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活動報告事業推進部

ISO/TC279 イノベーションマネジメント研究会の発足
-イノベーション・マネジメントシステムの国際標準化に向けて-

標準化政策部会では、国際標準化が進むイノベーション・マネジメントシステムに対応するため、「ISO/TC279イノベーションマネジメント研究会」を発足し、イノベーション・マネジメントの在り方についての議論を開始しました。

イノベーション・マネジメントシステム標準化の背景

1998年頃より欧州では、既存のマネジメントシステムなどからだけでは新たなイノベーションを興すことができないという危機感から、既存の企業や組織からイノベーションを興すマネジメントシステムの必要性が議論され、2013年には欧州規格が発行されました。その発行を受けて、2013年に国際標準化機構(ISO)では、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)であるISO 56000シリーズを検討する委員会TC279が発足しました。
TC279は、米国、中国、欧州主要国、南米主要国および日本を含む59カ国が参加し、フランスが議長を務めています。ガイダンス規格であるISO 56002は2019年7月に発行されました。2020年12月には認証規格ISO 56001の策定が承認され、ワーキンググループが発足しました。日本では2015年から日本産業標準調査会(JISC)の傘下に一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が国内審議団体として指名され規格開発、国際交渉、国内審議委員会の運営を進めてきました。同国内審議委員会には、JEITAを代表し沖電気工業(株)の藤原雄彦執行役員が委員として参加しています。この活動を支援するため、JEITA標準化政策部会では、標準化運営委員会の配下に「ISO/TC279 イノベーションマネジメント研究会」を発足しました。8社14名が参加し、議論を始めています。

ISO 56000シリーズの概要

イノベーション・マネジメントシステム(IMS)ISO 56000シリーズは、既存組織がイノベーションを興すためのマネジメントシステムの基本的な手引きと要求事項と行動を示すものです。ISO 56000は、IMSの基本と用語を定義し、ISO 56002はガイダンス規格として既に発行されています。ISO 56003~56010はこれを補完する個別規格です。前述の認証規格ISO 56001は、2024年までの3年間で策定すべく検討が始まっています。

【イノベーション・マネジメントシステム(IMS) ISO 56000シリーズの全体像】

【イノベーション・マネジメントシステム(IMS) ISO 56000シリーズの全体像】

© 一般社団法人Japan Innovation Network

IMSの基本的な考え方は、ISO 56002に示されています。既存組織の状況(箇条4)を踏まえ、リーダーシップの下でイノベーションのためのコミットメント、ビジョン、戦略、方針が示され(箇条5)、それに基づき機会に関する意図を整理し、イノベーションのための試行錯誤(箇条8)を行い、イノベーションによって新たな価値を創造します。その活動を計画(箇条6)し、支援体制を構築(箇条7)、評価(箇条9)、改善(箇条10)していくプロセスです。
イノベーション活動は、機会の特定からコンセプトの創造、コンセプトの検証、ソリューションの開発、ソリューションの実装までのプロセスを試行錯誤によって実現します。
イノベーションの成功率は必ずしも高くありませんが、その目的を明確にし、活動プロセスをマネジメントすることで成功確率を上げることがIMSの狙いです。
IMSは、これを導入したからと言って、イノベーションが興せる魔法の杖ではありません。スマホに喩えるならば、OS(オペレーティングシステム)であり、企業の文化風土を支えるものです。このOSの上に新たなアプリケーションとして新たな事業の創造が可能となります。

【国際合意されたISO 56002 イノベーション・マネジメントシステム(IMS) 】

【国際合意されたISO 56002 イノベーション・マネジメントシステム(IMS) 】

© 一般社団法人Japan Innovation Network

今後の取り組み

日本では前述の国内審議委員会において、ISO 56001の検討が開始されています。10月に第2回会合が実施されました。その結果を受けて、JEITA ISO/TC279イノベーションマネジメント研究会にて議論を行ってまいります。ISO 56001の制定時期は、今後の検討経過によりますが、2024年までの3年間での制定を目指しています。
欧州では既に、欧州規格に則った活動をしている企業が現れ、共創活動におけるデューデリジェンスなどにIMSを活用しています。今後、日本においても企業間の連携の行動指針としてIMSが必要となってくることを想定し、研究会では議論を行っていきます。

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