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プレスリリース

2008年5月22日

第12回世界半導体会議(WSC)の結果について

(社)電子情報技術産業協会

5月22日、台北にてWSC(World Semiconductor Council:世界半導体会議)のミーティングを開催、日本、欧州、米国、韓国、チャイニーズ台北、中国の6極の半導体企業22社のトップが参加した。

1996年8月の日米半導体協定の終結を受けて、既にグローバル化していた半導体のビジネスを反映して、二極間ではなく、多極間の場で世界の半導体業界の共通問題について協議することが必要との認識に基づき、日米業界でWSCの設立に合意、1997年4月に日米欧韓の半導体業界が参加してWSCの最初のミーティングをハワイで開催してから、今回で12回目、台北での開催は初めてとなる。

今回は、前回に引き続き、半導体業界に関わる@環境問題、A知的財産権問題、B関税及び原産地表示問題について協議した。また、半導体が省エネルギーをはじめとして、環境保護に重要な役割を果たしていることを再確認し、5月29日に東京で開催される「グリーンIT国際シンポジウム」に積極的に参加、WSC議長のフランク・ファン氏(力晶半導体=Powerchip Semiconductor会長)がWSCを代表して、「半導体産業の省エネ貢献とグローバル環境保護活動(The Semiconductor Industry Contribution to Saving Energy and Protecting the Global Environment)」と題するプレゼンテーションを行うことが正式に承認された。

日本側代表として出席した東芝・室町専務は、「経済の先行きが不透明であるにも拘わらず、世界の半導体業界が環境問題、知的財産権問題などに積極的にコミットしていくことが確認できた。また、省エネルギーなど環境問題における半導体の貢献は大きく、WSCとしての『グリーンIT国際シンポジウム』への参加をはじめとして、各極とも協調して社会的に半導体産業の重要性について理解を得るよう活動を継続していきたい」と語っている。

今回のミーティングは、世界的な景気後退の懸念の中で開催されたもので、ドル安ユーロ高など大幅な為替変動に対する懸念が欧州業界から表明された。


WSCにおける主要な協議結果は、下記のとおり。

1.知的財産権の保護:

 半導体製品の模倣品が増大し、被害が深刻になっているため、模倣品対策をより強化することを再確認した。また、ソフトウェアの特許による保護の重要性についても議論し、保護の拡充を求めていくことになった。

2.環境対策:

2010年まで10%の削減を目標としている地球温暖化係数が高いPFC(パーフルオロコンパウンド)の排出削減について、目標達成に向けて努力していくことを再確認した。また、中国にも早期に参加するよう要請した。

3.MCP関税撤廃:

MCP(マルチチップIC)の関税撤廃はWSCの最大の成果で、2006年4月から、中国を除く5極で施行されているが、中国もMCP無税化協定に早期に参加するよう要請した。また、複数のICの組み合わせに限らず、ICと一般電子部品や半導体素子が組み合わせられた新しいMCPが次々と製品化されており、こうした製品も最終的に同様の扱いとなるよう各国政府へ要請していくこととなった。

4.)原産地統一ルール:

原産地ルールが国・地域で異なっていることは、半導体貿易の拡大にとって阻害要因となっており、統一したシングル・ルールの重要性を強く認識している。現実として、複数の規則に対応が困難なため、少なくとも原産地表示義務の免除を各国政府に要請することで合意した。

WSCでは、今回の結果として共同声明(英文)を採択した。追って、日本語版含めて当協会のWeb(http://www.jeita.or.jp)に掲載する。

次回は、2009年5月に北京にて開催する。

以 上


(参考)

  1. 日本側の半導体企業出席メンバー:
    室町 正志
    (株式会社東芝 執行役専務・電子デバイス事業グループ分担)
    藤井  滋
    (富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 副社長)
    伊藤  達
    (株式会社ルネサステクノロジ 代表取締役会長&CEO)
    中島 俊雄
    (NECエレクトロニクス株式会社 代表取締役社長)
    内田 博文
    (松下電器産業株式会社 半導体社プロセス開発センター所長)


  2. WSCのWeb:http://www.semiconductorcouncil.org/


 



 
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