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市場動向技術戦略部

「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」進捗報告

電機・電子温暖化対策連絡会では、「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」の6年目にあたる2018年度の実績フォローアップ調査の結果を取りまとめました。

2016年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、日本国内の温室効果ガス排出を2030年度に2013年度比で26%削減するという中期目標が掲げられる中、産業界では、経団連が中心となり2013年度より2020年および2030年に向けた「低炭素社会実行計画」を推進しています。電機・電子業界では、「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」に取り組んでおり、高効率な“ものづくり”を更に進化させるとともに、ライフサイクル視点でのCO2排出削減を視野に、以下の重点取り組みを推進しています。

「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」の重点取り組み

(1)生産プロセスのエネルギー効率改善

・業界共通目標:エネルギー原単位改善率※1年平均1%以上の達成

目標達成基準
・フェーズⅠ( 2020年度):基準年度(2012年度)比で7.73%以上改善
・フェーズⅡ( 2030年度):基準年度(2012年度)比で33.33%以上改善※2

(2)製品・サービスによるCO2排出抑制貢献

「排出抑制貢献量の算定方法確立※3と、毎年度の業界全体の実績公表」を推進

生産プロセスのエネルギー効率改善の進捗状況

【エネルギー原単位改善率の推移】

【エネルギー原単位改善率の推移】

生産プロセスにおけるエネルギー原単位改善率の2018年度実績は、基準年度(2012年度)比で24.79%改善となりました。
前年度から4.3ポイント改善となった主な要因は、前年度に続き、電子部品・デバイス分野の中の半導体分野の生産増に加え、歩留まり向上により改善が進んだことが牽引していると考えられます。

製品・サービスによりCO2排出抑制に貢献

当業界は、製品・サービス等を提供することにより、社会のあらゆる部門における地球温暖化防止に貢献しています。
「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」では、代表的な製品・サービスについて、算定方法論を作成し、参加企業によるCO2排出抑制貢献量を定量的に把握して結果を公表することにしています。
製品・サービス各分野の2018年度のCO2排出抑制貢献量は右記の通りとなりました。

政府審議会での評価

2020年1月、産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会電子・電機・産業機械等WGにおいて、電機・電子温暖化対策連絡会中野議長(三菱電機)より報告を行いました。
審議会委員各位からは、先見的な「製品・サービス等削減貢献定量化」の取り組みを評価いただくとともに、内容の充実化と継続、また、IoT/AI活用ソリューション等の社会実装によるCO2排出抑制貢献に期待を示されました。

実行計画への参加のご案内

「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」には現在86グループ317社が参加いただいており、今後も、より実効性の高い計画となるよう、さらに多くの企業にご参加いただきたいと考えています。
産業界全体で取り組む本実行計画に参加することで、温暖化防止への貢献を社会に広くアピールでき、特に製品・サービスによる排出抑制貢献量の算出は、自社製品・サービスのアピールにもなります。
また、計画参加企業限定で、省エネ工場見学会などの企画を実施しております。「他社の省エネ活動を学び自社にも活かすことができる」と大変好評です。
参加企業には毎年度の調査にご協力いただきますが、省エネ法定期報告書データをそのまま活用できるツールをご用意し、調査入力の個別サポートも実施しています。
是非、参加のご検討をお願いいたします。

■ 電機・電子温暖化対策連絡会 ポータルサイト

「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」に関する情報(実施要領、参加申請、報告会資料等)は、こちらのサイトをご覧ください。(限定サイトへのID、パスワードがご不明の場合はお問い合わせください)
http://www.denki-denshi.jp/

■ 電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」

■ 電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」

気候変動対応に係る長期戦略として電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」を策定しました。(2020年1月)
業界の特徴を踏まえ、「基本方針」と将来の「めざす姿」を掲げ、その実現に向けて、「次世代の省エネ・脱炭素化技術の革新、高度情報利活用ソリューションの社会への実装」に取り組みます。詳細は、上記ポータルサイトをご覧ください。

お問い合わせ
TEL:03-5218-1054(JEITA技術戦略部)
E-mail : ondankataisaku@jeita.or.jp

【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2018年度実績)】

【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2018年度実績)】 【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2018年度実績)】
【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2018年度実績)】 【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2018年度実績)】

・電機・電子業界「低炭素社会実行計画」で策定した方法論に基づき、参加企業の取り組みを集計・評価。
http://www.denki-denshi.jp/implementation.php

・部品等(半導体、電子部品・集積回路)の排出抑制貢献量は、セット製品の内数として産業連関表に基づく寄与率を考慮して評価。
http://www.denki-denshi.jp/down_pdf.php?f=pdf2014/Guidelines_for_device_contribution.pdf

※1 省エネルギー法に準拠した、活動量(生産高・個数・面積等)当たりのエネルギー使用量の改善を示す指標。
※2 2018年度実績を踏まえ、2019年12月に2030年度目標の見直し(2012年度比16.55%→33.33%)を実施。
※3 発電、家電製品、産業用機器、IT製品及びソリューションの計24製品の方法論を制定(2019年8月現在)。