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プレスリリース

第8回「世界半導体会議(WSC)」共同声明の概要

(社)電子情報技術産業協会


    5月13日(木)、韓国・釜山にて韓国半導体産業協会(KSIA)の主催にて「世界半導体会議(WSC)」第8回会合が開催され、日米欧韓台5極の半導体業界首脳が出席(別紙参照)、半導体産業の健全な発展と国際協力の促進に向けて、世界の半導体産業が直面する課題について意見交換し、共同声明を採択した。以下はその概要である。

    1.WSCへの中国の参加
    WSCは引き続き、中国半導体行業協会(CSIA)の参加を求めることで一致、2004年9月に開催される半導体に関する政府/当局会合までにCSIAがWSCへ参加することを希望する。

    2.世界的な環境保護への協力
    半導体産業は地球環境の保護に多大な貢献をしており、WSCメンバーも一層の進展に向けて積極的に協力している。WSCでは、PFC排出削減、省エネルギー、化学物質の管理について協議し、一層の協力と進展を目指すこととなった。この他、2004年9月までに環境・健康・安全に関する実現可能な数値目標を明確にする作業をタスクフォースへ委託した。また、世界的に影響のある規制として、EUの化学品政策(REACH)と有害物質規制(RoHS)指令のレビュープログラムについての報告がなされた。

    3.自由で開放された市場
    政府/当局は知的財産の全面的な保護、政府施策・規則の完全な透明性、全ての市場における外国製品への差別撤廃、技術移転を条件とした投資制限の撤廃を保証すべきであるとの原則を確認、情報技術協定(ITA)への加盟を促進することで一致した。

    4.全ての製品に対する内国民待遇
    中国の増値税(VAT)では全ての半導体に17%のVATが課せられるが、中国国内の半導体設計・製造企業の場合、支払ったVATからある条件のもと還付金を受け取ることが出来るため、実質的なVAT負担は3%となっている。WSCは中国に対して全ての半導体に対するVATを3%に引き下げるよう求め、2003年11月に開催された半導体に関する政府/当局会合へ提起した。米国はこの問題を解決するため、2004年3月にWTO提訴に踏み切つたが、WSCでは早期に解決がもたらされることを要請する。

    5.知的財産の保護
    WSCは知的財産の保護について、一部の国では依然として効果的な保護がなされていないものと考えており、効果的な保護を求めるためにタスクフォースを設置、2005年の会合で報告するよう求めた。また、ICのレイアウトデザインが模倣されているケースが増加している点に鑑み、先行して取り組んだテーマとして、WSCは「レイアウトデザインの知的財産に関するWSCの方針」を採択、この提言を2004年9月の半導体に関する政府/当局会合に提出することとなった。

    6.技術規格
    WSCは技術関連の規制を設定するに当たっては、基本的に業界がリードし、ボランタリーでTBT協定等WTOルールに合致したものである必要がある。規格を義務付けた場合は、以下を提言する。

    1. 国際貿易に対する不必要な障害を設けないこと。
    2. 規格を制定するに当たり、知的財産権が侵害されないこと。また、規格へ適合させることのために技術移転を義務付けないこと。
    3. 内国民待遇を損うような規格とはしないこと。
    4. 規格の適合に当たり、現地調達・現地パートナーの採用、技術移転などの条件を付けないこと。

    WSCは中国政府が上記原則に反する無線LAN暗号化の規格制定を無期延期したことを歓迎する。

    7.法規制問題
    世界各地で半導体等先端技術製品が様々な規制の対象となっている。規制は非差別的かつ科学的根拠や公開された技術情報に基づくもので、WTOルールに則り最低限にすべきである。

    8.その他
    半導体市場の分析、半導体国際ロードマップへの支援、最先端リソグラフィ技術についての世界的な協力の推進について報告と提案があり、タスクフォースで検討することとなった。

    9.政府/当局への報告
    WSCの結果については、関連した提言と共に2004年9月にベルリンで開催されるWSC代表者と政府/当局との年次会合に提出される。

    次回は来年5月、JEITAの主催により日本で開催される。

以上

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