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環境セミナー2018

関西環境対策委員会では、3月6日(火)に大阪の中央 電気倶楽部にて「環境セミナー2018」を開催しました。 グローバルに広がる製品含有化学物質規制にどう対応す べきかという視点で、「化学物質規制の最新動向」をメイ ンテーマに3講師による講演と全体質疑が行われました。

世界の化学物質規制の
最新動向について
~欧州における法規制を中心にして~

( 株)島津製作所 地球環境管理室 小林清人マネー ジャーより講演がありました。EUのRoHS(電気電子機 器に含まれる特定有害物質の使用制限)について、歴史、 目的、適用範囲等、概要説明の後、要求の内容、適用除 外、適合宣言(CEマーキング)、さらには改正の動向に ついて、最新の情報が提供されました。またREACH(化 学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則)に ついても概要説明の後、SVHC(高懸念物質)の追加等、 最近の状況について解説されました。

製品含有化学物質管理
ガイドライン
第4版について

みずほ情報総研(株)環境エネルギー第2部の菅谷隆夫 シニアマネージャーより講演がありました。最初に、わ が国における管理ガイドラインの変遷が紹介された後、 JIS Z 7201「製品含有化学物質管理-原則及び指針」の 2017年改訂版について、位置づけ、検討方針、改訂の ポイント等が説明されました。JISを実践するための「製 品含有化学物質管理ガイドライン」も11団体が改訂に参 画し、第4版が発行直前でした。セミナー当日には間に 合いませんでしたが、そのポイントを具体的に説明いた だきました。

化学品管理と情報伝達

最後に、サプライチェーンの川上として、リスク最 小化に積極的に取り組まれている(一社)日本化学工業 協会の石井一弥 常務理事より、特別講演がありまし た。2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議 (WSSD)で「化学物質管理に関する長期目標」(WSSD 目標)が2020年に向けた国際公約となりました。この 達成に向け、国際化学物質管理会議が「国際化学物質管 理戦略」(SAICM)を策定、各国はこれを踏まえて2020 年までに化学品政策の見直しを進めています。サプライ チェーンでの情報伝達やリスクアセスメントに関わる最 近の状況等についても、広く情報提供いただきました。

いずれの講演も、規制の歴史的背景や意義を含め、わ かりやすく説明いただきました。今回は大ホールを使用 し、初の試みとして45分間の全体質疑応答を行いまし た。現状の課題やその解決に向けての質問に、講演者も 真摯に回答いただき、手応えがありました。参加は120 名強で、アンケートでは、好意回答(大変よかった、よかっ た)が88%を占め、各講演はもちろん全体質疑も非常に 好評をいただきました。