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「JEITAベンチャー賞」受賞7社が決定
-Society 5.0の実現に向けた、ベンチャー企業との共創・連携を促進-

3月24日、「JEITAベンチャー賞」の受賞企業、7社が決定したことを発表しました。JEITAベンチャー賞は、電子情報技術産業の総合的な発展のみならず、経済発展に貢献しうるベンチャー企業を表彰するもので、IT・エレクトロニクス業界の発展に繋がるベンチャー企業を支援するとともに、JEITA会員企業とスタートアップ(優良ベンチャー)企業との共創・連携・エコシステムの構築支援を目的としたものです。「JEITAベンチャー賞審査委員会」が成長性(先導性)、波及性、社会性の3つの視点からベンチャー企業を審査・選考した結果、第6回 JEITA ベンチャー賞はアイポア株式会社、エアロシールド株式会社、HMS株式会社、ナレッジオンデマンド株式会社、株式会社ファームシッ プ、福島SiC応用技研株式会社、LiLz株式会社の7社が受賞しました。
今回受賞した7社のベンチャー企業は今後、JEITAの活動に参画いただくほか、Society 5.0の実現を目指すCPS/IoT総合展「CEATEC」への出展やJEITAが主催するシンポジウムやセミナーなどへの登壇、さらにはJEITA会員企業との交流支援などの特典が授与されます。

【上段】左より:エアロシールド 木原代表取締役、LiLz 大西代表取締役社長、福島SiC応用技研 古久保代表取締役、アイポア 直野代表取締役、HMS HU代表取締役社長 【下段】前列左より:ナレッジオンデマンド 宮下代表取締役CEO、ファームシップ 宇佐美執行役員、 エアロシールド 高橋様 (代理出席)後列左より:JEITA 長尾専務理事、JEITA 石塚会長、荒川JEITAベンチャー賞審査委員長(東京大学) 【上段】左より:エアロシールド 木原代表取締役、LiLz 大西代表取締役社長、福島SiC応用技研 古久保代表取締役、アイポア 直野代表取締役、HMS HU代表取締役社長
【下段】前列左より:ナレッジオンデマンド 宮下代表取締役CEO、ファームシップ 宇佐美執行役員、 エアロシールド 高橋様
(代理出席)後列左より:JEITA 長尾専務理事、JEITA 石塚会長、荒川JEITAベンチャー賞審査委員長(東京大学)

受賞企業7社と審査評価の概要(社名五十音順)

アイポア株式会社

アイポア株式会社は、ナノからマイクロサイズまで高精度な大きさの細孔をもつ半導体ポアセンサに、微粒子が細孔を通過した際のイオン電流変化をAIで解析することにより、微粒子の種類まで識別する技術の事業化を実現した。半導体の高精度な微細加工と、微粒子の細孔通過で生じるパルス計測への高度なAI識別との双方に、研究に裏付けられた高い技術力を有することで、ウイルスや細菌などの微生物検査から環境測定、工業製品の検査など幅広い分野のソリューションに結びつけられる。世界が直面するウイルス感染防止対策をはじめ、 社会問題の解決への貢献が期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

エアロシールド株式会社

エアロシールド株式会社は、紫外線を照射することによって屋内の空気を除菌する装置を開発した。医療機関、薬局、食品工場、高齢者施設、幼稚園、保育園、空港、交通機関、百貨店、オフィスなど多岐に渡る有人環境の施設において設置実績がある。それぞれの事例において、導入後の空気中における浮遊菌の減少量を測定し、設備の特徴による導入効果の知見をデータベース化している。コロナ禍にあり、ウイルスから身を守る技術に対する社会的要請が高まるなか、さらなる普及が期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

HMS株式会社

HMS株式会社はエッジAIチップを内蔵した超小型のAIカメラデバイスと、広範な産業用途をカバーするAIネットワークおよび、“オールインワンAIソリューション”を提供する会社である。HMS社が開発した、SiNGRAY Aシリーズは、CES2019において、“ロボティクス&ドローンイノベーション大賞”を受賞し、既に世界中で、ロボットやAGV、ドローン等で採用されており、複数の大企業等で量産採用も実現している。現場ですぐに“使える”AIソリューションは、日本経済を支える数多くの中小企業の救世主となると考えられる。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

ナレッジオンデマンド株式会社

ナレッジオンデマンド株式会社は、製品・サービス・業務マニュアルなどをクラウド上でデジタルデータとしてチームで共有しながら編集および作成を進め、タブレットやスマホなどに配信し共有できる仕組みを提供している。現在国内40社への導入実績があり、業務プロセスの改善、品質向上、リードタイムの削減などを実現しており、今後は多言語翻訳サービスを利用したグローバル展開や製造業の技術承継のマニュアル化などへ展開を進めることで、働き方改革やDX化・ペーパーレス化が進む中、さらなる利用拡大が期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

株式会社ファームシップ

株式会社ファームシップは、独自開発の専用LEDを用いた植物工場の供給を行うほか、 パートナー企業との提携により日本最大級の大規模植物工場ネットワークを構築。AIを用いた需要予測を行う等広く展開実績がある。大規模植物工場の技術を駐車場約1.5台分の大きさのコンテナに集約したBlockFARMは省スペース性を獲得し、植物工場の波及性を一段と向上。海外展開も進めている。環境要因に左右されず、衛生的かつ安定生産が可能な完全閉 鎖型の環境下での栽培は、時代のニーズと共に今後更なる普及が期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

福島SiC応用技研株式会社

福島SiC応用技研株式会社は、パワー半導体材料であるSiCのセラミック基板への直接実装技術により実現した高電圧・大電流の電源回路技術を独自製品である中性子源の電源に応用し、SiC BNCTを実現した。本電源による低加速電圧と独自の多門照射を組み合わせること により遮蔽層の薄型化と体内深部への治療を合わせて可能にし、既存のレントゲン室への設置を可能とする。今後は 2021年に臨床試験機を納入し治験実施し、その後製品化の予定。ガン治療への利用拡大が期待される。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。

LiLz 株式会社

LiLz株式会社は、BLE Long RangeとLTEの併用により、1日3回の撮影で3年間電池駆動稼働する低消費電力IoTカメラとクラウド側で機械学習・画像解析によりアナログ計器の値を自動読み取りし、保守点検作業効率化を実現できるIoT/AIサービス「LiLz Gauge」を事業展開し、労働力不足解消対策に貢献するだけでなく、コロナ禍におけるリモート化、 不安全作業の軽減などの業務効率化を達成している。これにより、設備の維持管理コストの削減に加え、蓄積されたデータ分析による省エネルギー化および予兆検知によるダウンタイムの削減にも効果を発揮することが期待されている。よって、JEITAベンチャー賞に相応しい企業と判断した。