関西支部 部品4委員会合同委員会・
新春特別講演会
支部部品運営委員会と傘下3専門委員会は、1月21日(月)に大阪の中央電気倶楽部で合同委員会・新春特別講演会を開催しました。合同委員会では、部品運営委員会の古橋健士 委員長(ホシデン(株)社長)より講演がありました。
「5Gや4K8K等の明るい材料が多い一方、Brexitや米中摩擦をはじめ課題も山積しています。JEITAによる2018年の電子部品グローバル出荷は2.4%増の見込ですが、受動部品の15.7%増に対し、接続部品、変換部品、その他は厳しい状況です。受動部品の日系シェアは50%を超えますが、2017~19年にコンデンサが伸長した一方、他はすべてシェアを落としましたし、市場規模の大きいコネクターのシェアは16%に過ぎません。コンデンサ頼みではなく各品目で力を発揮する必要があります。弊社では、車向けの取り組みを強め、Man Machine Interfaceに注力すると共に、新たなジャンルの開拓も進めてゆきます。
さて、今年のラグビー・ワールドカップから来年のオリンピック・パラリンピック、再来年はワールド・マスターズゲームズと、万博まで大きなイベントが続きます。テレビで見るのも結構ですが、実際に参加してみませんか?ボランティアを募るイベントも多く、マスターズは誰でも出場できます。目標ができれば、楽しく健康増進に取り組めるのではないでしょうか。」
特別講演会では、森 清 近畿経済産業局長より「日本の未来と関西経済」と題する講演をいただきました。
「米国経済は堅調ですが、中国は米中摩擦の影響だけでなく経済全体が冷えつつある様です。プラットフォーマーの課題が顕在化しつつありますが、わが国は中国のデータローカライゼーションに警鐘を鳴らし、G20では日米欧によるデータ経済圏構築を訴えてゆきます。経済産業省では、自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ、スマートライフの5分野に重点を置いて施策を進めています。IoT投資の抜本強化に向けて創設したコネイン税制は、大企業にも活用いただけます。また、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブで産業分野のデータ共有に向け標準化をめざします。
2025年の大阪・関西万博が決まり、関西の人口・GDP比は拡大が期待されます。中部、関東の製品出荷は、輸送機械が高シェアですが、関西は基礎素材型産業に強みがあります。関西の人口移動は15~19歳で入超ですが20~29歳で出超となり、大卒後の地域就職率も首都圏、東海におよびません。20~24歳の女性は入超なので、関西の企業様には、関東との処遇差を意識すると共に、20代女性の雇用維持もお願いします。高専・工業高校数も域内GDP比を下回り、対策が求められます。当局としても、関西で働くメリットを東京でアピールしてゆく所存です。生活コスト、通勤の容易さ等で、関西は東京圏より暮らしやすく、産業も医療・ヘルスケアをはじめ、消費者と接する領域に強みがあります。インバウンドも盛んですが、アジア主要地域への近さをさらにアピールしてゆかなければなりません。
当局で関西のベンチャーを調査した所1,090社を数えました。ベンチャーの活動を支援する関西ベンチャーサポーターズ会議や、SDGsを拡げる関西SDGsプラットフォームも推進しています。2025年まで大きなプロジェクトが続き、関西に注目が集まります。地域の課題を一緒に考えていただきたいと思います。」
グローバル競争の視点で関西経済を強める考え方・施策を詳しく説明いただき、大変有意義な講演でした。