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第15回JEITA会長賞受賞者

受賞者: 情報・産業システム部会/制御・エネルギー管理専門委員会/WG1:連携制御
テーマ:「JEITAにおけるASEAN諸国(産官学)への低炭素技術(RENKEI Control)の普及と人材育成」

省エネ技術である「連携制御」に関する人材育成ならびに普及活動をグローバルに行い、脱炭素社会の実現に資する省エネ技術の利用促進とともに、国際会議等での積極的な情報発信、「連携制御」を実現する機器・サービスの市場形成の足掛かりを構築した。同WGの行った活動は、ビジネス主導による脱炭素イノベーションの推進に貢献した。

JEITA会長賞受賞に寄せて
(情報・産業システム部会/制御・エネルギー管理専門委員会/WG1:連携制御)

この度、このような素晴らしい賞をいただき、たいへん光栄に存じます。三年間に亘り、ASEAN諸国への連携制御普及活動を続けてこられたのも、ご支援頂きました参加企業やJEITA事務局の皆様、またご配慮いただきました関係者皆様のお蔭と、心から感謝し、御礼申し上げます。

WG1:連携制御 ご紹介

私達は現在、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の制御・エネルギー管理専門委員会傘下にあるワーキンググループ1(WG1:連携制御)での活動において、産業社会における省エネ制御(連携制御)技術の調査・検討・広報/提言を行っております。(2023年度現在、WG1参加企業は、アズビル株式会社、株式会社荏原電産、富士電機株式会社、三菱電機株式会社、横河電機株式会社の5社(五十音順)で、アドバイザーに早稲田大学、一般財団法人省エネルギーセンターを招聘し、活動中)。

(左から、藤林 晃夫((一財)省エネルギーセンター)、LEE PEOY YING(アズビル(株))、池山 智之(横河電機(株))、渡辺 拓也(富士電機(株))、鎌田 健一(横河電機(株))、鈴木 康央(アズビル(株))、笹木 誠((株)荏原電産)、(三浦 守(JEITA事務局))右上:天野 嘉春(早稲田大学)、松井 哲郎(富士電機(株))、右下:末吉 一雄(横河電機(株)) 以上、2022年度/WG1:連携制御 委員各位(敬称略))及び事務局
(左から、藤林 晃夫((一財)省エネルギーセンター)、LEE PEOY YING(アズビル(株))、池山 智之(横河電機(株))、渡辺 拓也(富士電機(株))、鎌田 健一(横河電機(株))、鈴木 康央(アズビル(株))、笹木 誠((株)荏原電産)、(三浦 守(JEITA事務局))
右上:天野 嘉春(早稲田大学)、松井 哲郎(富士電機(株))、右下:末吉 一雄(横河電機(株)) 
以上、2022年度/WG1:連携制御 委員各位(敬称略))及び事務局

ASEAN諸国に対して、連携制御の普及活動・人材育成

日本を含め世界各国が、2050年カーボンニュートラル(CN)を目指し、様々な施策を実施する必要が高まっております。日本の優れた省エネ技術の導入は、諸外国においても有効なCO2削減施策となり、日本企業が国外での省エネ事業・支援を進めていく機会となっております。このような状況の中で、経済産業省提案のもと、2019年にASEAN+3のエネルギー大臣会合でCEFIA(Cleaner Energy Future Initiative for ASEAN)の実施が合意されました。このCEFIAフラッグシッププロジェクトのうちの1つとして連携制御が採用され、ASEAN諸国への普及活動を実施しております。

CEFIA フラッグシッププロジェクトの体制:

2020年度から2022年度にかけて、連携制御による効率的なCO2削減方法と、そのためのインフラとしてのFEMS(Industrial Facility Energy Management System)の重要性を、ASEAN諸国に在籍する学生、企業(プラント従事者)、ASEAN諸国の政府関係者に啓蒙してきました。また、東南アジア各国の公官庁や大学機関と連携を密にして、連携制御を普及するためのステークホルダーとの信頼関係を構築し、一過性ではなく、継続した活動環境を整備することを心がけてまいりました。

主な活動実績

  • ASEAN学生向け教育プログラムを作成し、タイ、インドネシア、ベトナムの大学生に対して、リモート講座を実施。
  • 泰日経済技術振興協会(TPA)主催のプラントエンジニアを対象とした講演会で、連携制御やFEMSに関する講演を実施。
  • JEITA主催で、連携制御に関するウェビナーを実施。
  • COP26 Japan Pavilionで日本の低炭素技術として、連携制御を紹介。
  • 国際会議(ASEAN Centre for Energy(ACE)主催など)での連携制御に関する普及講演。
  • 連携制御普及のためのFEMS国際標準規格開発と、FEMSの講演。
  • ASEAN諸国にある大学機関と共同で連携制御によるCO2削減ポテンシャル調査を実施。年間約500万トンのポテンシャルを確認。
  • フィージビリティスタディを3件実施した。年間15万トンのCO2削減を推定。

タイ・チュラロンコン大学では、連携制御に関するe-Learningが開講されました。さらに他の東南アジア諸国にある大学機関においても、タイ・チュラロンコン大学と同様の開講計画しております。ASEAN諸国で自立した連携制御に関する人材育成が広がっていることは喜ばしいことでございます。

2020年度~2021年度の2年間はコロナ禍と重なっており、オンラインツールを活用したウェビナー等リモート対応となっていたが、コロナが収束しつつあった2022年度末にASEAN諸国のCEFIA活動に関連するステークホルダーへの訪問を実施し、有意義な意見交換を重ねております。今後とも継続してステークホルダーとの連携を深め、更なる普及活動を推進して参ります。

今回受賞した会長賞は、当該ワーキングに参加頂いている各社の皆様やご支援頂いている企業の皆様と一緒に表彰されたものと考えております。今回の受賞を糧に、引き続き微力ながらも当業界の人材育成に貢献していく所存でございます。

略歴:情報・産業システム部会/制御・エネルギー管理専門委員会/WG1:連携制御

2006年、制御システム専門委員会の省エネルギー制御技術ワーキンググループ/WG1として発足。主に日本国内の産業界に対し、連携制御による省エネについて、適用方法、評価方法などの調査・検討・広報を実施。2019年度から、ASEAN諸国への普及活動を開始。

ホームーページ:

(産業システム事業委員会)
https://home.jeita.or.jp/indusys/

(制御・エネルギー管理専門委員会(WG1:連携制御))
https://home.jeita.or.jp/indusys/seigyo-subcomi/