開発と同じ視点・方法での品質評価が最多となりました。

【今後の重要項目

顧客満足度向上のために今後重要となる評価項目では、「利用者の目的に合ったサービス機能の提供」が41.1%で最多、セキュリティ対策、信頼性・可用性、レスポンス・回答スピードが続きました。

以上のアンケート結果から、ITサービスの提供に関わる現場では明確な方法論や評価指標が定まっておらず、試行錯誤が続いている状況にあることがわかります。

ITサービス提供のファーストステップ|可視化

ITサービスとは、ITシステムを利用して個々の利用者や企業に価値を提供するサービスです。ITサービスの提供は、ITシステム(モノ)だけでなく、サービスを提供する組織およびその従業員(ヒト)、サービスを提供するためのルール・方法(プロセス)、サービス提供の一部を担う外部委託先企業(パートナー)などが連携して、利用者に価値を提供する活動だと考えます。
サービス提供者は満足度の高いサービスを提供し、利用者は価値を認めることにより対価を支払います。しかしながら、サービスは目に見えないため、価値や満足度を評価することに難しさがあります。

【サービス品質に対する観点の違い】

そこで、サービスを可視化するための評価項目や指標についての検討が重要になります。
サービス提供者は、サービスの開発・運用を行う際に、サービスの可視化項目について企画、要件定義、設計/開発、運用/評価の各フェーズで評価する必要があります。

ITサービス提供の実践ガイド

本ガイドでは、ITサービスの開発・運用プロセスの定義、サービスの仕様・品質・SLAなどの可視化に関する本専門委員会の検討成果を提供します。
サービスの開発・運用プロセスに関するガイドが3つ、サービスの可視化に関するガイドが4つから構成され、そのうち3つのガイドは俊敏性に対応した内容になっています。

【活動成果の鳥観図】

【成果物一覧】

サービス提供者は、ITサービスの企画、要件定義、設計/開発、運用/評価の各フェーズの評価において、本ガイドが提供する、サービス開発・運用のプロセスやタスク定義、サービス可視化の観点やチェックリストなどのツールを活用し、提供価値の向上ができます。
サービス利用者は、選定するサービスが要件に適合しているか、サービスの品質が期待に沿っているかを事前に評価する際のツールとして活用できます。

実践ガイドの入手

「ITサービス提供の実践ガイド」は、JEITAのホームページで参照できますので、詳しく知りたい方は是非ご活用下さい。

■「ITサービス提供の実践ガイド」の公表について

https://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=1418

本件の
お問い
合わせ

事業戦略本部 事業推進部
事務局

E-mail : itt3@jeita.or.jp