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下村会長 退任挨拶

 

一般社団法人 電子情報技術産業協会
会長 下村節宏

会長 下村節宏

 リーマン・ショックからようやく回復の兆しが見えておりましたところに未曾有の大地震に見まわれ、今なお被災地では多くの方々が困難な生活を余議なくされている状況であります。あらためて被災された多くの方々に心からお見舞い申し上げます。当業界でも多くの工場、事業所等が被災し、生産ラインが停止するなど甚大な被害を受けましたが、グローバルサプライヤーとして供給責任を果たすべく、復旧・復興に向け全力で取り組んでいるところであります。IT・エレクトロニクス業界の強みであるものづくり力や、世界をリードする省エネ技術等を最大限に活用し、必ずや力強く復興できるものと確信しております。
 さて、この1年を振り返ってみますと、JEITAでは「環境と成長の両立」を基本方針とし、経済対策をはじめとする様々な支援策を、皆様のご協力を得ながらあらゆる機会を通じて政府へお願いしてまいりました。特に昨年秋に開催されました国内投資促進円卓会議では、委員として菅総理をはじめとした関係閣僚の皆様に「国内立地支援の強化」、「課税の負担軽減」、「EPA/FTAの早期締結」などについて要望いたしました。これらの活動の結果、家電エコポイント制度が3月まで延長されました。この制度は国民一人一人の環境意識を高めるとともに、川上から川下まで裾野の広い当業界への経済効果があったと考えております。また「低炭素型雇用創出産業立地支援」として、平成22年度は1,100億円が予算措置されました。さらに平成23年度予算では71億円が予算化されましたが、当初予算に組み込まれたことは予算を前提に投資計画が組めるなどの点で意義のあるものだと考えております。
 今年度は、東日本大震災からのいち早い復旧と復興へ、国全体で取り組むことが最大の課題であると考えます。当業界としては生産レベルを震災前の水準に戻すことが喫緊の課題ですが、そのためには計画停電の回避は不可欠であります。各社におかれましては、夏場に最大限の電力抑制に取り組んでいただくと同時に、当業界の製造工程の特徴などについて、業界を挙げて政府に理解していただく努力をすることが重要であると考えております。さらに今後の復興においては、新たなエネルギー・環境構造の構築について、皆様から意見をいただき政府へ提案したところです。今後、二次補正予算をはじめ政府の復興事業計画等に反映されることを期待しております。
 ただ、震災の影響もあり、TPPの推進、法人実効税率の低減等、実現が先延ばしとなった項目もあり、引き続きこれらの課題に取り組んでいく必要がございます。矢野新会長の下、一致団結して日本の力強い復興と国際競争力強化に向け、当業界が直面する課題への対応を図っていただきますよう切にお願い申し上げます。
 最後に、皆様に頂戴しましたご支援・ご協力に改めて感謝申し上げ、簡単ではございますが私の退任のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。