活動報告
関西支部
Activity

12月度 関西支部運営部会講演

関西支部運営部会では12月5日(水)の部会に関西電力(株)より理事・営業本部副本部長の有吉 猛 氏をお招きし、「電力・ガス自由化と、関西電力のスマートライフへの取り組み」の演題でご講演いただきました。

最初に、電力・ガス自由化後の環境変化と関西電力における対応につき説明がありました。電力小売が平成28年4月に全国で、ガス小売が29年4月に3大都市圏で、それぞれ完全自由化された後、関西電力管内で電気を販売する事業者(いわゆる「新電力」)は130社を越え、熾烈な競争が続いています。同社では、電気とガスのセットメニューで地域最安値を打ち出されると共に、エコキュート、IHクッキングヒーター等の電化機器と割安な時間帯の電気を有効活用する料金プラン「はぴeタイム」を組み合わせるオール電化の訴求に力を注がれています。
他社との差別化に向け、電気の使用量・料金をWebで案内する「はぴeみる電」をプラットフォームに、ポイントやクーポンをはじめとする多様なサービス開発も進められました。IoT・AIの活用によるサービスでは、スマートリモコン・スピーカーによる「家電制御」や、スマートメーターの電気使用量データをAIで分析し生活リズムの異変を検知する「見守り」が既に実現しています。後者に合わせ、ホームセキュリティ会社との連携により、緊急時の「駆け付け」サービス(有料)も検討されています。
また、昨年はインテルによる家庭向け宅内IoTサービス実証試験「IoTライフプロジェクト」に参画されました。本年は、その成果を受けた新たな実証試験「スマートホームプロジェクト2018」を、インテル、エアウィーブ、ボーズ、あいおいニッセイ同和損保との協同で推進されています。遠隔操作にとどまらず、普段の利用状況の分析・学習に基づく高度な家電制御、エアコンの制御による熱中症の予防や快眠の促進、さらには安全運転の支援まで、幅広い社会課題の解決に向け、実証に取り組まれています。(こうした取り組みの一端は、CEATEC2018で10月18日(木)に開催されたコンファレンス「スマートホームからスマートライフへ~個人のライフデータ活用による新たな市場の夜明け~」でもご紹介いただきました。)
最後は、「電力インフラ企業の知見で開発できるスマートライフのサービスには限りがある。今後は、多様なパートナー様との連携による拡充に努めたい」と締めくくられ、この点を含めて熱心な質疑が交わされました。


会場の様子

今回は、部会に先立ち、特別企画として、経済産業省の「地域中核企業創出・支援事業」(近畿・中国)に選定された企業の内、豊中計装(株)より小谷勝也 社長にお出でいただき同社技術のプレゼンを行うと共に、他数社の技術についても、事業の受託者である(一財)ニューメディア開発協会の林 充宏 グループ長より紹介がありました。終了後の交流会も、こうした方々を含め、年末にふさわしく大いに盛り上がりました。