電子部品技術ロードマップ
電子部品技術基礎編の電子ブックを公開
電子部品部会/部品技術ロードマップ専門委員会では2003年より、10年先までの社会・経済、暮らし、エレクトロニクス業界などの将来動向を解説する「電子部品技術ロードマップ」を発刊してきました。当専門委員会の活動は 20 年になり、次版、2022年3月発刊予定のロードマップ本誌は活動 20周年記念号としての第10版となります。この第10版のロードマップ編纂にあたり、長年に渡り使われ、汎用的になってきた電子部品やその技術を「電子部品技術ロードマップ・電子部品技術基礎編」としてまとめ、ロードマップ本誌とは分離し、電子ブックとしてJEITAホームページにて一般公開することとしました(図1)。20周年記念号は“電子部品技術の「現在」「過去」「未来」を俯瞰する”として、電子ブック化した基礎編とロードマップ本誌の2つを一体として編纂発刊する企画となっています。本稿では、その基礎編の概要をご紹介するとともに、2022年3月発刊予定の本誌の概要についてご紹介します。
公開中の「電子部品技術基礎編」の概要とアクセス方法
基礎編公開への経緯
部品技術ロードマップ専門委員会がこれまで発行してきた「電子部品技術ロードマップ」は、「注目するフィールド(注目する市場の技術動向)」と、「電子部品の技術動向」の2本柱で構成しており、「電子部品の技術動向」では、
①基礎的な技術解説
②直近の技術動向
③今後10 年の技術予測・トレンド・注目ポイント
について記載してきました。
しかし2019年夏に実施した2019年版ロードマップ読者アンケートからは、「上記①、②、③の区別がつきにくく、どこが新規の内容か分からない」、「冊子を電子化して欲しい」といった課題・要望が明確になったため、2022年版ロードマップの「電子部品の技術動向」については、上記①・②と③を分離し、
(1)①基礎的な技術解説と②直近の技術動向を「電子部品技術基礎編」(電子化)として、JEITAホームページで公開
(2)2022年春に発刊する「ロードマップ本誌」(冊子)では③今後10年の技術予測・トレンド・注目ポイントを中心に記載
とすることにしました。
なお基礎編は、これまで目に触れる機会が少なかった学生、異業種、ベンチャー企業など、より幅広い層の方々に気軽に読んでいただけるようにと、無料で閲覧できるようにしています。
「電子部品技術基礎編」のコンテンツの紹介
基礎編に記載した電子部品は、電子部品部会が対象としている図2の【目次】にある11種類となり、それぞれの電子部品について、【記載内容例】に示すように概要、原理、構造、種類、製造プロセス概要、材料、製品事例、用途例、仕様例、規格の中で掲載可能な項目について直近の技術動向とともに紹介しています。
【記載内容例】
【目次】
- 第1章 インダクタ
- 電源用インダクタ、リアクトル、信号用インダクタ
- 第2章 コンデンサ
- セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、アルミニウム電解コンデンサ
- 第3章 抵抗器
- 第4章 EMC部・ESD部品
- コモンモードフィルタ、積層チップバリスタ、ESDサプレッサ、ノイズ抑制シート
- 第5章 高周波フィルタ
- SAWフィルタ、BAWフィルタ、LTCCフィルタ
- 第6章 コネクタ
- 第7章 入出力デバイス
- タッチパネル、スイッチ、タクトスイッチR
- 第8章 センサ
- 温度センサ、超音波センサ、光センサ、磁気センサ、圧力センサ、慣性力センサ、変位センサ
- 第9章 アクチュエータ
- DCモータ、ソレノイド、VCM、電磁式振動フィードバックデバイス
- 第10章 電子部品材料
- 第11章 発光デバイス
JEITAホームページからのアクセス方法
【図3:JEITA電子部品部会のトップ画面】
ここではJEITA電子部品部会のトップ画面から入る方法を説明します。URLはhttps://home.jeita.or.jp/ecb/です。
図3に示す電子部品部会のトップ画面で、右側にあります①「電子部品技術基礎編電子ブック」のバナーをクリックしてください。
