G20貿易・デジタル経済大臣会合
に向けた
官民ハイレベルラウンドテーブルの開催
2019年6月8, 9日、つくば市で「G20貿易・デジタル経済大臣会合」が開催されました。
これに先立つ6月7日に、JEITAはtechUK, ITI (US), DIGITALEUROPEとともに、このG20大臣会合に出席する日本、EU、米国、英国の政府代表の参加を得て、官民ハイレベルラウンドテーブルを開催しました。
これまでの取り組みと産業界共同提言
デジタル産業界共同提言 JEITAでは、デジタル分野の経済発展と貿易促進に向けて海外のカウンターパートとの連携を深めてきました。そして日本がG20サミットの議長国となる今年を節目の年として活動しています。なぜなら、日本のリーダーシップの下で開催されるG20サミットとその貿易・デジタル経済大臣会合は、デジタル社会の持続的発展に向けた取り組みについて国際的な議論の進展が期待できる非常に重要な機会になると考えたからです。そこで、まずは今年5月、G20有志国・地域の産業界とともに共同提言を公表し、デジタル産業界がG20において合意を期待する主要な論点を政府に向けて発信しました。この共同提言には世界から20団体が参加しました。
官民ハイレベルラウンドテーブル
次に、共同提言で提示した主要な論点についてG20での合意を促すため、G20での議論を主導する政府代表者と産業界による対話の場を設けました。それが、6月7日に開催した官民ハイレベルラウンドテーブルです。当日の概要をご紹介します。
主催者代表ご挨拶
JEITA遠藤会長による開会挨拶 主催団体を代表し、JEITA遠藤会長よりご挨拶いたしました。会長より、G20貿易・デジタル経済大臣会合は、日本が提唱するSociety 5.0の実現向けて取り組むべき課題について、諸外国と議論し合意を形成する重要な機会であるとして、同会合において、AI、DFFT:データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト、WTO電子商取引交渉についての議論が進展し、合意が形成されることへの期待を述べました。
各国政府の参加
このラウンドテーブルには、世耕経済産業大臣、アンシップ欧州委員会副委員長を始め、G20貿易・デジタル経済大臣会合の日米英欧政府代表に参加いただき、産業界の見解を直接届ける重要な機会となりました。
世耕経済産業大臣による来賓スピーチ
アンシップ欧州委員会副委員長
クレイチオス米国技術政策担当大統領副補佐官兼
米政府最高技術責任者
ジェームス英国デジタル・クリエイティブ産業担当閣外大臣
國重総務大臣政務官
産業界によるディスカッション
私たちデジタル産業界からは、共同提言の主要な論点である、セキュリティとプライバシーが確保されたデータの自由な流通の促進(DFFT: データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)、人間中心の責任あるAIの社会実装の促進、WTOにおけるデジタル分野の議論の場としての電子商取引交渉の早期開始について、政府代表に生の声を届けるとともに、官民で意見を交わしました。
AIセッションをリードする
techUKジュリアンCEO(左)とパネリスト
DFFTセッションをリードする
ITIカルマ―EVP(左)とパネリスト
WTOセッションをリードする
小田部前在ジュネーブ国際機関日本政府代表部
特命全権大使(NEC)(左)とパネリスト
閉会ご挨拶 - G20サミットに向けて -
冨田G20サミット担当特命全権大使による
閉会のご挨拶
G20サミットにて安倍総理シェルパを務められる冨田外務省G20サミット担当特命全権大使より、閉会のご挨拶をいただきました。
6月28日、29日に開催されるG20大阪サミットは、昨年のブエノスアイレスサミットから僅か6か月ということもありステークホルダーと十分な懇談が出来なかったが、それを埋めるものが今回の官民ハイレベルラウンドテーブルであるとして、感謝の言葉が述べられました。
そして、G20サミットは、DFFTを始めとするデジタル分野の議論の場であるとともに、デジタル課税、AI原則、電子商取引などの論点について、WTOでの交渉に結び付く火花としたいとの意欲が述べられました。
結び
今回の会合の成果として、主催4団体による共同声明を公表しました。声明では、AIの発展に向けた課題に利害関係者が協調して取り組むことを歓迎するとともに、自由なデータ流通における信頼性の概念のさらなる発展に向けて、関係者による議論を進めるよう求めました。
本ラウンドテーブルで議論された内容は、G20貿易・デジタル経済大臣会合およびG20サミットの成果文書に盛り込まれました。