ideathon

アイデソン・プレ講座を開催しました!

1. 実施概要

1.1 背景と目的

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)ソフトウェア事業戦略専門委員会では、わが国のIT関連産業のグローバル市場における競争力を高めるために、情報利活用の現状や課題等について調査・検討を進めている。特に、本専門委員会が検討対象とするスマート社会の延長線上には、ITを高度に活用し、サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立することで実現する「Society 5.0=超スマート社会」が位置づけられることから、過年度の調査は、Society 5.0の実現に向けた重要な社会的課題である働き方改革に着目し、テクノロジーの進化により実現される未来の労働の実現に向けた課題や方策について検討を行った。その中で、従業員個人の柔軟な働き方と企業全体の最適化の両立を実現するためには、単なるITツールの導入に加え、企業の制度や風土の見直しが一体となった改革、および働き方に関する個人データの収集・活用を通じた業務の見直しが有効であると示唆された。
一方、2020年1月頃より世界的に新型コロナウイルス感染症が拡大し、社会・経済的な活動の自粛や停止が求められるなど、わが国のみならず世界各国・地域において未曾有の危機に直面する事態となった。そこで、昨年度の検討では、現在の危機的状況を共有するとともに、この事態をきっかけに大きな変革が求められる将来の社会・経済の在り方について議論した。その議論を通じて、過去に検討してきた安心・安全・快適・便利なスマート社会実現に向けた施策を参考としつつも、After / Withコロナ時代とも呼ばれる将来の世界において求められるソフトウェア産業の役割として、率先して新しい働き方を実践し、他産業のリファレンスとして貢献することが求められると提言を取りまとめた。特に、率先した新しい働き方の実践に向けて、データ流通・データマネジメント、ローコード開発/ノーコード開発の活用の観点から、新しい働き方に係るデジタルデータ利活用の新たな潮流についてさらに議論を深めることが必要であると指摘された。
そこで、本年度の調査では、ソフトウェア産業が率先して新しい働き方を実践するために求められる事項等の議論を深めるために、データ流通・データマネジメントの動向、ローコード開発/ノーコード開発動向について調査し、また、それら技術を活用したモックアップ製作を通じて、具体的なアイデアを創出する。
本講演会では、上記の調査及びモックアップ製作に資するため、将来社会において求められる体験設計の概要とその実践、及び、そこで活用されるローコード開発/ノーコード開発について理解を深め議論することを企図した。

1.2講演会概要

タイトル: UX実践講座:「体験設計」の実践的考え方
日時: 2021年7月19日(月) 15:20~17:50
場所: Webex会議システム「Webex」

1.3 講師

講演会では、株式会社ホロンクリエイト 代表取締役の高橋克実氏が講師を務めた。高橋氏の経歴等は下記の通り。

氏名 高橋 克実(たかはし かつみ)氏
経歴 株式会社ホロンクリエイト代表取締役。その他、ホロンズ株式会社代表取締役や一般社団法人体験設計支援コンソーシアム代表理事などを務め、UX・UIやデザインの領域に長年関わる。

