「デザイン」のプレゼンス
向上をめざして
-CEATEC 2019での取り組み-
2018年5月に経済産業省・特許庁が発表した『「デザイン経営」宣言』にもある通り、企業を動かし、イノベーションを巻き起こす原動力として、デザインへの期待が高まっています。
一方で「デザイン」というと、モノをデザインする、といったイメージを持つ方がまだまだ世の中には多くいます。しかし、デザインは今、色・かたちを作るという旧来の形に留まらず、ユーザとのつながりを追求するコミュニケーションデザインや、ビジネスそのものをデザインする考え方など、さまざまな広がりを見せています。
このようなデザインの広がりを示すべく、JEITAデザイン委員会はCEATECを通じた啓発活動を行いました。
学生向け特別企画「学生交流ラウンジ」への参画
CEATEC 2019では、史上初となる学生向け展示エリア「学生交流ラウンジ」が設置されました。本エリアでは、これからSociety 5.0時代を担う次世代のリーダーへ向けた企画が多数開催され、デザイン委員会もオープンステージにて学生向けの発信を行いました。
10月17日、18日に各1回、現役の企業デザイナーがステージに登壇し、デザイナーという仕事やデザイナーの役割の広がりについて熱く語りました。美術系の学生だけでなく工業系の学生の聴講者も多く、デザイナーという職種に対する幅広い注目度の高さが感じられました。
10月17日開催
企業の中にいるUI/UXデザイナーって何をしているひと?
~ 本人から実際の製品・サービス開発事例を聞いてみよう!~
近年、多数の企業で専門職として位置づけられるUI/UX(ユーザーインタフェース/ユーザーエクスペリエンス)デザイナーは、実際にどのような活動をしているのか。普段学生は知ることのできない業務内容や周囲からの期待について、3名の現役UI/UXデザイナーが実際の開発事例を通じ紹介しました。多数の学生が熱心に耳を傾け、講演後の質疑応答まで盛り上がりを見せました。
<講演内容>
- 「instax mini LiPlayのUIデザイン開発」
- 富士フイルム株式会社 デザインセンター
- 「Heart Guide[ウェアラブル血圧計]のUIデザイン開発」
- オムロンヘルスケア株式会社
- デザインコミュニケーション部
- 「業務用製品のUIデザイン開発」
- ソニー株式会社 クリエイティブセンター
学生からの質疑の様子
10月18日開催
社会を変えるキーワードは“デザイン”!国内大手メーカー18社に緊急インタビュー
~今、デザインが面白い~
国内大手メーカー18社の第一線で活躍する若手インハウスデザイナーが登壇し、デザイナーならではの仕事の醍醐味から、広がりを見せるデザイナーの活躍の場・デザイナーの持つ可能性など、生の声をインタビュー形式でお届けしました。学生はもちろん、多くの企業デザイナーや技術者、さらには企画部門の担当者などが来場し、デザインの可能性と重要性を広く発信するセッションとなりました。
<登壇企業>
キヤノン、コニカミノルタ、JVCケンウッド・デザイン、 シャープ、セイコーエプソン、ソニー、東芝、TOTO、 ニコン、日本電気、パイオニア、パナソニック、 日立製作所、富士通デザイン、富士電機、三菱電機、 リコー、レノボ・ジャパン
セッションの様子
第15回JEITAデザインフォーラムの開催
2019年10月18日(金)、CEATEC 2019の会場において「『デザイン経営』で日本の企業は変われるのか?」をテーマに、コンファレンスを開催しました。
講師として、『「デザイン経営」宣言』発信者でもある経済産業省クールジャパン政策課デザイン政策室の菊地拓哉氏、デザインを重要な経営資源として捉え活用しているヤマハ発動機株式会社の長屋明浩氏、デザインマネジメントのノウハウを活かし企業との共創を次々に成功させている株式会社エムテドの田子學氏を迎え、各講師によるリレー講演を開催しました。
菊地氏のデザイン政策動向紹介に続き、長屋氏からはヤマハが如何にデザインのプレゼンスを確立させ企業としての成長を実現したのか、田子氏からはデザインの持つイノベーション力とその実現方法について、それぞれ語られ、非常に充実した内容のセッションとなり、聴講者からも多くの好評の声があがりました。
<講演内容>
- 「『「デザイン経営」宣言』とその後の展開」
- 経済産業省
- クールジャパン政策課デザイン政策室
- 課長補佐・室長補佐:菊地 拓哉 氏
- 「イノベーションを起こす『アート力』経営デザイン」
- ヤマハ発動機株式会社
- 執行役員/デザイン本部長:長屋 明浩 氏
- 「デザインと経営の関係性」
- 株式会社エムテド代表取締役
- アートディレクター/デザイナー:田子 學 氏
左から菊地氏、長屋氏、田子氏
会場の様子