【図4:電子ブックへの入り口画面】
そうすると図4に示す電子ブックへの入り口画面になりますので、ここで②の「電子ブック閲覧はこちら」のバナーをクリックしてください。すると図5に示す属性入力のお願いのポップアップ画面が出ますので、③属性を選後、④「OK」をクリックすると、図1の電子部品技術基礎編のカバーページが表示され閲覧できます。
基礎編をご覧になってのご意見やご質問などがございましたら、図4の画面の下段が「お問い合わせフォーム」となっていますので、内容をご記入の上「送信」ボタンをクリックしていただきますようお願いいたします。
【図5:電子ブックへの入り口画面】
ロードマップ本誌「2030年までの電子部品技術ロードマップ」を2022年3月に発刊
【図6:20周年記念号(第10版)本編冊子の章立て】
20周年記念号として、“電子部品技術の「現在」「過去」「未来」を俯瞰する”ことを目指し過去20年から今後20年までの時間軸を捉えることとしました。2本柱の一つの「注目するフィールド」は今後10年から20年を想定し世界的なパンデミック後の社会変化と地球環境問題への対応も想定した大きなテーマにしています。更にもう一つの柱である10年ロードマップの「電子部品の技術動向」に加え、「歴代編集・発行責任者からの寄稿」、「10年前のロードマップ検証」、「20年後の電子部品の姿」といった内容を追加しています(図6)。
ロードマップ本誌のコンテンツ案
第1章 はじめに
(1)特別寄稿
歴代の編集・発行責任者から当時の思いなどを語っていただきます。
(2)10年前のロードマップ検証
10年前のロードマップの内容と実際の10年間の業界や市場の変遷を比較し技術動向を振り返ります。
第2章 注目するフィールド
電子部品業界発展に影響する注目フィールドとして下記4フィールドを選定しました。各フィールドにおける「アフターコロナの社会変化」と「カーボンニュートラル社会実現」を踏まえた20年後の姿を想定し、電子部品業界発展の可能性を示します。
(1)環境・エネルギー
多くの地球環境課題の中から課題の大きさと産業界への影響から「気候変動」と「プラスチック」に注目し、「環境」と「エネルギー」を軸に課題と目指す姿を示し、技術動向を解説します。
(2)スマートモビリティ
カーボンニュートラルに向けた持続可能なスマートモビリティの将来像を描きながら、それらに必要とされる技術の動向を解説します。
(3)宇宙
宇宙産業の概要や事例と、宇宙産業で使用される電子部品の役割と今後の貢献について紹介します。
(4)医療
IoT、ビッグデータ、AI、5G、ロボット技術を活用した電子機器がもたらす医療分野の技術変革について紹介します。
第3章 電子部品の技術動向
【10年ロードマップ】10年後の電子部品技術の動向をロードマップとして示します。対象は、基礎編と同様に①インダクタ、②コンデンサ、③抵抗器、④EMC/ESD部品、⑤RF部品、⑥コネクタ、⑦入出力デバイス、⑧センサ、⑨アクチュエータ、⑩電子材料、⑪発光デバイスとなります。
第4章 20年後の電子部品
【未来を語る】20年後の電子部品技術の姿や可能性を探ります。ここでは注目する技術として①量子技術、②テラヘルツ、③光技術の3点を取り上げそれぞれについて解説します。
発刊&完成報告会のご案内
第10版「2030年までの電子部品技術ロードマップ」本編・冊子の発刊&完成報告会は、2022年3月を予定しています。現在のところ完成報告会はWeb開催またはハイブリッド開催を予定しており、2022年1月にはJEITA部品部会HPにて案内されますので、ご興味のある方は次版ロードマップ購入をご検討ください(購入者へ完成報告会の案内が行われます)。なお当委員会では参画企業を募集しています。ご興味ある方はJEITA事務局までご連絡ください。「基礎編」閲覧HPの問い合わせからのメッセージは当専門委員会のJEITA事務局担当者宛てに送付されます。今後とも「JEITA電子部品部会/部品技術ロードマップ専門委員会」の活動へのご理解とご協力をお願いいたします。