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関西支部・部品4委員会合同委員会
新春特別講演会

関西支部の部品運営委員会および部品3専門委員会(新分野・異業種研究、一般部品、変成器)は、1月22日(月)に大阪の中央電気倶楽部にて合同委員会ならびに新春特別講演会を開催しました。

澤村部品運営委員長年頭挨拶

澤村部品運営委員長年頭挨拶

合同委員会では、部品運営委 員会の澤村 諭 委員長(ローム (株)代表取締役社長)より「年 頭挨拶」として講演をいただき ました。「直近の各所の統計によると、2017年の世界 経済は前年比+3.8%、18年も+3.9%が見込まれます。 17年10月の電子部品出荷は+12.4%、同月の半導体 も+21.9%でした。セットや自動車も堅調、設備投資 も活発な中、17年の電子部品世界生産は24.2兆円(+ 9.2%)、日系は9.16兆円(構成比37.8%)。18年も世 界3.8%、日系4.3%の拡大が見込まれます。

車載関連は24年までにxEVとADASが大きく伸びま す。内燃機関車の規制強化で、ドイツ3社もEV化に舵を 切り、今後も2桁成長が続くでしょう。自動運転ではア ウディが17年10月にレベル3を発売、GMは19年にレ ベル4を量産、BYTON(中国新興OEM)もCESでレベル 3を発表する等、取り組みが進んでいます。ADASの搭 載率は20年に生産台数の6割に近づきます。センサーで は、カメラ、ミリ波レーダー、超音波に3D LiDARが加 わり、金額も拡大します。

本年のCESで、ロームはSiCの車載インバータ(重量 6kg、体積43%削減)を出展、搭載車は「フォーミュラ E」で2位に入賞しました。世界最速パルス制御電源ICや、 機能安全に対応するコックピット用チップセットも好評を得ました。トヨタのモビリティプラットフォーム事業 進出が話題を集める等、今後もxEVと自動運転の流れに 注目する必要があります。」

JETRO大阪本部・
曽根本部長ご講演

JETRO大阪本部・曽根本部長ご講演

続いて、日本貿易振興機構 (JETRO)の曽根一朗 大阪本部 長より「日系企業の対米投資の 現状と第4次産業革命に伴う新 たなビジネス」と題する講演がありました。同氏は米国 駐在が長く、2013年から4年間はシカゴ事務所長とし て「デトロイト3」(GM、フォード、クライスラー)と日 本企業の連携強化等、先端製造業における日米企業の関 係強化に尽力された方です。

「日本は製造業・R&Dで最大の対米投資国で、日本の 技術・サプライヤーなしに米国製造業は立ち行きません。 JETROでは近年、日系サプライヤーと自動車大手を結 ぶ“本社商談会”を行っています。デトロイト3が技術分 野を指定し、JETROが納入候補先を探す仕組みで、研 究開発・生産部門に直接アクセスでき、多くが成約に至 ります。

米国のGDPは中国の1.7倍、日本の3.8倍( 16年)、輸 出は13年以降4年連続で世界最大。景気拡大は8年にわ たり、個人消費も堅調です。日本の対米直接投資は08 年比で約8割増。在米日系企業による直接雇用は86万人 に上り、製造業の雇用は国別で最大、R&D投資もG7中 で最大規模です。日系企業では、グローバル戦略の一環 (特にR&Dや輸出の拠点)として進出するトレンドが強 まっています。

シカゴのある中西部は日系企業が多数進出し、ペンス 副大統領(元インディアナ州知事)、ハガティ駐日大使(元テネシー州経済開発長官)はじめ、多くの幹部がその貢 献を評価しています。「ものづくり」の価値観が日本と共 通しており、そこから「KIZUNA」が生まれる、等の発 言もあります。」

最後には、今後の米国ビジネス拡大に向けたアドバ イスとして、①R&D連携では地方の有力大学にも注目、 ②製造拠点は全米各州に広がっている、③米国企業との ビジネス開拓には、現地人の責任者に日本人が同行する 体制が重要、とのコメントがありました。

終了後の懇親会も含めて情報交流が行われ、有意義な 会となりました。