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活動報告市場創生部

スマートライフ研究会の発足
-街と暮らしのDX実現に向けて-

スマートホーム部会では、ニューノーマル時代を見据え、生活基盤全体のデジタル化を含めた「街と暮らしのDX」の実現に向け、経済産業省と合同にて「スマートライフ研究会」を発足し、従来のJEITA会員だけでなく、住宅関連・スマートシティ関連・自治体・有識者・サービス関連事業者が参画する議論を開始しました。

街と暮らしのDXが必要な背景

人口減少・少子高齢化・コロナ禍といった社会情勢が急速に変化していく中で、財源・人材リソース不足から、従来の社会制度や行政サービスの持続性を確保していくことが難しくなってきています。これまでの住民サービスは、行政や地域産業単体の努力で維持・成立をしてきましたが、今後は住民・行政・地域産業が「共助」の仕組みを構築し、限られたリソースを全体最適の視点で変革(街と暮らしのDX)を推進していくことが必要であると考えています(図1)。

【図1:街と暮らしのDX】

【図1:街と暮らしのDX】

これまでの行政サービス等は、環境情報や行政情報を中心に活用することで住民課題の解決に取り組んできましたが、コロナ禍をきっかけに、住宅内での生活時間が高まってきていることを背景に、住民の活動情報が外部やコミュニティからでは収集できなくなってきています。また、在宅時間が増えたことにより、社会的な孤立や災害に際しての不安など、今後住民と行政の連携が強く求められていく分野が広がっていく可能性があり、街と暮らしのDXの実現にあたっては、住民の生活データを媒介としたエコシステムの形成が求められてきます。

イエナカデータの活用可能性

近年、テクノロジーの進化や低廉化を背景に、ネットワーク家電をはじめとして、家の中に多くのセンサやデジタル機器が設置されつつあり、“イエナカ“の情報が蓄積されています。イエナカデータは、ユーザーリテラシーに依存することなく、普段使いの状態で宅内の環境情報を生活パターン(家単位/家族単位での「コト」情報)として数値化することが可能になり、今後は宅内の情報収集端末装置として拡大していくことが予想されます。

■イエナカデータを生成可能と考えられるデバイス群(例)

家電機器 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、空気清浄機、レンジ、炊飯器、電気鍋
家具・住設機器 給湯器、玄関ドア、インターホン/カメラ、照明、ベッド、ソファー、HEMSコントローラ
センサデバイス スマートメーター、各種人感センサ

当該イエナカ情報とパーソナル情報やベースレジストリ情報等を含めた多種多様(規模、時間軸の変化点)なデータを組み合わせ、行政や民間(地域産業) サービスでの活用を進めることで、世代を超えた住民同士の「共助」など、持続可能な社会インフラサービスとして機能する可能性が出てくると考えられます。

■イエナカデータで把握できる状態と連携可能性のある分野

①安心安全・生活環境(暮らし)
テーマ 把握可能な状態(例) データ連携分野
生存情報 その家に生存している人がいるかどうか 医療、エネルギー、行政
家族構成 同じ家で生活している人数や構成 行政、流通、教育、食品、MaaS
行動パターン 引きこもり、虐待 医療、行政
特定行動・行事 ゴミ出し出来ているかetcの生活行事 観光、MaaS、食品、行政
通電情報 災害時の停電発生状況 行政、エネルギー、医療
②健康・ウェルネス
テーマ 把握可能な状態(例) データ連携分野
生活リズム 規則正しい生活を送っているかどうか 医療、エネルギー、行政
睡眠時間(認知症アラート) 生活リズムにズレが生じていないか 医療、行政
疾病アラート 寝込んでいないか、怪我、ヒートショック 医療、行政、MaaS
熱中症アラート 気温・室温変化への反応状況 医療、行政、エネルギー

イエナカデータ連携基盤の構築

このようなイエナカデータを活用し、さまざまなサービス産業が連携することで、付加価値創出と行政だけでなく、民間事業者や専門の協議会・団体、地域の大学など、あらゆるステークホルダーによるエコシステムが形成される可能性があります。
したがって、スマートライフ産業の発展に向けては、中立性とサービスの持続性を担保したデータ連携基盤の整備が重要だと考えています(図2)。

【図2:イエナカデータ連携基盤】

【図2:イエナカデータ連携基盤】

このような、イエナカデータ連携基盤を実現するためには、①デジタル産業の移り変わりの速さに対応する柔軟性(高次化AI処理、漏洩対策の独立ID管理、トラストチェーン、継続的な開発)と、②新たなサービス検討を可能にする仕組み(試験環境、決済システム)、③他の産業分野との連携機能(都市OSとの接続環境、データの相互活用)といった研究開発が必要であると考えています。

今後の取り組み

スマートライフ研究会の議論においては、「街と暮らしのDX」の実現に向けて、イエナカデータ連携基盤に代表される技術研究開発の必要性や、消費者が安心してデータを提供するための仕組み、産業界のマネタイズを可能にするエコシステム構築の重要性が指摘されました。
今後、当研究会では、社会受容性の確保に向けたプロモーション活動やルール形成といった市場への働きかけに加えて、引き続きあらゆるステークホルダーと共創し、スマートライフ産業を推進する体制整備に取り組むことで、住民・行政・産業界がWin-Winとなる社会の構築を目指して議論を継続してまいります。

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