1.4 当日のタイムテーブル

グラフィックレコーディング講座の当日のタイムテーブルは下記の通り。

【当日のタイムテーブル】
15:20-15:30 講師挨拶及び委員自己紹介
15:30-16:30 講演
16:30-17:00 質疑応答

2.進行報告

2.1 出席者挨拶及び講師自己紹介

出席者から順次挨拶がなされ、その後、講師の高橋氏より自己紹介がなされた。

2.2 講演会

本講座講師の高橋氏より、顧客の経験価値をデザインする体験設計やその実践のポイント等の説明がなされた。以下に、その概要を示す。

  • UXやデザイン、開発の分野では、オープンイノベーションやアジャイルプロトタイピング等、多くのキーワードが提唱されている。ビジネスの未来デザインを行う上では、ブルーオーシャン志向、情報・仲間・ひらめき志向、人間社会環境共生志向、観察・共感・洞察志向、感性工学志向、アブダクション志向、共創・協創志向、益循環志向、文脈志向の9つのデザイン的思考が必要である。
  • デザインの対象は時代ごとに異なる。生活産業社会では、生活への対応が求められており、農産物等の衣食住の基本がデザインの対象であった。工業化社会になると、大量生産の工業製品がデザインの対象となった。現在の情報化社会では、ネットワークにおける様々なサービスがデザインの対象となった。その次の社会では経験経済が中心となる経験化社会が訪れると言われており、人の行為がデザインの対象となる。
  • 従来は、既存の保有技術の組み合わせというシーズ由来の開発と、顧客の要求への対応というニーズ由来の開発のどちらかであった。他方、経験化社会では、望まれる経験価値に焦点が集まり、Experience Visionからの開発に、設計開発のパラダイムがシフトしていくと考えられる。
  • 設計のアプローチについても変化が起こる。現在は、製造や販売、サービスの課題を起点にしたイシュードリブンな設計が一般的である。他方、経験化社会での開発は、望ましいビジョンを提案していくビジョンドリブンなアプローチが求められるだろう。
  • なお、ビジョンとは、「理想に近づくための共感できる近未来へのアプローチ」と定義する。現在と理想の間にはギャップがあり、なかなか到達できないというのが現実である。その中で、ビジネスの方向性やタイミングを定めて、文化や文明、環境、社会への対応を行うことで、理想に近づくことができる。このように、理想にたどり着くための階段がビジョンである。
  • このビジョンを設計するためには、手段となる機能の設計と目的となる体験の設計が必要である。この体験設計(Experience Design)が重要になる。
  • 設計には、個別の形を設計する詳細設計というフェーズがある。その前には、全体を俯瞰して、全体を適正に設計する機能設計というフェーズがある。この詳細設計と機能設計のフィードバックループが現代の設計論である。しかし、この機能設計より前に、意味の探索を行うフェーズがあると考えている。これは価値概念そのものを設計する価値概念設計である。価値を設計し機能設計のフェーズでプロトタイピングを行い検証するというもう一つのループがあると考えている。
  • 体験設計によって経験価値を生む。この経験価値とは、偶発的、意図的を問わず、過去の事象とその連携から得られる利益である。つまり、体験設計とは、価値創造を目的に意図的に企てられた未来の事象連携を創造する行為である。


図-1 講演会の様子(1)

