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その他の発表

庄山会長 年頭所感

社団法人 電子情報技術産業協会
会長 庄山悦彦

 

― ものづくりの大切さを再び ―

 年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、全世界に大きな衝撃が走った年でありました。9月以降、米国が起点となった“金融危機”が全世界に急速に波及し、実体経済に甚大な影響を与え、米欧をはじめとする先進諸国の景気は大きく後退しました。同時に、中国などの新興国の景気にも急ブレーキがかかっています。
 今回の世界金融危機の広がりによって、世界経済の連動性や相互依存の強さがあらためて確認されました。今後、世界経済は、米欧日を筆頭とする先進国が強力にリードする時代から、新興国や途上国を含む多極化が加速していく時代へとシフトしていくと思われます。 経済や通商をはじめ、さらには、地球環境への対応などに至るまで、今後は益々、国際連携に基づいて取り組む案件が増え、世界の多くの国との協調が不可欠となっていくのではないでしょうか。
 さて、日本の経済情勢は、金融機関におけるサブプライム関連の損失が比較的少なかったと言われるものの、金融危機がグローバルに与えた影響の波にのみ込まれ、景況が悪化、厳しい局面を迎えています。加えて、株価の低迷や円高の進行もあり、今後の展望が不透明な状況にあります。
 しかしながら、日本は、優れた技術をもとに、優れた製品を作ることで成長してきた国であります。我々、IT・エレクトロニクス産業も、日本の強みである“ものづくり”の大切さを各社が堅持し、日々、研鑽努力することで、この難局を乗り越えて行くべきです。
 そして、環境への配慮を伴った革新的技術を追求することで生み出された優れた製品をベースに、新たな価値やサービスを提供していくことが、国際的な産業競争力の要になるものと考えます。
 さて、今年のJEITAの主な活動についてご紹介します。
 まずは、JEITAが中心となり昨年発足したグリーンIT推進協議会ですが、日本の優れた環境技術を、対外的に積極的に情報発信していくことで、国際的イニシアティブをとるよう心がけ、地球温暖化防止への寄与、低炭素社会の実現に向けて、より大きな成果を見いだせるようにしたいと考えます。
 また、2011年7月開始と間近に迫った“地上デジタル放送”の普及・促進に関しては、知的財産権保護に配慮をしながら、機器の充実をはかるとともに、関係方面との連携・協力を密にし、広く普及が行き渡るために幅広い努力を行って参りたいと考えます。
 そして、忘れてはならないのは、日本の優れた技術を継承・発展させるためには、人材の育成が最も重要であるということです。日本の未来を創造するためにグローバルに活躍できる人材育成に向けてしっかりと継続して取り組んで参りたいと思います。
 JEITAが取り組む活動は、まだまだ数多くありますが、今後もしばらく混沌とした世界経済情勢が続くと予想される中、“ものづくり”の大切さを認識しながら、革新的なIT・エレクトロニクス技術や、優れた製品、新たなサービスを提供すること、そしてまた、それらによる変革、環境への貢献を通じて、広く社会に貢献できると信じて活動して参ります。
 2009年が皆様とご家族にとってよき年となることを心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

 
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