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活動報告事業推進部

DX時代のITサービス品質に関する検討
-2020年度調査報告書を公開-

DX時代における「新たな価値創造による新規サービスの開発」に取り組むお客様と ITサービスベンダとの間で共有できる「ITサービス品質のフレームワーク」の検討を行いましたので、紹介いたします。

検討の経緯

ITサービスビジネス環境整備専門委員会は、ソリューションサービス分野におけるビジネス環境の調査・整備、提言を目的として、 ITサービスの利用者と提供者の共通の評価指標について着目し、リスクマネジメントや SLA/SLMを中核テーマとして調査・研究活動を行っています。特に、 ITサービスの機能や範囲、品質、性能などを「可視化」し、コストおよびリスクとサービス品質との適正なバランスをとるためのツールとしてSLAを位置づけ SLA/SLMの普及に努めてきました。
2019年度から2年間にわたり「新たな価値創造による新規サービスの開発」に取り組むお客様と ITサービスベンダとの間で共有できる「ITサービス品質のフレームワーク」を検討しました。検討にあたっては、2017年度、2018年度に検討した「俊敏性を要求されるITサービス開発・運用」のプロセスを前提に、2014年度にまとめたITサービス品質の可視化と評価の観点を、より利用者側の観点から見直し、「ITサービスベンダが、何をITサービスの品質としてとらえ、目標を設定し、達成するために何をするか」の考え方を整理しました。

DX時代のITサービス品質

DX時代のITサービスビジネスの成功の鍵は、顧客や利用者の意見・行動を的確に把握し、どのように対応するかです。サービス提供者は、これまでの提供者観点(自分達で設定した仮説に基づく品質対応に加えて、利用者観点(顧客体験による期待への満足・超越度)で思考・行動することが必要になります。ITサービスの利用者観点の品質には、次のような特徴があります。

  • 利用者側の品質は知覚に基づくため、計測や可視化が難しい/伝達できない
  • 利用者に属人的かつ主観的である
  • (サービス一般の特性である)非貯蔵性や生産・消費の同時性により、サービスが提供されないと発現しない

【「俊敏性を要求されるITサービス開発・運用」の進め方】

【「俊敏性を要求されるITサービス開発・運用」の進め方】

「俊敏性を要求されるITサービス開発・運用」の進め方として、MVS(Minimum Viable Service)を開発して特定の顧客を対象に仮説検証を行い、改善を繰り返しながら商品版のサービス品質に到達させ、以降、ビジネス環境や顧客のニーズの変化に迅速に対応し、継続的に強化・改善する考え方を示しました。

【ITサービスにおける「品質マネジメントのループ」】

【ITサービスにおける「品質マネジメントのループ」】

サービス提供者にとって、利用者からのフィードバックを分析し、サービス改善のための仮説を立案し、 利用者の求めるものにいかに俊敏に近づけていくかが重要です。DX時代における新たな価値共創を担うITサービスでは、サービス提供者の提供品質と利用者の期待品質と知覚品質の間の関係をより客観評価/可視化することで、改善活動を継続・俊敏に繰り返せるようにすることが求められます。この「仮説検証のループ」に対して、ITサービスの品質に関わる活動を、「品質マネジメントのループ」と呼びます。

DX時代のサービス品質モデル

【DX時代のサービス品質モデル】

【DX時代のサービス品質モデル】

DX時代のサービス品質モデルは、提供プロセス(利用プロセス)での期待品質・知覚品質と提供品質とのギャップを埋めることだけでなく、開発プロセスにおいても同じことが重要であることを示しています。期待品質は、サービスを利用した時点での、顧客又は利用者が期待している品質であり、時間の経過とともに変化するので、その時点での期待品質を常に確認する必要があります。

ITサービス品質評価観点リスト

ITサービスの品質マネジメントを行う際に活用可能なツールとして、「ITサービス品質評価観点リスト」を作成しました。顧客品質特性および顧客品質副特性に対応する知覚品質に関する評価観点と品質評価項目例を示し、その知覚品質を実現するためにサービス開発およびサービス提供において考慮すべき品質評価観点と品質評価項目例を含んでいます。さらに、3つのITサービスを仮想的に定義し、各ITサービスの「ITサービス開発・運用プロセス」に対して「ITサービス品質評価観点リスト」を活用する例を説明しました。

調査報告書の入手

これらの内容を記載したエグゼクティブサマリは、JEITAのホームページで参照できます。「ITサービス品質評価観点リスト」を添付した調査報告書は有償頒布いたしますので、詳しく知りたい方は是非ご活用ください。

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