  • 日本では、設えや作法、道具、段取等を上手に組み立て、体験設計をおもてなしの文化の中で行ってきた。また、江戸時代の富山の置き薬では、「先用後利」という言葉でシェアリングデザインの基本が端的に表されている。他にも、「信用三本柱」という言葉には、商いの信用、製品の信用、人の信用というトラストデザインという最新の体験設計とほぼ変わらない理念が示されている。
  • また、戦後近代化の時代でも巧みな体験設計が見られる。例えば、電気炊飯器である。これはコメを炊くという文化を家電製品にするという体験設計を行った例である。
  • 他にも社会性を考慮した体験設計もある。典型的には、近江商人の「三方良し」の商いである。この言葉は現在の社会を反映すると、「作り手良し」や「担い手良し」を加えた「五方良し」となるだろう。この言葉に当てはまる設計として、例えば、Suicaがある。当初は改札機のメンテナンスフリーを目的としていたが、自動販売機やロッカー等でも用いられ、様々な体験を生みだした。また、今後は、SDGsの観点も汲み、「地球良し」、「将来良し」の「七方良し」が求められることになるだろう。
  • なお、SDGsに掲げられているビジョンは体験設計のテーマとなり得るものが多く、体験設計はSDGsをビジネスに置き換える際の発想の起点となるだろう。
  • 体験設計の際に考慮すべきポイントは9つある。1つ目は、体験設計の対象である。体験設計の対象には、ユーザーや顧客の他に、社会や雇用者、提供者がいる。それぞれ、UX、CX、SX、EX、PXの5要素があり、これらのバランスが設計の上でのポイントとなる。
  • 2つ目は、体験のテーマ設定である。そこでは、専門家の意味提示とユーザーの本質欲求からの課題探索が重要となる。3つ目は、体験設計のレベルである。体験には、ビジネスの仕組み全体を指すジョブオリエンテッドなレベルと、ある環境下でのビジネス作法を指すシーンオリエンテッドなレベル、また、操作や作業手順などを指すタスクオリエンテッドなレベルがある。
  • 4つ目は、経験を評価する世代である。ある人が歩んできた時代背景と、ライフステージが重要である。例えば、団塊ジュニア世代、ゆとり世代、さとり世代等、それぞれに特徴がある。また、今後、ニューノーマルな時代になることを踏まえると、このような世代の特徴を捉えることが重要になる。
  • 5つ目は、体験を構成する要素である。経済学者のシュミットによれば、感覚的経験、情緒的経験、認知的経験、行動的経験、関係的経験という5つのExperiential Muduleがある。それぞれに対して訴求する要素を持つことが重要である。
  • 6つ目は、体験の背景である。いつ、どこで、誰と体験を行うのかというステージングが重要になる。ユーザーやステイクホルダー等との共創の場を作るという発想である。
  • 7つ目は、体験の経緯である。これは時間軸に沿って体験ジャーニーを設計することが重要である。
  • 8つ目には、体験の連携である。例えば、ワードローブ洗濯機には、多くのメーカーやサービス業が連携してユーザーに対応している。このようなExperience Value Chaneを構築することが重要である。
  • 9つ目は、体験への導入である。未知の体験には、体験期待への接点が必要である。気付や探索、試用、獲得、それぞれのシナリオを開発段階から意識する必要がある。


図-2 講演会の様子(2)

