「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」進捗報告
電機・電子温暖化対策連絡会では、「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」の5年目にあたる2017年度実績のフォローアップ調査結果を取りまとめました。
「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」の重点取り組み 2016年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、日本国内の温室効果ガス排出を2030年度に2013年度比で26%削減するという中期目標が掲げられる中、産業界では、経団連が中心となり2013年度より2020年および2030年に向けた「低炭素社会実行計画」を推進しています。電機・電子業界では、「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」に取り組んでおり、高効率な“ものづくり”を更に進化させるとともに、ライフサイクル視点でのCO2排出削減を視野に、以下の重点取り組みを推進しています。
(1)生産プロセスのエネルギー効率改善
- ・業界共通目標:エネルギー原単位改善率※1年平均1%以上の達成
- ・フェーズⅠ(2020年度):基準年度(2012年度)比で7.73%以上改善
- ・フェーズⅡ(2030年度):基準年度(2012年度)比で16.55%以上改善※2
(2)製品・サービスによるCO2排出抑制貢献
- 「排出抑制貢献量の算定方法確立※3と、毎年度の業界全体の実績公表」を推進
生産プロセスのエネルギー効率改善の進捗状況
生産プロセスにおけるエネルギー原単位改善率の2017年度実績は、基準年度(2012年度)比で20.49%改善となりました。
前年度から7.27ポイント改善となった主な要因は、半導体分野の大幅な改善(スマートフォン向け・車載向け半導体の増産による効率改善や、過去の新規工場立ち上げによる一時的な悪化から生産が軌道に乗ったことによる効率改善など)が牽引していると考えられます。
【エネルギー原単位改善率の推移】
製品・サービスによりCO2排出抑制に貢献
当業界は、製品・サービス等を提供することにより、社会のあらゆる部門における地球温暖化防止に貢献しています。
「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」では、代表的な製品・サービスについて、算定方法論を作成し、参加企業によるCO2排出抑制貢献量を定量的に把握して結果を公表することにしています。
製品・サービス各分野の2017年度のCO2排出抑制貢献量は右記の通りとなりました。
政府審議会での評価
2019年2月、産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会電子・電機・産業機械等WGにおいて、電機・電子温暖化対策連絡会上野議長(東芝)より報告を行いました。 審議会委員各位からは、長期的な削減取り組みとしてグローバル・バリューチェーンにおけるCO2排出量および削減貢献の可視化に対し高く評価いただいたとともに、IoT、AI、ビッグデータ等のイノベーションの効果への期待や、適宜目標を見直しながら良いPDCAサイクルを回していくことへの期待を示されました。
実行計画への参加のご案内
「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」には現在83グループ324社が参加いただいており、今後も、より実効性の高い計画となるよう、さらに多くの企業にご参加いただきたいと考えています。産業界全体で取り組む本実行計画に参加することで、温暖化防止への貢献を社会に広くアピールでき、特に製品・サービスによる排出抑制貢献量の算出は、自社製品・サービスのアピールにもなります。また、計画参加企業限定で、省エネ工場見学会などの企画を実施しております。「他社の省エネ活動を学び自社にも活かすことができる」と大変好評です。
参加企業には毎年度の調査にご協力いただきますが、省エネ法定期報告書データをそのまま活用できるツールをご用意し、調査入力の個別サポートも実施しています。是非、参加のご検討をお願いいたします。
- ■ 電機・電子温暖化対策連絡会 ポータルサイト
- 「電機・電子業界 低炭素社会実行計画」に関する情報(実施要領、参加申請、報告会資料等)は、こちらのサイトをご覧ください。(限定サイトへのID、パスワードがご不明の場合はお問い合わせください)
http://www.denki-denshi.jp/
- ■ 電機・電子温暖化対策連絡会 パンフレット
- 2018年11月にリニューアルして発行しました。
上記ポータルサイトからもダウンロードできます。
お問い
合わせ
TEL:03-5218-1054 (JEITA技術戦略部 環境担当:高山)
E-mail : tomomi.takayama@jeita.or.jp
【国内および海外市場における製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量(2017年度実績)】
電気冷蔵庫方法論改正(トップランナー基準等改正によるベースライン見直し)を踏まえ、2013~2015年度の貢献量を修正
- ・電機・電子業界「低炭素社会実行計画」で策定した方法論に基づき、参加企業の取り組みを集計・評価。
http://www.denki-denshi.jp/implementation.php - ・部品等(半導体、電子部品・集積回路)の排出抑制貢献量は、セット製品の内数として産業連関表に基づく寄与率を考慮して評価。
http://www.denki-denshi.jp/down_pdf.php?f=pdf2014/Guidelines_for_device_contribution.pdf
※1 省エネルギー法に準拠した、活動量(生産高・個数・面積等)当たりのエネルギー使用量の改善を示す指標。
※2 2020年度時点で、フェーズⅠ目標(7.73%)以上改善した場合には、フェーズⅡでは、2020年度を基準年度とし、以降年平均1%改善を継続することとしている。
※3 発電、家電製品、産業用機器、IT製品及びソリューションの計24製品の方法論を制定(2018年8月現在)。