電機・電子4団体 生物多様性WG「Let's Try Biodiversity!(LTB)」が 生物多様性アクション大賞2018優秀賞を受賞
電機・電子4団体 生物多様性WGが2018年4月に発行した「企業が取り組むはじめての生物多様性Let's Try Biodiversity!(LTB)」が、「生物多様性アクション大賞2018」の「つたえよう」部門優秀賞を受賞しました。
電機・電子4団体 生物多様性WGの活動
電機・電子4団体(JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会、JEMA:一般社団法人日本電機工業会、CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会)環境戦略連絡会 生物多様性WGは、電機・電子業界における生物多様性保全活動の推進支援を目的として2011年5月に発足しました。
WGでは、生物多様性保全活動推進のための様々な取り組みを行っており、セミナーや勉強会を開催する他、ツールやデータベース、パンプレット等の各種制作物を幹事事務局であるJEMAのウェッブサイト通じて公開しています。
WGの主な制作物等
- 教育・啓発用ツール「Let's Study Biodiversity! (LSB)」(2014年)
- 「電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針」(2015年)
- 「生物多様性保全活動事例データベース」(2016年)
- 「電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針」 第2版(2018年)
- 「企業が取り組むはじめての生物多様性Let's Try Biodiversity! (LTB)」(2018年)
Let's Try Biodiversity!(LTB)
2015年度から、業界内の意見や活動状況を収集・把握し、WGの活動に反映させるため、4団体会員を対象としたアンケート調査を開始しました。アンケート結果からは会員企業の多くが生物多様性保全の取り組みを始めたいと考えているものの、具体的に何から始めればよいのかわからず、悩んでいる姿が浮き彫りになってきました。そこで、WGでは活動の手引きとなるわかりやすいツールが必要であると判断し、比較的簡単に取り組むことができる活動をピックアップし、その具体的方法を示した「企業が取り組むはじめての生物多様性Let's Try Biodiversity!(LTB)」を制作し、2018年4月に公開しました。
LTBは活動の目的や方法、ポイントなど、具体的に取り組みを進める際の参考となる情報をまとめており、「やってみたい活動」と「できる活動」の2つの視点から活動事例を検索できるように工夫されています。「事業所の生きものをしらべる」、「地域の生きものが利用できる場所をつくる」など、11の活動について、写真やイラストを多用してわかりやすく解説している他、「愛知目標との関連」と「SDGSとの関連」が一目でわかるようアイコンで示しています。
LTB掲載活動テーマ(目次より)
- 事業所の生きものを調べる
- 地域の生きものが利用できる場所をつくる
- 生きものがすめる場所をつくる
- 地域の在来種を利用する
- 外来種の拡大を防ぐ
- 資源を有効活用し持続的に利用する
- 緑と土にふれあう空間をつくる
- 地域と連携して生物多様性を保全する
- 消費で生物多様性を保全する
- 野外活動で生物多様性を学ぶ
- オフィスの中で生物多様性を学ぶ
また、LTBの活用を一層促進させるため、会員企業の生物多様性担当者を対象とした体験型のワークショップ「来て・見て・わかる 生物多様性保全活動実践説明会」を2018年中に3回開催しました。郊外の事業所敷地や都市の企業緑地など、毎回開催場所とテーマを変えて実施しています。
生物多様性COP14での活動アピール
2018年11月にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された生物多様性COP14のサイドイベントにWGとして参加しました。
UNBD-DAYには土田主査(エスペック)が登壇し、Business and Biodiversity Forumには宮本委員(富士ゼロックス)が登壇してLTBを中心としたWGの取り組みを国内外の参加者と共有しました。コンペティター同士の協働によるWGの活動は世界でも大変珍しいケースとして評価を得ました。
生物多様性アクション大賞2018優秀賞受賞
生物多様性アクション大賞は、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)主催による、「国連生物多様性の10年」の日本における広報活動の一環として2013年にスタートしました。「たべよう」、「ふれよう」、「つたえよう」、「まもろう」、「えらぼう」の5つのアクションを通じて生物多様性保全に貢献する活動を表彰するプロジェクトです。
WGが制作したLTBは生物多様性アクション大賞2018において「つたえよう部門」の優秀賞を受賞しました。
LTBの内容に加え、WGがCOP13・14のサイドイベントにも参加し、生物多様性条約やSDGsに積極的に参画している点や、LTBをウェブで公開することによる他業界への波及などにより、日本企業全体の生物多様性への取り組みをバックアップする、重要な役割を果たしている点が高く評価されました。
重複となりますが、生物多様性アクション大賞2018ウェブページには評価ポイントとして次のとおり掲載されています。
評価ポイント
業界における生物多様性の主流化を目的に、生物多様性保全活動を開始するハードルを下げようと、事業者に向けたわかりやすい手引書を作成・配布しています。ツールのなかで愛知目標やSDGsとの関連を示しているほか、COP13・14のサイドイベントにも参加し、事例を発表するなど、生物多様性条約やSDGsに積極的に参画している点も高く評価されました。本ツールをウェブで公開することで他業界への波及も始まっているなど、これらの活動を通じて、日本企業全体の生物多様性への取り組みをバックアップする、重要な役割を果たしていると言えます。
おわりに
生物多様性に関する取り組みを、単なる社会貢献活動としてではなく、事業活動の一環として継続的に実施することは、SDGs達成への貢献やステークホルダーからの信頼の獲得など、企業価値の向上にも結びつくものと期待されています。
LTBが、会員各社はじめ、生物多様性の取り組みを始めようとする多くの企業の一助となれば幸いです。