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2022年 年頭所感

 

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
会長 綱川 智

会長 綱川 智

 年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2021年はウィズコロナ、ポストコロナを見据えた、新しい社会活動や生活が定着した1年となりました。デジタル技術の活用が社会のさまざまな場面で一気に進展し、働き方や暮らしは劇的に変わりました。電子部品やデバイス、電子機器やITソリューションをはじめとするエレクトロニクス産業は、この新しい社会を縁の下で力強く支えています。

 現在、新型コロナウイルス感染症を契機としてデジタル化が想像を超える勢いで進展しつつありますが、次のデジタル化の地殻変動を起こす要因になるのは「カーボンニュートラル」に他なりません。CO₂の削減は、ビジネス環境を大きく変えていきます。いま世界中で打ち出されているカーボンニュートラルの実現に向けた動きは、人類と地球環境の未来に向けた取り組みであると同時に、企業にとってはグローバル市場での選別や金融資本市場からの格付けを意味するものであり、これに対応できなければ事業の継続が困難になるといっても過言ではありません。CO₂削減量の提示の仕方や算出方法などについて、世界各国で共通ルールの策定に向けた動きが本格化するなか、日本の産業界がプレゼンスを発揮していくためには、デジタル技術を活用してエネルギーの全体最適を図るという産業の枠を超えた取り組みを海外へ示していくことが必要であると考え、当協会は、昨年10月に「Green x Digitalコンソーシアム」を立ち上げました。デジタル技術を提供する側と使う側の双方の企業、80社以上が集い、国際的なルール形成に乗り出しています。次の時代を見据え、日本そしてグローバル市場でビジネスを展開していくための事業環境整備はもちろん、デジタル技術を活用したさらなる市場創出にも取り組んでまいります。

 先行きの不透明感は和らぐ兆しがあるものの、まだまだ感染防止の取り組みが必要であることは言うに及ばず、経済成長と課題解決を両立する豊かな社会の実現に向けたアクションをより加速させていくことが求められます。JEITAは「Society 5.0の実現を支える業界団体」として、社会のデジタルトランスフォーメーションの一翼を担う責務を果たしていきたいと考えています。

 2022年がわが国のさらなる飛躍の年になることを心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。