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関西支部活動報告

部品運営委員会「中国・西安」開催

支部部品運営委員会(委員長:パナソニック(株)坂本 専務執行役員)では、毎年恒例の「グローバル開催」を8月22日(木)~24日(土)に中国・西安で実施、下記各機関を訪問すると共に、23日(金)夜に各社現地責任者を交えて定例委員会を開催しました。

アビームコンサルティング社 8月22日(木)16:30~17:40

アビームコンサルティング社 8月22日(木)16:30~17:40 中国法人の西安・グローバル開発センターを訪問、中野洋輔 総経理、Li Jun副総経理より地域経済産業の状況・政策につき説明を受けました。西安は中国西部開発の中心で、古都長安の面影を残しつつ中国第9位の都市(人口1,000万人超)に発展しています。かつては国防など特殊重工業が中心でしたが、高い教育水準(大学数は北京・上海に次ぐ)を背景にソフトウェア産業とハイテク科学技術が集積。ファーウェー、BYDはじめ内外大手企業が大規模拠点を設け、市政府の産学連携プロジェクトや「ハード&コアテクノロジー」を掲げるイノベーション政策で先端人材を呼び込んでいます。同社の事業では、衛星画像のAI解析を活用する店舗の売上予測、電子部品製造におけるスマート品質検査、「00后世代」(2000年代生まれ)の特性を意識した人材マネジメント等が紹介されました。

西安市政府 8月23日(金)9:30~10:20

西安市政府 8月23日(金)9:30~10:20 西安市人民政府を表敬訪問、王勇 副市長はじめ市科学技術局、投資局、ハイテク開発管理委員会、経済開発区管理委員会等の幹部と会合を持ちました。
最初に王副市長より歓迎の挨拶がありました。「西安は近年、奈良、京都、船橋と友好都市提携を結びました。日本の電子情報分野を代表するJEITAとも持続的な交流、特にハードテクノロジーイノベーション、科学技術人材教育、産業パーク構築等で連携を望みます。

西安市政府 8月23日(金)9:30~10:20 一帯一路は誰にでも開かれ、シルクロード鉄道では昨年12月に日本通運との連携で西安~ドイツを結ぶ列車が運行されました。西安では83の大学で130万人が学び、日本語を学ぶ学生も1万人を数え、人材面の貢献も可能です。」坂本委員長からは、中国内陸都市への注目、西安市の教育や科学技術への積極投資、特にAIを中心とした優秀な技術人材への期待、将来に向けた西安市との発展的な関係構築への希望が述べられました。

西安市科学技術局 8月23日(金)10:30~12:30

西安市科学技術局 8月23日(金)10:30~12:30 西安市科学技術局・李志军 局長の進行により、同局、経済開発区管理委員会、関連国有企業の幹部と会合を持ちました。経済開発区のビデオ紹介に続き、李局長より、「全国十大革新型都市」の一つである西安の大学教育・研究開発基盤と、市が進める「ハード&コアテクノロジー」の取り組みが説明されました。対象はAI、航空宇宙、バイオ、オプトチップ、スマートマニュファクチャリング、情報技術、新エネルギー、新材料の各分野。IT、電機、自動車など内外大手企業の研究開発チーム2.5万人が参画し、オプトチップで単結晶シリコンシート世界シェア40%、新エネルギーで単結晶シリコンチップ生産量世界トップ、新材料でアジア最大のシームレスチタン管生産、等の有力企業を生んでいます。日本のトップクラス大学との人材交流、産業団地への日本エレクトロニクス企業の参画、10月末の国際イベント「2019ハード&コアテクノロジー大会」へのJEITAの協力に希望が述べられると共に、経済開発区の担当者から投資環境の詳細が紹介されました。
なお、李局長はこの日の全行程に同行、他の訪問先でも流暢な日本語で適切なサポートをいただきました。

BYD西安社 8月23日(金)15:00~16:00

BYD西安社 8月23日(金)15:00~16:00 BYD西安社の新工場を訪問しました。市中心部から高速道路で約1時間、日本の工業団地全体に匹敵する敷地に多数の建屋が並びます。刘振宇 西安地区総経理の進行で幹部と会合、紹介ビデオを視聴し、事業の説明を受けました。BYDは2003年にバッテリーメーカーの子会社として深センに設立、バス、タクシーなど公共交通を軸にEVを拡大し、新エネルギー車の販売台数は4年連続で世界トップを占めます。日本でも京都、沖縄、福島にEVバスを納入、直近ではトヨタとEVの共同開発に合意しました。自動車に加え、モノレール、新エネルギー(ソーラー)、エレクトロニクス(IT端末、自動車用インテリジェントシステム、電子部品)の4事業を展開しますが、西安社では、さらに金融事業も手がけています。
工場は拡張中で内部は視察できませんでしたが、上海モーターショー2019で発表した新モデルをはじめ実車3台につき総経理みずから説明いただきました。

中国科学院 西安光学精密機械研究所 8月23日(金)16:40~17:40

中国科学院 西安光学精密機械研究所 8月23日(金)16:40~17:40 同研究所は1962年に設立された北西部最大級の科学技術研究機関で、戦略的なハイテクイノベーションと応用基礎研究にフォーカスしています。訪問した「光電子集積回路先導研究院(略称OEIC)」はその一部門で、オプトエレクトロニクス関連のベンチャー投資・インキュベーション機能を統合したものです(国家レベルのこの種機関としては中国初)。フィルム、リソグラフィ、テスト機器のプロセス処理、試作生産、さらにファイナンスや技術コンサルティング等を含むワンストップサービスを提供しており、10以上の国際的スタートアップ(光電子集積チップ、高出力レーザーチップ、光通信レーザーチップ、超低位相ノイズクリスタルオシレーター、世界初のSDI HDビデオ伝送チップ等)が巣立っています。今回はその中からFeixian Electronic Technology社(車載LIDARシステム、民生電子機器用3Dセンサー)と、Saphlux社(LEDやレーザーの高性能化を実現する半極性窒化ガリウム材料)が紹介されました。
最終日24日(土)は早朝から西安郊外の兵馬俑博物館を見学、西安空港より無事に帰路につきました。

今回の訪問にあたり、アビーム社についてはNEC関西支社様、その他については国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)傘下「中国総合研究・さくらサイエンスセンター」の周フェロー様、およびJEITA北京事務所に多大な協力をいただきました。