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部品運営委員会
「中国香港・深セン開催」

支部部品運営委員会(委員長:ホシデン(株)古橋健士 社長)は、毎年恒例の「グローバル開催」を、本年度は中国香港・深センで実施しました。8月23日(木)~24日(金)に下記各機関・社を訪問、25日(土)には、委員各社の現地責任者を交え、深センで定例委員会を開催しました。

JETRO香港事務所 8月23日(木)16:20~18:10

JETRO香港事務所 8月23日(木)16:20~18:10香港都心の同事務所を訪問、所長の伊藤亮一氏、次長の中井邦尚氏より「深セン・香港のイノベーション動向」並びに「中国における経済・政策・ビジネス環境」についてブリーフィングを受けました。
JETROでは、内外スタートアップ企業を対象に双方向の投資拡大を図る「グローバル・アクセラレーション・ハブ事業」を展開しています。この事業から得た最新情報も織り込みつつ、深センのハードウェアサプライチェーンの状況、Seeed Technology社並びに深セン清華大学研究院の概要、香港と深センの産業・文化的な差異等を教示いただきました。

香港・マカオ・広東省のインフラ連携、市場一体化に向け高速鉄道・橋梁の新設等を進める「ベイエリア計画」、さらに中国マクロ経済の状況も含めて詳しく説明いただき、活発な質疑が行われました。各訪問に先立ち、地域の最新状況を理解することができました。

Seeed Technology社 x.factory 24日(金)9:20~11:30

Seeed Technology社 x.factory 24日(金)9:20~11:30深セン市南山区の同社施設x.factoryを訪問、CEOのEric Pan氏、日本法人社長の坪井義浩氏をはじめ幹部より同社の事業・技術・製品を紹介いただくと共に、施設を見学しました。
同社は、メイカーズ(ハードウェア製造を手がける起業家)や大手企業の評価用基板ニーズに応え、従来の製造業では不可能な小ロット・短納期で電子機器基板を製造・供給する一方、工房「Makerspace」を設置・運営し、メイカーズの活動支援に取り組んでいます。x.factoryはその一大拠点で、世界中からメイカーズが集まり、プロトタイプを作成しつつ地域サプライチェーンとの関係を構築しており、有望な事業者には資金的な支援も行われます。
生活・産業のあらゆる場面にIoT技術によるソリューションを浸透させるべく、基幹技術をモジュール化して提供、デザインもアート性を重視する等、メイカーズ・コミュニティの活力を存分に引き出しています。俊敏な開発・生産力とオープンな技術プラットフォームを有する同社との連携は、電子部品事業にとっても大変魅力的で、有意義な視察となりました。

深セン清華大学研究院 24日(金)13:30~15:30

深セン清華大学研究院 24日(金)13:30~15:30同研究院は、中国のMITとも呼ばれる清華大学の傘下組織です。学問研究に留まらず、事業化に繋ぐことを方針に掲げています。有望技術の発掘・研究に加え、傘下の投資会社/アクセラレーターである「LEAGUERグループ」と連携し、スタートアップに対する技術・資金の支援も行います。今回の訪問・面談はJETRO大阪本部、並びにJETRO広州事務所・部長Zhan Linhe氏の支援を得て実現しました。
最初に、同院の活動を紹介するショールームに案内され、項目経理のZhao Jingjing氏より、同院の組織体制と運営、取り組んでいる技術・プロジェクトについて説明を受けました。
続いて、研究院幹部(院長助理)のShi Lei氏と会談、研究院設立の経緯、深セン市政府との連携による活動方針、さらにEVをはじめとする注目分野への取り組み等、多様な質疑が行われました。
中国は、先端的なIoT・ICTを活用する新規サービスの展開において先行しており、起業数も莫大です。今回は、大学の人材・技術・資金力をスタートアップの創出・支援に結び付ける仕組みについて大きな知見を得ることができました。


アリババ社 阿里中心 24日(金)16:00~18:10

アリババ社 阿里中心 25日(金)16:00~18:10アリババ社(本社は杭州)と協業関係にあるソフトバンク(株)の清水執行役員様、爲房統括部長様(いずれも支部運営部会委員)のご尽力により、同社の深セン地域におけるビジネス戦略拠点「阿里中心(アリ・センター)」を訪問しました。Eコマース、金融、モバイルなど、アリババグループの多様な企業群が拠点を構え、若く優秀な人材(平均年齢29才)が集まっています。
長尾専務理事からのJEITA紹介、古橋委員長からの代表挨拶の後、アリババとソフトバンクの合弁であるSBクラウド社CEOの内山 敏 氏より歓迎の挨拶がありました。
続いてアリババ社 DirectorのAdam Liu氏より同社クラウドIoT事業の紹介、また、CTOのChen Chen氏(アリババ社Senior Architect兼務)よりクラウド市場の動向、同社クラウド事業の取り組み事例を中心にプレゼンテーションがあり、セキュリティ、パフォーマンス等、技術とビジネスの双方にわたる質疑が活発に交わされました。

上記いずれの企業・研究院においても、中国の若く優秀な人材が、多様な企業・起業家とグローバルに連携しつつ、事業をスピーディに展開しており、日本のものづくりとの差異を見せつけられた印象を持ちました。深センの街自体も、斬新なデザインの高層ビルが続々と建設され、起業を目指す若者の活気に溢れています。まさに中国の今、深セン・香港のパワーを実感する視察となりました。