Activity
活動報告IoT事業推進部

2019年度デザイン委員会海外交流会
「企業価値・事業価値を高めるデザイン」

デザイン委員会では、グローバル課題研究の一環として、毎年海外交流会を実施しています。今年度は2019年11月10日~17日にて開催され、デザイン委員会参加企業から12社・21名が参加し、エストニアとロンドンを訪れ、現地デザイン関連組織等を訪問し、施設見学や意見交換を行いました。デザインを単にアートとして捉えるのではなく、経営や社会課題解決に活用しているエストニアとロンドンへの訪問を通じ、デザインの可能性を再認識する機会となりました。

テーマ

「企業価値・事業価値を高めるデザイン」

企業価値・事業価値の向上にデザインで貢献するための知見やマインドの醸成に向け、エストニアにてE-governmentを追い風に勃興するスタートアップにおけるデザインに触れ、デザインを経営リソースとして先進的に活用するイギリスを訪問し、デザインの担う役割やケイパビリティについて洞察を得る。

エストニア(タリン・タルトゥ)

Startup Estonia

エストニアのスタートアップエコシステムを強化することを目的とした国とスタートアップ企業の架け橋となる組織であるStartup Estoniaのスタッフからエストニアのスタートアップ事情についてお話を伺いました。また、組織としてはイベント開催や政府への提言などを通じ、エストニアにFounderを呼び込むことや、スタートアップ企業のサポートを行うことがミッションとのことです。例えば、スタートアップ企業がStartup Estoniaを通じて提案し制度化されたものの一つに、Startup Visa(EU圏外の外国人による起業、労働を容易にする制度)が挙げられます。

e-Estonia Showroom

電子国家の取り組みを世界にPRする一環として設置されたショールームを訪問し、お話を伺いました。エストニアが電子国家となったのは歴史的背景が大きく関わっているとのことです。長年占領下にあったエストニアがソ連から独立したのは1991年であり、当時は主力産業もなく経済的な余裕もなかったため、少ないリソースを最大限に活用しなければならない状況にあり、国策としてIT化を進めることを決めました。さらに、人々が国内に幅広く点在しており、国民に平等な行政サービスを提供することも電子政府化(e-Estonia)を進める大きな理由となったそうです。今では行政サービスの99%(結婚、離婚、不動産売買以外)が電子化されています。また、デジタルIDやX-Roadなど、電子国家エストニアを象徴する制度やサービスについてもご紹介いただきました。

Creative Union

複数のコミュニケーションデザインやマーケティングの企業がフロアの各部屋に入居し、総勢100名が働いています。オフィス見学後、ブランドマネジメントや事例(モバイル端末ソリューション)についてプレゼンをしていただきました。施設は廃材を利活用しており、レクリエーションスペースや小さなシアターもあるクリエイティブな空間でした。さらに、複数の企業が一つのフロアに集まり、共有のスペースの多く、そしてそれぞれがオープンなマインドであるため協業することもあるそうです。非常にイノベーションが生まれやすい環境であるという印象を受けました。

Estonia National Museum

Skypeが生まれた椅子

エストニア第二の都市タルトゥにある博物館。ソ連時代に軍の飛行場として使われていた土地に2016年に移転し、建築設計には日本人(田根剛氏)も携わっています。エストニアの民族や、狩猟・農耕時代から占領時代、現在までの歴史について展示されており、電子国家となった背景について学ぶことができました。

タリンの街並み

タリンの街並み

タリン旧市街

タリン旧市街

イギリス(ロンドン)

Panasonic Appliance Europe Design Centre

設立当初はアプライアンス社のプロダクトデザインを行っていましたが、世界の変化に合わせてコンセプトやサービスまでデザインの幅を拡大し、パナソニックのビジネス強化に貢献しています。ロンドンにデザイン拠点を置く日本企業として、ロンドンのクリエイティブや欧州でのデザイン戦略などについてお話いただき、参加者とも活発な議論が行われました。また、プロジェクトを進めていくうえで、ユーザだけでなく、社内、そして競合も含めた社外の人達にいかに共感してもらい、ファンを増やすことを重要視しているとのお話を伺い、どの企業においても生かせる考えだと感じました。

Royal College of Art The Helen Hamlyn Centre for Design

RCAは1837年に創立されたアート・デザイン教育のトップ大学であり、卒業生はダイソン、アップルなどに採用されています。28年前に設立されThe Helen Hamlyn Centre for Designにて、Creative LeadershipとInclusive Designについてお話を伺いました。

Design Museum

商品やグラフィック、ファッション、建築デザインなど、いわゆる狭義のデザインについて展示し、無料開放しています。また、Design Museumに限らず、ロンドンでは大きなミュージアムが無料で開放されており、誰でもデザインに触れることのできる環境が整っていたことが印象的でした。

ソニー製品の展示

ソニー製品の展示