  • 体験設計の実践プロセスは、Vision、Scenario、Prototype、Evaluate、Intoroduceの5段階である。Visionでは、行為のテーマやユーザーの本質的要求を把握することで方向性を作る。Scenarioでは、シーンのプロセス化を行い、ストーリーを作る。Prototypeでは、リアリティの検証を行い、シミュレーションを作る。Evaluateでは、体験設計の評価を行い、分析調査を行う。Intoroduceでは、導入の可能性を考察する。この5段階で意味と価値の探索が終わり、この後に機能や形の設計に移る。
  • 体験設計の具体的な手法として、ビジョン提案型デザイン手法というフレームワークがある。最初のビジョンの段階では、テーマ設定が重要となる。その際には、企業のリソースを基にテーマを探る企業組織的アプローチや、社会課題を基にテーマを探る社会・環境的アプローチ、顧客の行動を基にテーマを探る顧客・ユーザー的アプローチがある。
  • シナリオの設計段階では、アイデア階層、バリュー階層、アクティビティ階層、インタラクション階層の4つの階層に分けて考える必要がある。また、社会的な課題や想定するユーザー像、ビジネステーマの3つの観点から体験のアイデアシナリオを創出する。ここから、価値筋(勝ち筋)のシナリオを抽出する。
  • プロトタイプの段階では、協創が重要である。プロトタイプはビジョンに基づく協創で生まれる。生まれたプロトタイプをユーザーとの共創によって育て、社会実装していく。
  • 一般的なV-modelでの開発とプロトタイピングの関係は以下である。V-modelでは、要件定義、基本設計、詳細設計、開発という各段階とそれに対応するテストが行われる。ここでは、機能を具現化する試行設計プロトタイピングと、それを評価する設計評価プロトタイピングがある。体験設計では、これらに加え2つのプロトタイピングがある。意味探索から機能化を行うまでの価値探索プロトタイピングである。また、これに対応して、機能や本質要求、経験価値、社会実装の側面を評価する価値評価プロトタイピングがある。
  • 体験設計のプロトタイピングでは、様々な仮想体験が提示されることになる。カタログやストーリームービー等ありそうなものをプロトタイピングして、コンセプトを検証する。これが体験設計のPoCになる。実際に、脳科学においても、話や文章よりも絵や模型の方が良いアイデアが生まれるとされている。実体験をイメージできるラピッドプロトタイピングが必要である。
  • 体験設計プロトタイピングは次のような流れである。まず、ユーザーの本質的要求をレイヤーに分けて分析する。ここから、アイデアシナリオを練り、バリューシナリオを考える。また、実際のペルソナを設定して、そのアクティビティシナリオを想像する。その後、これらのシナリオから生まれるタスクを抽出し、価値筋(勝ち筋)を見つけ出す。以上の検討を踏まえ、プロトタイピングを行う。具体的には、発泡スチロールやディスプレイで形を作り、HOTMOCKでビジュアルプログラミングを行う。このプロトタイプを基に、UX検証を行う。
  • HOTMOCKは体験を素早くシミュレーションするツールである。GUIツールには、Adobe XDやMonaca等があるが、HOTMOCKは、ハードウェアを含んだインタラクションをプロトタイピングすることができる。体験設計において、誰もが使えるツールとして、HOTMOCKを開発した。
  • HOTMOCKは、デザイナーやエンジニア、企画担当者、教育関係の方等がユーザーである。
  • これまでの実績を踏まえ、新たにHOTMOCK-Rを開発した。タブレットPCや、汎用アプリケーション、市販デバイスとの接続が可能になった。また、ソフトウェアはビジュアルプログラミングによって、ドラッグ&ドロップで設計することができる。ユースケースとしては、コンセプトメイクやラフモックプロトタイピング、UIプロトタイピング、PoCプロトタイピング等で使用されている。今後は、教育での利活用も想定している。


