新春・電子情報産業の世界生産見通し
講演会実施報告~5Gの進展とCPS/IoT市場拡大の重要性を
内外に向け積極アピール~
Society 5.0の実現に向けて重要となる5Gならびにローカル5Gの社会への貢献度を指標化するため、調査統計委員会では、電子情報産業の動向と併せて5G市場の2030年までの世界需要額見通しをまとめました。調査結果については年末の遠藤会長記者会見にて広く内外に発信すると共に、講演会を企画し、政府の取組やユーザ分野の取組紹介を通じ、その重要性の理解に向け積極的なアピールを行いましたので、その一部をご紹介いたします。
電子情報産業の世界生産見通し講演会
2020年1月22日(水)に東京、24日(金)に大阪にて電子情報産業の世界生産見通し講演会が開催されました。今回は注目分野調査のテーマが5Gであったこともあり、特別講演や各分野の専門家からの市場動向解説についても5Gやローカル5Gに焦点を充てた充実の発表内容となりました。東京開催は記念すべき10回目、大阪開催は6回目の開催となり、東京・大阪の2日間による合計参加者数は約250名にのぼり、我が国を代表する統計機関や経済見通しを検討する政府や関連団体の参加も得て、当業界の規模と方向性をアピールする絶好の機会となりました。終了後の来場者アンケートでは、90%の方が「来年も参加を検討したい」と回答するなど、大変盛会の内に終了いたしました。
特別講演①
政策動向として、「デジタル産業ビジョン~5G以降の潮流、産業の変化を踏まえたSociety5.0時代のデジタル戦略~」と題し、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長の菊川人吾氏よりご講演いただきました。
菊川課長からは、今まさに世界は大きな変革の只中にあり、我が国の先人たちが全国に鉄道網を張り巡らしていく中で各地の産業が振興されていったようにSociety 5.0 時代に向けては5Gが必須となる世の中になること。また、5G本格サービススタート以降の大きな潮流として我が国にとって非常に重要となる「ローカル5G」、「DX(Digital Transformation)」、「セキュリティ」、「リテラシ」、「DFFT(Data Free Flow with Trust)」に関する施策等について熱くご講演いただきました。
特別講演②
ユーザ分野での取組としてフードバレーとかち推進協議会事務局長兼帯広市産業連携室長の植松秀訓氏に「フードバレーとかちの挑戦~アジアの食と農林漁業の集積拠点を目指して~」と題し、農業分野での取組についてご講演いただきました。
植松室長からは「食」と「農林漁業」を柱とした経済活動を行うための旗印として「フードバレーとかち」を掲げ、オール十勝で取り組まれている帯広市の産業施策についてご紹介いただくと共に、農業分野における5G時代における共創に向けた問題提起をいただきました。世界共通の課題である食料・水・環境・エネルギーの分野での新たな価値創造に向け、十勝の強みである大規模な「食・農」を最大限に生かし、生産者・加工業者などが一体となり、帯広市民一人一人が自分事として取り組まれているイノベーション創発に期待が高まり、今後の農業分野での台風の目として、ますます目が離せない存在となりました。
電子情報産業の動向
世界生産見通しとしては、JEITA調査統計委員会の山口佳子副委員長より2019年は米中貿易摩擦やブリグジットなど世界経済の先行き不透明感の拡大に伴う投資抑制などにより、電子部品の生産は減少したものの、ソリューションサービスなどが電子情報産業の市場を牽引。2020年は、引き継き先行きに懸念はあるものの、5Gの進展や攻めのIT投資のさらなる拡大が期待できることから、3兆807億ドルのプラス成長、はじめて3兆ドルを超えるとの見通しが示されました。(2019年12月時点の見通し。新型コロナウイルスによる影響は考慮されておりません。)
また、当業界の注目分野である5Gの進展により我々を取り巻くインフラやサービスは飛躍的に進化し、安全・安心で便利な社会が実現するものと期待しており、このような未来像を実現していくためには、5Gができるだけ早く、全国津々浦々に展開されることが重要であり「5G投資促進税制」が、日本の5Gシステム基盤の早期導入を後押しし、5G市場の立ち上がりを加速させるものになるだろうとの期待が述べられました。
プログラムと講師
■ 開会の挨拶
【東京】JEITA専務理事 長尾尚人
【大阪】JEITA関西支部事務局長 赤松伸彦
■ 開会の挨拶
①デジタル産業ビジョン
経済産業省商務情報政策局情報産業課長 菊川人吾氏
②フードバレーとかちの挑戦
フードバレーとかち推進協議会事務局長兼帯広市産業連携室長 植松秀訓氏
■ 電子情報産業の動向
▶︎電子情報産業の世界生産見通し調査結果
~世界生産・日系企業生産2020年の見通し/5Gの進展とCPS/IoT社会の関係性~
山口佳子副委員長(三菱電機株式会社)
▶︎ITプラットフォームの動向
~ CPS/IoT社会のその先に、ITプラットフォームの展望~
香川弘一委員(東芝デジタルソリューションズ株式会社)
▶︎ソリューションサービスの動向
~ 6兆円を超えた国内市場、今後の成長を担うDX事例紹介~
込宮信治委員(沖電気工業株式会社)
▶︎半導体の動向~ WSTS半導体世界統計から読み解く未来~
WSTS日本協議会 瀧川明美氏(東芝デバイス&ストレージ株式会社)
▶︎電子部品の動向
~電子部品需要 5Gへ向かうスマホがキーポイント~
和久田広志委員(アルプスアルパイン株式会社)
▶︎センサ・グローバル状況調査結果
~センサは日系企業の強さを示す指標、CPS/IoT社会の立役者~
吉崎修副委員長(ソニー株式会社)
▶︎注目分野に関する動向調査結果
~ 5Gの実用化によって加速する、CPS/IoT社会の未来~
(株)シード・プランニング 唐弓昇平氏
■ 質疑応答
【司会】JEITA調査・統計室長 高瀬智子
東京開催
1/22(水)13:30~17:00
於:大手町・フィナンシャルシティホール
大阪開催
1/24(金)13:30~17:00
於:大阪ビジネスパーク・クリスタルタワー
刊行物のご案内
電子情報産業の世界生産見通し講演会・講演録
- ■発行年月:2020年1月
- ■価格
・ダウンロード版 ※全講演スライドPDF版
会員6,600円、一般13,200円
電子情報産業の世界生産見通し2019
- ■発行年月:2019年12月
- ■価格
・冊子版 ※A4判40頁、「注目分野に関する動向調査」冊子付き
会員3,300円、一般6,600円・ダウンロード版 ※PDF版・過去データ付き
会員16,500円、一般33,000円・詳細版 ※研究者向け、各社アンケート集計結果
会員110,000円、一般220,000円
注目分野に関する動向調査2019
- ■発行年月:2019年12月
- ■価格
・冊子版 ※A4版8頁
会員2,200円、一般3,300円・ダウンロード版 ※PDF版・掲載データ付き
会員11,000円、一般22,000円
※詳細はJEITAホームページにてご確認ください。