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活動報告技術戦略部

サステナブルIT事業の始動

本年4月に始動した“サステナブルIT推進委員会”の活動について、新型コロナウイルス感染症拡大リスクに起因する劇的な社会変化をテーマとした対応も含めて、紹介していきます。

グリーンITからサステナブルITへ

これまで十余年にわたり、主に環境面の対応に取り組んできたグリーンIT事業について、社会課題の多様化やそれに伴う情勢の変化をふまえて、活動の見直しを行い、サステナブルITとして、発展的に改組をしました。
活動の恒久化に囚われない、柔軟性を有する体制を構築し、これまで主軸としていた、気候変動への注力を継続しつつ、さらに幅広い社会課題を対象として、デジタル技術による克服に資する活動を進めていくこととしています。(図1)また、これらの活動を通じて、関連ITビジネスの市場喚起や企業のESG評価向上につながる対応も検討していきたいと考えています。なお、傘下の会合体が担う、個別具体的な事業は、JEITAだより春号にて紹介していますので参照ください。

【図1:サステナブルIT推進委員会 体制図】

【図1:サステナブルIT推進委員会 体制図】

始動早々の新たなチャレンジ

改めて述べるまでもなく、新型コロナウイルス感染症の拡大は世界規模の社会問題となり、その克服の重要な手段として、デジタル化の加速が大きな波動となっています。
この変容は、4月に始動した、サステナブルIT推進委員会が当初想定していた事業の対象範囲を大きく超えるものとなりましたが、チャレンジに値する重要テーマとして捉え、活動を進めています。
各種社会課題に対するデジタル技術の影響評価を考察する“インパクト評価小委員会”では、ウィズコロナ、ニューノーマルを着眼点として、リモート技術が与える社会・環境インパクト評価に関する検討を精力的に進め、10月に今後の活動の礎となる事項を報告書として、とりまとめました。(図2)

【図2:報告書の概要】

【図2:報告書の概要】

この事業では、リモート技術のうち、遠隔授業、テレワーク、遠隔診療を評価のターゲットに置き、各種文献や統計データの精査を通じて、社会と環境の2側面において、定量的評価で設定すべき指標について、インパクトを及ぼす機会(短期/長期に区分)との観点を交えて考察しています。さらに、これらの検討結果をふまえながら、「身体的な距離・密度」と「場所・時間の制約」の2軸におけるインパクト評価の図示化を試みました。(図3)

【図3:ITと社会・環境インパクトとの関係イメージ(試行)】

【図3:ITと社会・環境インパクトとの関係イメージ(試行)】

デジタル技術は、従来の日常や社会経済活動に導入されることで、行動スタイルの次元を変える力を持ち、更には、その波及効果により、社会・環境への一層大きな効果をもたらす可能性を備えています。
他方、一つの技術でも、ニーズや導入する場面によってインパクトは多様であり、またポジティブ/ネガティブ両面の作用が内包されています。
これらを総合的に勘案した、いわば真のインパクトを把握する方法を探り当てていくことが、当事業における今後の課題となっています。
なお、本レポート「ウィズコロナ、ニューノーマルにおいてデジタル技術が与える社会・環境インパクト」は、当委員会ホームページから全文にアクセス可能です。
https://home.jeita.or.jp/greenit-pc/contribution/index.html

貴社におかれましても、今後の事業を進めるうえで「SDGs」、「ESG」、「サステナブル」等を重要な要素として位置付けられているところかと思います。
“サステナブルIT推進委員会”では今後もそれらに有効な各種活動を進めていきます。ぜひ、ご参画を検討いただければ幸いです。

お問い合わせ
TEL:03-5218-1054
JEITA技術戦略部(担当:木村)
E-mail : t-kimura@jeita.or.jp