図-3 講演会の様子(3)

2.3 質疑応答

高橋氏の体験設計に関する講演に対し、出席者より質疑がなされた。以下に、その概要を示す。

  • 私自身も顧客体験の向上の取組を行ったことがあるが、通常、1つの製品の顧客を対象とした取組であった。今後、社会や未来も含めた体験設計が求められるとなると、それらは必ずしもコントロール可能な対象ではなくなると考えている。社会全体も含めたUXの設計において、整合性はどのように担保されると考えているか。
    • 社会も含めた体験設計という考えは、政治的な文脈で用いられることの多いソーシャルデザインの考え方に類似のものとして捉えられる傾向がある。しかし、今回ご説明した体験設計とは、ビジネスを通して社会に対応する設計を行うことを指す。ソーシャルデザインのように、一度に社会を変えるイメージではなく、企業等の組織がそれぞれのビジョンを実現するための取組を行うことで、ブロックが一つ一つ積み上がっていくように、社会全体が理想に近づいていくというイメージである。
  • 4つのプロトタイピング(価値探索、試行設計、設計評価、価値評価)は順番に実施するものなのか。また、HOTMOCKとはどのような関係性なのか。
    • 試行設計プロトタイピングと設計評価プロトタイピングは、従来と変わらない。ここに体験設計が加わることで、価値探索プロトタイピングと価値評価プロトタイピングが生まれることになる。ここはユーザーと共に創る領域であり、ユーザーの本質的要求を聞き機能化まで行う。HOTMOCKは、この価値探索プロトタイピングに最も相応しいと考えている。また、価値評価プロトタイピングの部分は、商品が市場に出た後の段階である。実際、最近のソフトウェア製品は逐次バージョンアップを行っている。また、モノの製品でも数年後には進化版が出ており、ある製品がその後の製品のプロトタイプになっている。この段階で、価値探索プロトタイピングで決めた価値に対する評価が示されるようになり、その評価が、最初の価値探索にフィードバックされる。
  • ビジョンに共感した人が集まり、一緒に開発を行うという形は理解できるが、自社の利益を確保しなければならないという側面も見過ごせない。体験設計よりも売れる製品を開発するという意識は根強いのではないか。この部分に関してお考えはあるか。
    • ビジネスになり得ないと思われるアイデアであっても、他者と連携すれば儲かる仕組みにできる可能性があると考えている。従来は大手企業が内部で出てきたアイデアを自社の技術で形にするというケースが多かった。しかし、今後は技術や利益の観点ではなく、体験設計という観点で人が集まるようになる。体験設計で生まれたアイデアをビジネスとして展開することはあり得るが、その前の段階で人が集まるようになる。体験価値からアイデアを発想するという流れは、どの業種業態であっても同様であり、個人が自分の興味に基づいて、自分が望む体験の設計という観点でつながりあうという世界を想定している。これは、大手企業が行っているオープンイノベーションと同様の考え方であり、大手企業であっても自社の領域から踏み出す際には、体験設計の考え方になると考えている。
  • 価値探索プロトタイピングでは、開発者とユーザーが共に創ることが重要だと考えている。他方で、ユーザー側が開発に慣れていないという面もあると考えている。この際、ユーザーを巻き込むためにはどのような方策があるのか。
    • 例えば、自社のユーザー会に対してプロトタイプを提示するというケースが多い。具体的には、ユーザーの要求を広く抽出し、プロトタイピングを行った後、そのプロタイプがユーザーの期待値をどれほど満足するのかという点を検証する。基本的には、拒否感を持たれる場合がほとんどであるが、その中でも実現できそうな要件がわかる。プロトタイプによって、ユーザーの本質的要求から生み出された価値を実現しているのかを検証するというイメージである。
    • 最大のボトルネックはユーザーが分かっているため、ユーザーが自ら開発できるような環境になれば良い。
    • 仰る通りである。他方、現状は、ユーザーが開発を行っても途中で挫折する場合が多い。当社でも素晴らしいアイデアであるが製品まで到達していなかったものを支援したことがある。
    • ユーザー会の多くはIT部門であることが多く、業務部門のニーズが分からないという課題があるだろう。また、業務部門であっても、潜在的なニーズに気づいていない場合もある。ユーザーが個人のレベルで開発を行えるようになれば、イノベーションが進みやすいと考えている。
  • HOTMOCKは、開発者が開発効率向上のために使われる場合よりも、ユーザーと共に体験設計を行うために使われる場合が多いのか。
    • HOTMOCKは、エンジニアが最終局面を事前にイメージするための道具として使っている場合が多い。ハードウェア開発であってもソフトウェア開発であっても、実際に開発する前の最も初期の段階で使われている。現状では、ユーザーが体験設計を行う際に使うというよりも、むしろ、開発者が使う場合の方が多い。ただし、エンジニアの使い方もある意味では体験設計と言える側面もある。また、デザイナーに対しては、製品の色や形などの物理的側面を重視する場合が多いためか、デザイナーによる体験設計という観点ではあまり利用が進んでいない。
  • 製品開発の現場では、試行錯誤が重要である。今回の体験設計の例では、どれくらいの試行錯誤を行うことになるのか。また、試行錯誤の際に気付かなかった新しい価値が見つかったという事例があればご教示いただきたい。
    • 一般的には、長いものは3年程度であり、短いもので1年程度である。詳細には、体験設計のレベル(タスクレベル、シーンレベル、ジョブレベル)で異なる。タスクレベルであれば、タスクを明確にすることで、半年程度で終了することもある。他方、ジョブレベルになると、ユーザー自体を作り出すこともあり、数年の時間を要する場合もある。特に、医療機器であれば、5年程度要するものもある。これはサービスとしての着地まで見据えると、開発が全く進まない段階が発生するからである。
  • 技術畑出身ではないが、今回ご説明いただいた体験設計はソフトウェア産業を活発化するための考え方の一つになると思う。
    • 銀行員やホテルマン、営業企画等、技術関係でない方にも体験設計は関わると考えている。実際、このような業種の人たちは、顧客の体験作りを行っている。これらの方の気づきがDXや新しいサービスの開発につながる。最前線のサービスの担い手が体験設計の種になる可能性は十分にある。また、最近は、エッセンシャルワーカーのための安全・安心な体験作りという観点もある。このように、体験という観点であれば、その裾野は広い。